春を待つ の商品レビュー
交通事故で子を亡くした元夫婦と義父の虐待から逃げて来た少年、健介。彼は2人の枯れた心を少しずつ甦らせてゆく。 「ゲンさんとソウさん」もそうであったように、無茶苦茶な奇跡は起こらない。でもちょっとした奇跡の積み重ねがほんのり。
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愛する息子を喪い、未来をなくした夫婦は悲しみの果てに離別。平和だった家族は崩壊した。 それから数年を経た命日の前日、夫は過去を忘れるために、息子の骨壺を抱え、心が凍てつき暗い家に引き籠る妻を訪ねる。だがその途上、夫は実の両親を亡くした少年と出会い、妻の家に一緒に泊まることに。...
愛する息子を喪い、未来をなくした夫婦は悲しみの果てに離別。平和だった家族は崩壊した。 それから数年を経た命日の前日、夫は過去を忘れるために、息子の骨壺を抱え、心が凍てつき暗い家に引き籠る妻を訪ねる。だがその途上、夫は実の両親を亡くした少年と出会い、妻の家に一緒に泊まることに。 その日から心に仄かな灯が生まれた。 3人の孤独な魂が寄り添う時間のなかで、それぞれの絶望が希望に変わり、夫婦は再生の路に立ち、少年は未来に向かって歩みはじめる。 子供を事故で失った男と女が、訳アリの少年と出会って生きる希望を見出すという物語。子供の事故死、児童虐待、東日本大震災、そして新潟水俣病というあまり触れたくない話題に触れている。概ねハッピーエンドで心はホッコリしたんだけど、終わり方が都合が良すぎるところが残念だったかも。面白かったし、良かったです。
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3.11にパンデミック。両親は水俣病患者で息子は交通事故死、飛び込んできた少年は父親から虐待。あらゆる不幸が、これでもかと、てんこ盛りなのに温もりと希望も。「誰かと一緒に生きる。こんなに疲れることをどうして繰り返すのか」
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
新潟水俣病で親を亡くした主人公の光永。 結婚し息子を設けるが、今度は息子を交通事故で亡くす。 息子を亡くした事実を受け入れられない妻とは離れて暮らすようになる。 息子を納骨するという事をきっかけに妻の元へ向かうが、そこで起こる事が自分自身を見つめ直すきっかけとなる。 この世に生まれてきた理由、親としての想い、人を思いやる気持ちの大切さなど、日本人ならではのハイコンテクストなやり取りではなかなか伝わらない本音が、様々な事象を通じて理解を深めていく。 春を待つというタイトルの意味もすーっと腹落ちする。そんな素敵な作品。
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最初から最後までずっと切なくて苦しかった。 幸せな人が一人も出てこなくて。 でも現実なんだと思えた。 水俣病、虐待、震災。 また3人で暮らせる日がきますように。 少しずつ少しずつ幸せになってほしい。
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帯に書かれていた「少しずつ幸せになるしかないんだ」の言葉のように、全てハッピーエンドで終わりじゃないので、もどかしさもありました。いつか三人が再び一緒に暮らせる日が来ればいいなと、思います。
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