混迷の国ベネズエラ潜入記 の商品レビュー
新聞書評で取り上げられていて、ちょうどCIA分析官ライアンシーズン2の舞台でもあったベネズエラということで読んでみた。著者と同じく、もっと悲惨な国民の状況を想像していたので、少し肩透かし的な感あり。ジャーナリストとして実際にベネズエラに3回も潜入したのに、あまり深く国民生活の暗部...
新聞書評で取り上げられていて、ちょうどCIA分析官ライアンシーズン2の舞台でもあったベネズエラということで読んでみた。著者と同じく、もっと悲惨な国民の状況を想像していたので、少し肩透かし的な感あり。ジャーナリストとして実際にベネズエラに3回も潜入したのに、あまり深く国民生活の暗部にまで踏み込めていないのが、ベネズエラを取材する難しさなのか。 おまけの野獣列車ルポも、本物の体験談だけに迫力あり。3.2
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平均月給日本円で400円。なのにマックのセットは300円。 彼らは一体どうやって生活さてるんだろう。
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南米の小国ベネズエラ。とてつもないインフレで国家財政は破綻。公共サービスはほぼストップ、治安は悪化、富裕層は国を去ったこの国の取材を著者はライフワークとする。アルバイトでお金を貯めては何度もベネズエラに潜入する。本書は「潜入記」というだけあって、著者のベネズエラ入国、取材、出国の...
南米の小国ベネズエラ。とてつもないインフレで国家財政は破綻。公共サービスはほぼストップ、治安は悪化、富裕層は国を去ったこの国の取材を著者はライフワークとする。アルバイトでお金を貯めては何度もベネズエラに潜入する。本書は「潜入記」というだけあって、著者のベネズエラ入国、取材、出国の苦労話、失敗話が中心。 手を変え品を変え、ベネズエラに入国する著者の情熱はどこから来るのか、この国のどこに魅力があるのか、著者は多くを語らない。そこに山があるから登るのが登山家なら、著者にすれば、ベネズエラのことを知りたいから潜入するということなのだろう。 しかし、興味欲だけで、こんな危険な国を目指すなんて、絶対に家族にしたくない。 驚かされるのはベネズエラのインフレのすさまじさ。国民の最低賃金が日本円で月300円。で、マクドナルドハンバーガーが300円。隣国のコロンビアでは賃金は100倍。それでもベネズエラ国家は存在し、働く人がいて、住む人がいる。著者はその理由を探しているのか。
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エクソダスに続き、こういう本大好き ベネズエラってそもそも日本で報道すらされへんけど、実際は普通に生活はできる状態ってのが不思議やった。それほど貧富の差がすごいってことやろうね 西側が貧困層で東側が富裕層、その境界がはっきりあるって日本ではなかなかないことやから不思議な感じ ...
エクソダスに続き、こういう本大好き ベネズエラってそもそも日本で報道すらされへんけど、実際は普通に生活はできる状態ってのが不思議やった。それほど貧富の差がすごいってことやろうね 西側が貧困層で東側が富裕層、その境界がはっきりあるって日本ではなかなかないことやから不思議な感じ 野獣について、エクソダスでは主に屋根の上に乗る人が描かれてたけど、時が経つにつれて連結部とか皆それぞれ工夫してるねんなあとしみじみ 毎度思うけど、こうゆうタイプの本を読むとすごいこっちまでハラハラして読み終えた時に胃が重くなる 好きやけどさせ
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産経新聞に掲載されており、ベネズエラの国政や経済破綻のことを全く知らずに購入。 筆者は中南米を中心に取材しており、ベネズエラに3度にわたって潜入した記録となっている。 2021年3月に刊行されたばかりで、情報としての鮮度が高く、筆者の取材した中南米の実情がリアリティをもって感じら...
産経新聞に掲載されており、ベネズエラの国政や経済破綻のことを全く知らずに購入。 筆者は中南米を中心に取材しており、ベネズエラに3度にわたって潜入した記録となっている。 2021年3月に刊行されたばかりで、情報としての鮮度が高く、筆者の取材した中南米の実情がリアリティをもって感じられた。 こういったジャンルは、ともすればオーバーに感じられる表現が多くなりがちと感じることも多い。けれども、とても冷静な視点で対象を描いており、かつ読み物としても文章が上手い。協力者や取材対象者の描写が丁寧なため、引き込まれる。ベネズエラからコロンビアに出国する際のエピソードは、手に汗握る展開。
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国家破綻寸前といわれるベネズエラに、コロンビアから入国しルポを試みた潜入記。まずいちばん反省しなくてはいけないのは、ベネズエラの現状、みたいなことに全く無関心であったこと。潜入記自体は、国境あたりの話に終始していて、肝心の現状のルポは少なめの印象。だけど、それこそがリアルなのだろ...
