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子どもの算数、なんでそうなる? の商品レビュー

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11件のお客様レビュー

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2024/09/08

仕事の参考文献の一つとして読んだ。算数数学は学校教育の中で中心的な教科だろう。それだけに,いかに教えるか,どのように学ぶかは常に注目されている。小学生も中学生も好きな教科嫌いな教科の上位(1位か2位)に位置する。子どもが示すオモシロ解答は,子どもの認識の特徴を表している。なぜその...

仕事の参考文献の一つとして読んだ。算数数学は学校教育の中で中心的な教科だろう。それだけに,いかに教えるか,どのように学ぶかは常に注目されている。小学生も中学生も好きな教科嫌いな教科の上位(1位か2位)に位置する。子どもが示すオモシロ解答は,子どもの認識の特徴を表している。なぜそのようなオモシロ解答にいたったかを丁寧に見取っていくことで,子どもの認識を理解し,それに合わせた教授法や学習法を考えることができる。時間をかけて認識が変化していくという解釈が興味深い。表象の書き換えと検証を繰り返すんだろう。

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2024/05/06

誤りを過渡的な状態であると尊重しよう、というメッセージが目から鱗。その場ですぐわかってほしいし、そういう知識の伝え方が求められているのかと思っていたところがあると認識できた

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2023/01/16

子どもなりの着眼点や思考プロセスにを面白がりながら、丁寧に向き合って導いていきたくなる一冊でした。 算数の話自体でも、これまでに考えつかなかったというか、知らなかった話もあって、純粋に勉強にもなりました。

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2022/07/15

子どもが算数の問題を解くとき、突拍子のない誤りをすることがある。大人にとっては意味不明な間違いでも子どもの思考プロセスを丁寧に想像してみると、全くの出鱈目を答えたのではなく、子どもなりの推論に基づいて答えを出していたことがわかる。子どもの算数の誤りを数学者の筆者が丁寧に解きほぐす...

子どもが算数の問題を解くとき、突拍子のない誤りをすることがある。大人にとっては意味不明な間違いでも子どもの思考プロセスを丁寧に想像してみると、全くの出鱈目を答えたのではなく、子どもなりの推論に基づいて答えを出していたことがわかる。子どもの算数の誤りを数学者の筆者が丁寧に解きほぐすことで、素朴な算数は多面的で意外な奥深さを持った算数となり、また、一見、ネガティブな印象を与える「誤り」が、知識を血肉化し深い理解へと到達するためのポジティブな道標として機能することを教えてくれる。 子どもの学習に対する関わり方や、誤りの価値について考えるのに適した良書である。

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2022/03/13

子どもが算数で躓いたら?と思って買って、しばらく積読になっていたけど、読んでみると、子どものためというより、自分のために良かった。 P.67「実は数学者の日常もこの点は変わりなく,新しい概念や考え方は,いつも時間をかけて学んでいる。…分からないものが分かるようになるために必要な時...

子どもが算数で躓いたら?と思って買って、しばらく積読になっていたけど、読んでみると、子どものためというより、自分のために良かった。 P.67「実は数学者の日常もこの点は変わりなく,新しい概念や考え方は,いつも時間をかけて学んでいる。…分からないものが分かるようになるために必要な時間を確保する」 ことが足りなていないのだと、改めて認識できた。

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2022/01/27

子どもの思考回路を覗き見るヒントが満載の本でした。 「たまごが7こありました。なんこかつかったあと見たら、のこりは2こでした。なんこつかったでしょう。」 子どもは答えの欄に [5こ] と書く。 この問題には"答えをもとめる式"の欄もある。 そこに子どもは、...

子どもの思考回路を覗き見るヒントが満載の本でした。 「たまごが7こありました。なんこかつかったあと見たら、のこりは2こでした。なんこつかったでしょう。」 子どもは答えの欄に [5こ] と書く。 この問題には"答えをもとめる式"の欄もある。 そこに子どもは、[ 7 - 5 = 2 ] と書いた。 期待した正解は [ 7 - 2 = 5 ] だったのだが、これは"答えをもとめる式"としては不正解なのだろうか? 「3cmの本を並べたら18cmになった。何冊並べたか。」という問いに対しては、 子どもは少し時間がかかったが正しく [ 6冊 ] と正解した。 式は(18 ÷ 3 = 6 でなく) [ 3 × 6 = 18 ] だった。 算数を習い始めた子どもにとっては、これが素直な発想なのかなと思えた。 問題の日本語をそのまま式にしたら確かに 7 - □ = 2 や 3 × □ = 18 になる。 その上で、子どもは □ を求める問いだとちゃんと分かっている。 学校の算数の授業で鍛えられた大人にとっては「おっ、そうくるか?」と一瞬思うが、 自分も子どもの時は、このように考えて答えにたどり着いていたのかもしれない。 3が100こはサンビャクだと覚えたので、100が3こはと聞かれればヒャクサン(かな?)と答える。 11時の1分前はと聞かれ、10時69分と答える。 小数を学び始めた子が、0.2 × 3はと聞いて 0.6 だと答えられても、3 × 0.2 はと聞くと答えられない。 子どもの頭の中では、どのように考えが巡っているのかを解明(推理)していて面白かった。 テレビで野球を見ていると、画面の隅に 137km/h のように字が表示される。 子どもが何だ?と聞くので、親はピッチャーが投げた球のスピードだと言う。 子どもが km/h って何だと聞くと、親は1時間で進む距離だと言う。 子どもがピッチャーの投げた球が1時間も飛ぶわけがないので意味が分からないというと、親は黙る。 子どもの珍答・迷答・誤答に対して、思考プロセスを無視し単に不正解として処理するのでなく、どのように考えたのかや何につまずいているのかを理解して、もう一歩先に進めてあげることの難しさを考えさせられました。

