向こうの果て の商品レビュー

竹田新(著者)

2022/02/10

同棲相手殺害。
相手の求める者になれる。真実の顔はどんな？
面白く読めました。
みんな同じ一面があるのでは？

2021/10/16

いくつもの顔があるように解説には書いてあるけれど、主人公にそんな多面性は感じなかった。ある意味肩透かし。出生の秘密を抱えた可哀想な女に惹かれた男がたくさんいた話。津田口検事がそこまで入れ込む理由も浅いかな。同系統なら、白夜行の方が主人公の出生の悲惨さや多面性、話の起伏が大きくて面白いと思う。

2021/07/11

運命に翻弄されているとはこのことだ、と思う。
世界は不公平だとはこのことだ、と思う。
でもどうしても命を繋いでいく、子孫を残す、というのは、抗えない本能なのですね。

wowowでドラマ化される情報を先に知って、松本まりかが演じるとのことだったが、個人的にはハマり役ではないかと…むしろ私の頭では松本まりかの絵で再現された。

2021/05/11

5月14日からWOWOWでドラマ化されるというので手に取りました。

同棲相手を殺害容疑で逮捕された池松律子。
若手検事の津田口が取り調べの担当となるが、
罪を認めるが動機は語らないので、
彼女を知る男達の証言を進めるにあたり、
生い立ち環境などが判明されていくというミステリー小説。

このようなタイプのストーリーはありがちですが、
ストーリーの成り立ちや構成などが良くて
どんどんと内容に引き込まれてしまい一気に読めてしまいました。
それぞれの男性の証言を読むと夜叉のような女、
娼婦のような女、嘘つきの女、贅沢な女、残酷な女、
柔らかな女、太陽のような女という様々な印象のある女性でした。
時と場合によっては同じ女性がこうも人間性というか性格などが
変わるものかと思うと捉えどころのない人だと思いました。
ここまでの印象になってしまった彼女のことを考えると
好きでなったのではなく悲しい過去の積み重ねから
なってしまった要因もあるので同情する部分もいくつかありました。
そのせいもあってエピローグを読むと少し切ない気持ちにもなりました。
本当はこんな風にあのヒトと一緒にいたかったのかなと思いました。

その同情に引き込まれてしまったのが
若手の検事でもあり、この男性も自分の生い立ちと環境が
いくつか似ていることからそう思わざる追えなくなってしまった
ので仕事に支障が障るかと途中で思ってしまいますが、
何とか途中で顧みる所が出来たのでこれで過去からの
脱却からも出来て良かったかと思いました。

現代社会の中でも様々な犯罪がありますが、
その時に必ず生まれ育った土地そして両親からの影響などが
説明されます。
この作品でも同じように追うことになりますが、
更にこの影響が容疑者の女性だけでなく
それを取り巻く男性たちにも及ぼされているのが分かるので、
幼い頃の環境というのは本当に大事だということが分かります。

彼女のラストが意外な展開で終わることになってしまったので、
これこそ彼女が本当に語りたかった真実で、
いかに過酷な人生ではなかったのかと思いました。

なかなかスリリングな内容で読み応えもあったので、
今度はドラマを観て楽しんでみたいと思います。