下河辺淳小伝 21世紀の人と国土 の商品レビュー
まったく知らなかった人の評伝です。友人に下河辺淳って官僚の業績についての本を読んでいる、と伝えたら、ああ、田中角栄の日本列島改造論のブレーンね、と言われたのですが、そんな誤解を解くために、下河辺チルドレンが本を書かなかった彼の仕事を次の世代につなげるために業績を俯瞰してまとめた本...
まったく知らなかった人の評伝です。友人に下河辺淳って官僚の業績についての本を読んでいる、と伝えたら、ああ、田中角栄の日本列島改造論のブレーンね、と言われたのですが、そんな誤解を解くために、下河辺チルドレンが本を書かなかった彼の仕事を次の世代につなげるために業績を俯瞰してまとめた本です。この本を手に取るきっかけをつくった新聞の書評では、『工業立国の基礎をつくった「ミスター開発」』と紹介されていました。経済企画庁のビッグヴィジョンである新全総のプラナーなのでそういう評価になるのは当然なのかもしれませんが、開発というより国家百年のグランドデザインという壮大な発想、そしてその実装を考えるともっとでかい紹介文を考えなければならないかもしれません。国土を交通で考えるのではなく水系による流域圏居住による「定住圏」という構想だったり、太平洋ベルト地帯と違う新国土軸という発想だったり、沖縄問題に心をよせた「沖縄3000キロ構想」、そして東アジアと連携する「蓬莱経済圏」だったり…。それがアクションを持って練り上げられていることに驚嘆しました。官僚の仕事って大きいな。この本を読んだことで彼のインタビュー動画も視聴しましたが、そこでも少子高齢化は日本のチャンスと語っていました。ニューノーマルの名のもとに「明日はどっちだ!」状態の日本ですが、下河辺淳はここからどんなグランドデザインするのだろう、と思いました。いや、その答えは本書に埋め込まれている、とも思いました。
Posted by
信念と、歴史から学ぶ眼差しと、未来へのヴィジョンを持っている人にこそ、国の礎を創る仕事に就いてほしい。市位の主婦である私にはイメージすることも難しいスケールの本ではあるが、覚えている事案も多く読み進めることが出来た。
Posted by
- 1