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2021/09/18

数学者による、わが子の算数“事件簿”。 それは、「誤り」を考えるための足場とする著者の価値観を、次の世代に伝える記録でもあるのだろう。 算数=いかにミスなく操作できるかであった私からすると、うらやましい環境だ。 誤りを面白がり見守る文化に浴することが、私もできたらと思う。

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2021/09/10

『#子どもの算数、なんでそうなる?』 ほぼ日書評 Day474 「3+1=5」を丸(正解)にする…といった表層的なところがキャッチーに使われているんだけれども、なかなかに本質をついた深い内容。 乗算で「かける数」と「かけられる数」を逆にした式はマルかバツかみたいな話も、具体...

『#子どもの算数、なんでそうなる?』 ほぼ日書評 Day474 「3+1=5」を丸(正解)にする…といった表層的なところがキャッチーに使われているんだけれども、なかなかに本質をついた深い内容。 乗算で「かける数」と「かけられる数」を逆にした式はマルかバツかみたいな話も、具体的な例を上げながら、冷静に解説。面白かった例が、紅白饅頭を3箱で饅頭は幾つ?というもの。 普通は紅白2個セットが3箱だから、2×3=6。けれども生産者視点に立ったら、白と赤は別々に作るだろうから、各3個が赤白の2種類で3×2が妥当ではという解説。 何度も読み返す類の本ではないかなと思うので、ぜひ図書館で。 https://amzn.to/3z2rUQi

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2021/08/31

「3+1=5」にマルをつけた数学者が語る、子どもの算数の見守り方 間違いを否定せず、考えた道筋を共有しよう(2021/6/18) https://sukusuku.tokyo-np.co.jp/education/44649/

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2021/07/27

数学者(整数論)のお父さんによる子ども観察&考察。 「一見誤りである子どもの思考の局所的な正確さやその機微、また単純平易に見える算数の意外な奥深さ」をかたる一冊。おとなの価値観や常識をわきにおいて、「子どものすること、考えることにはすべて理由がある」という姿勢で子どもの思考回路を...

数学者(整数論)のお父さんによる子ども観察&考察。 「一見誤りである子どもの思考の局所的な正確さやその機微、また単純平易に見える算数の意外な奥深さ」をかたる一冊。おとなの価値観や常識をわきにおいて、「子どものすること、考えることにはすべて理由がある」という姿勢で子どもの思考回路をていねいに観察すると、学ぶことが案外多いもの。「算数」にかぎらず、こどもの勘違いや思い込み、間違いをバカにしたりきびしく訂正したり正解を教え込んだりする前にあれこれ思いを巡らせるのは決してムダじゃないと感じさせてくれる。それにこの本の観察記録を読んでいると、数字を順につなぐだけの線つなぎも、ミリからセンチみたいな単位の変換も、自分が大人の感覚で思っている以上に複雑な作業だったのだな、と気付かされる。最後の方の、幼いきょうだいが参加できるように「答えが1になる問題」を考えはじめるエピドードには打たれたし、すごく象徴的な物語だと思った。結びにある「誤り」への対応の再考は、算数・数学にかぎらずあらゆる学びの場に言えることだろう。 子ども観察系では同じ岩波科学ライブラリーの広瀬友紀「ちいさい言語学者の冒険」もおもしろい。…と手に取る前から勝手に思っていたら、著者あとがきに言及あり。著者が収集した「事件」のなかには日本語の統語規則(文の仕組み)と関係するのではないかという分析もあり(ヒャクニエン事件)、親になった言語学徒の自分にその視点はなかったな、と感心した。言葉も数の感覚も、多くの人がいつのまにか身につけてしまうもので、また、うまく(楽しく/楽に)生きていく上で必要不可欠なものだが、その感覚がいかに育まれていくのか、というあたりの研究はまだまだこれからだなと改めて思った。 初出は岩波書店月刊誌『科学』連載(2019.5-2020.9の隔月)

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