国家破綻寸前といわれるベネズエラに、コロンビアから入国しルポを試みた潜入記。まずいちばん反省しなくてはいけないのは、ベネズエラの現状、みたいなことに全く無関心であったこと。潜入記自体は、国境あたりの話に終始していて、肝心の現状のルポは少なめの印象。だけど、それこそがリアルなのだろう。もうひとつ、メキシコからアメリカへの移民が乗る旅客用の列車。彼らはその列車の屋根に乗り、アメリカへの入国を試みて、大怪我や命を落とすものもいる。通称、「野獣列車」。これも、ライター自身、乗ろうとするが乗れない。取材対象になかなか入り込めず、それでも入り込もうとする姿勢がとてもリアルでした。
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北澤豊雄は快著「ダリエン地峡決死行」の著者。コロンビアの日本料理屋「侍や」を拠点に中南米を旅するライターが破綻国家と噂されるベネズエラに2019年に3度「潜入する」。潜入すると言っても、不法入国するわけではない。スポーツ記者と偽ったり、単なる旅行者と偽ったり・・・まあ、そんな感...
北澤豊雄は快著「ダリエン地峡決死行」の著者。コロンビアの日本料理屋「侍や」を拠点に中南米を旅するライターが破綻国家と噂されるベネズエラに2019年に3度「潜入する」。潜入すると言っても、不法入国するわけではない。スポーツ記者と偽ったり、単なる旅行者と偽ったり・・・まあ、そんな感じで入国し、取材する。 世界一の埋蔵量を誇る石油で豊かな社会経済を作っていたベネズエラだが、どこでどうしたのか・・今や最低賃金が月額400円(時給ではない、月収!)の国になってしまっている。そして、報道で伝えられる悲惨な状況。 その本当を見たいと思った著者はいろんな手段を使って使って「潜入」する。何しろ「ベネズエラに行くコロンビア人の商人、十人中六人が帰ってこない」と言われるくらいに危険らしい国なのである。しかし、実際に著者が見た街には貧者が溢れているわけでもなく、まして死体が転がっているわけではない。 しかし、やっぱり強盗に会うし、騙されるし、警察に拘束されるし、賄賂を要求される。命の危険はいつもそこにある、という感じ。ベネズエラでたくましく生きる人々のこと、破綻しかけた国の警察などの腐敗、月収400円の経済の仕組み・・ドキドキが止まらない潜入記。 21世紀のこの地球のことである。
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主に2019年後半の取材をもとにしたルポ。全五章の本文に「付録 野獣列車を追いかけて」が加わる。 第一章のコロンビアとの国境に近いメリダ州都への訪問を皮切りに、第二章は首都カラカスを訪ね、第三章でも首都を再訪する。第五章は第三章の続編に当たり、陸路でコロンビアへの帰還を目指した道...
主に2019年後半の取材をもとにしたルポ。全五章の本文に「付録 野獣列車を追いかけて」が加わる。 第一章のコロンビアとの国境に近いメリダ州都への訪問を皮切りに、第二章は首都カラカスを訪ね、第三章でも首都を再訪する。第五章は第三章の続編に当たり、陸路でコロンビアへの帰還を目指した道程を中心に綴られる。三章と五章を隔てる四章は、著者自身の経験ではなく日本における聞き取りで、薬物密輸のためベネズエラで服役した中年日本人男性を介して刑務所内部の事情などを伝える。 国家破綻寸前とされるベネズエラだが、報道の惨状は一時的の極端な現象をクローズアップして伝えられたものだと知らされる。とはいえ、やはり低所得層なら日本円にして月200~1000円という収入の極度の減少ぶりは異常で、著者自身も取材中にいくつかのトラブルに巻き込まれている通り、お世辞にも治安が良いとは言えないようだ。貧困対策を前面に打ち出した政府が国家を困窮に追い込んだ事実は印象的である。 付録の「野獣列車を追いかけて」ではベネズエラを離れ、アメリカを目指す中米の移民たちが乗車する、メキシコ縦断貨物列車を扱う。野獣列車が通過する15駅を訪れ、約一か月で100人の移民たちと移民支援団体などの取材に当たっている。 ベネズエラへの取材期間はそれほど長くはなく、旅行者視点で同国の市民生活を探るということ以外には目立つテーマがなかったせいか、全体的に淡泊に感じた。
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