富岳 世界4冠スパコンが日本を救う の商品レビュー
世界一の計算速度を誇り、2020年に4つの部門で1位の座に君臨した日本のスーパーコンピューター「富岳」。昨年5月に計算速度においてはアメリカに1位の座を譲りましたが、今なお2つの部門で1位の座を守っています。 かつて「2位じゃだめなんでしょうか?」の言葉と共に話題になった前世代機...
世界一の計算速度を誇り、2020年に4つの部門で1位の座に君臨した日本のスーパーコンピューター「富岳」。昨年5月に計算速度においてはアメリカに1位の座を譲りましたが、今なお2つの部門で1位の座を守っています。 かつて「2位じゃだめなんでしょうか?」の言葉と共に話題になった前世代機「京」から富岳登場までの背景と、コロナ禍での活躍、そして、次世代機となるであろう「量子コンピューター」についてを分かりやすく解説する本です。
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スパコンと言えば、民主党政権時代の「2位じゃダメなんですか?」発言。本書でも冒頭で取り上げられている。しかしそれを恨み言として取り上げているのではなく、その発言の前後の言葉も含めた真意に触れており、産業や研究にどのように役立てることができるか、に力点を置いている。 蓮舫議員の発...
スパコンと言えば、民主党政権時代の「2位じゃダメなんですか?」発言。本書でも冒頭で取り上げられている。しかしそれを恨み言として取り上げているのではなく、その発言の前後の言葉も含めた真意に触れており、産業や研究にどのように役立てることができるか、に力点を置いている。 蓮舫議員の発言も、本来は「スパコンの性能を実利に生かすために最適な性能とそれにかける適正費用があるのでは」が真意だったようだ。メディアの切り取り方を鵜呑みにしてはいけない。 と言いつつ、本書の大半は「京」「富岳」やその後登場したスパコン、さらに凌駕する量子コンピュータなどの技術に紙面を割いている。こうした技術とあまり関係ない世界で生きている者には理解が追い付かない。 せっかく巨額の費用を投じて世界中が切磋琢磨して研究している分野だ。周回遅れでも良いので人々の生活が快適になるようその性能を生かしてもらいたいものだ。
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2021年に共用を開始した、「ポスト京」スパコン、富岳の開発史をたどる。「2位じゃだめなんでしょうか」で揺れた京コンピュータの開発から、その次世代機へ。富岳の開発では、京の経験が多々生かされている。アプリケーション・ファーストの開発体制、商用機としての普及を目指したArm命令セッ...
2021年に共用を開始した、「ポスト京」スパコン、富岳の開発史をたどる。「2位じゃだめなんでしょうか」で揺れた京コンピュータの開発から、その次世代機へ。富岳の開発では、京の経験が多々生かされている。アプリケーション・ファーストの開発体制、商用機としての普及を目指したArm命令セットの採用、大規模システムを維持してゆくのに不可欠な省電力化など。開発者へのインタービューも交えながら、日本のスパコン開発体制の現在地を探る。 富岳以外の国産スパコンの情勢についても触れる。PEZYの快進撃と社長の逮捕による失速。Preferred NetworkによるAI用マシンの画期的な成功。両社の明暗を分けたものは何か。 スパコンの高速化は、ムーアの法則の壁に直面している。これまでの「古典」コンピュータの枠組みを超えた量子コンピュータの出現は、これからの計算機と社会に何をもたらし、どのような可能性を拓くのか。日本が技術力を保持してゆくには何が必要なのか。課題は多い。
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日本の辿ってきたスパコンの歴史が京を始めとして比較的詳細に乗っています。事実として、スパコン自体が国家だけのプロジェクトではなくなっていること。だからといって全てをベンチャー企業や、大手IT企業に任せることの危険性、それらが示された実例など、日経系の書物に載せられた記事を基本とし...
日本の辿ってきたスパコンの歴史が京を始めとして比較的詳細に乗っています。事実として、スパコン自体が国家だけのプロジェクトではなくなっていること。だからといって全てをベンチャー企業や、大手IT企業に任せることの危険性、それらが示された実例など、日経系の書物に載せられた記事を基本として、事細かに迫った本であったと思います。 日本の技術力に感心する一方で、ただただ楽観視しているだけでは取り残されてしまう。国民全員が持つ既知の事実を正しく取り上げている本だったと考えます。 特に最後の量子コンピューティングの最前線のお話には、学ぶところも多かったと思います。 但し、表層的なことを学ぶのが本書を読む目的で、目に止まった技術を調べるための足がかりであることを忘れないでください。下手すると、表題に流されてしまうかもしれません。
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京のプロセッサがSPARKとは知らなかった。こんなん活用できるの??と思ってたら案の定、ビジネスの世界では活用されなかったようで退場。極めて日本的な失敗(ガラパゴス)だと思ったねー その失敗を繰り返さないように、富嶽では使ってもらえることを最大限考えた上での開発となったのですね。...
京のプロセッサがSPARKとは知らなかった。こんなん活用できるの??と思ってたら案の定、ビジネスの世界では活用されなかったようで退場。極めて日本的な失敗(ガラパゴス)だと思ったねー その失敗を繰り返さないように、富嶽では使ってもらえることを最大限考えた上での開発となったのですね。それにしても中国の躍進は目覚ましい。最初はIntelプロセッサだったんだけど、天河2号では自前でプロセッサ作るんだもんなー。日米中で鎬を削っているけど、富士通がどこまでがんばれるだろうね。富嶽がエコシステム作れないと、次の開発のお金が続かなそう。ロマン感じました。しかし、IBM、GoogleとかのメガITカンパニーの資金力には勝てんだろうねー。この本の中でAWSのこと触れられてなかったけど、AWSも食い込んでくるやろうね。 あっさり読めるけど、胸が熱くなりました。
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2位じゃだめなんでしょうかから12年。世界のスパコントップは米中が争っていた。 そんななかで、日本の富岳が世界4冠を取る。これは、コロナ研究にも大きな成果を出した、人の役に立つスパコンだった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
SPARCからARMへとアーキテクチャーを変更したことが、今回の大きな成功につながっていることがよくわかる。そしてその変更は、有名になった「2位じゃ駄目なんでしょうか」の言葉の中に含まれるユーザーにとっての「使いやすさ」等の他の要素の重視から来ているようだ。また、PEZYについても言及されている。私はベンチャーを潰そうとする国家の姿勢が気になる。ベンチャーの育成は口先だけなのか?そうであれば国の将来に明るい展望は持てない。
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興味のある方には刺さる本。 特に第3章の関係者インタビューは引き込まれる。 編者の質問もいい。 ただ、あまり読み応えある本ではない。 だが、それだけで本書を手に取ることはなかった。 第4章に、あのPEZYが載っているのだ。 P132から、その後についても多少書かれている。編者も...
興味のある方には刺さる本。 特に第3章の関係者インタビューは引き込まれる。 編者の質問もいい。 ただ、あまり読み応えある本ではない。 だが、それだけで本書を手に取ることはなかった。 第4章に、あのPEZYが載っているのだ。 P132から、その後についても多少書かれている。編者ももったいない、と書いているが私もそう思う。 なお独自アーキは互換性が、とかも、フロントをArmにしたけど中身はSPARCな富岳の様に、金かけりゃ何とかなるのではないか。 革新的なベンチャー潰す国に未来はないと思う。
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