労働経済学をつかむ の商品レビュー
私は学部では経済学を専攻したが、「労働経済学」という名前の授業を選択した記憶はなく、自分にとっては、目新しい分野である。 「賃金や労働時間など労働に関するさまざまな現象を、経済学のアプローチを通じて解明するのが労働経済学」である。本書で扱われているテーマは、「日本の労働市場」「労...
私は学部では経済学を専攻したが、「労働経済学」という名前の授業を選択した記憶はなく、自分にとっては、目新しい分野である。 「賃金や労働時間など労働に関するさまざまな現象を、経済学のアプローチを通じて解明するのが労働経済学」である。本書で扱われているテーマは、「日本の労働市場」「労働供給」「労働需要」「教育・訓練と人的資本」「長期雇用の賃金決定メカニズム」「転職・就職」「賃金格差」「失業と不安定雇用」「女性労働」「高齢者の就業と引退」「労使関係」である。 本書は、おそらく、大学の授業テキストとして使うことを想定して出版された本だと思う。従って、労働経済学が関係する分野を網羅的に扱っている一方で、それだけ多くのテーマを扱うと当然そうなるように、一つ一つのテーマの解説はあっさりとしたものとなっている。 私は企業の人事部で長期間勤務をしていた経験があるので、上記に書かれているようなテーマは、少しはなじみのあるものである。しかし、それらを経済学的に、かつ、実証的と言うよりは論理的に考えたこと経験は少ない、というよりもほとんどない。そういう意味では、ある意味で、新鮮な感覚を持たせてくれた書籍であった。
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方程式はできるだけ使わずと前書きに書かれていたが、やはり結構使われている。 モデルでの説明をせざるを得ないときがあるからしょうがないと思うが、方程式だけ載せてその説明だけに留まっているのは果たしてどうなのか。 モデルを使って労働市場を解説してこそ意味があるのではなかろうか?
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