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コーチングで病院が変わった の商品レビュー

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2021/04/30
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「アクシデント/インシデントを減らすには、コミュニケーションを取りやすくすることが有効」ということは明確にわかってるはずで、データでも示されているはずである。しかし、医師は(医学科に入学してから管理職・経営層になるまで)コミュニケーションを体系的に学ぶ機会はなく、先輩の背中を見て自己流で試行錯誤しているのが現実であるように思われる。。 この本では、医療に携わる方々らしく/医療に携わる方々に読みやすいように、エビデンスや機序などもたくさん示しつつ、「コーチング」が病院経営や医師の働き方改革に寄与できた事例が書かれている。 さまざまな「コーチング」に関する本の中では、「コーチング」を「マインド」というより「コミュニケーションスキル」であると扱い書かれた本だと思う。これまで「コーチング」に触れたことがない人でもとても読みやすいと感じた。 医師の役割「診断と治療」においては「ガイドラインに沿った、標準化された、エビデンスに基づいた」態度が基本であり、学生教育でも一番に求められているポイントである。 しかし、「自分の頭で考える」ことは悪なのではない。ターミナルケアの場面や感染症の危機、「医師の働き方改革」に伴うタスクシフティングを可能にする他職種協働のチームビルディングなど、「自分の頭で考え、仲間に積極的にアイデアを求め、チームで創造性を発揮していく」ことによってしか打開しえない場面が、医療には多くある。 医学部入試は易しくはなかったが、入学後医師になるために必要とされる知識はさらに膨大であり、圧倒されてしまう。これから国家試験までの勉強中も、「もう創造性を諦め、情報を出し入れするロボットにでもなろうか」といじけてしまいそうなシチュエーションも多いだろう。が、本書で先輩方が見せてくれた(楽しく、苦しい)試行錯誤のフィールドに到達したい!という気持ちは、今の試練に取り組む勇気をくれた。

Posted byブクログ