「スパコン富岳」後の日本 の商品レビュー
日本の衰退が叫ばれて久しいが、スパコン分野では世界と戦える位置にいるらしいことがわかって、なんだか嬉しい。 汎用性や消費電力など使いやすさを意識した開発が進められているようなので、AIやゲノム解析など日本の科学技術を支えるものになってほしい。
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富岳のようなスパコンの中核をなす「半導体」、そしてその活用対象として今、最も期待されている「AI」という2つの分野に焦点を当て、日本が再び科学技術立国として歩み出すための道を探る本になっています。 多くの第一線の研究者への取材や豊富な文献に裏付けられた確かな情報から、世界の覇権...
富岳のようなスパコンの中核をなす「半導体」、そしてその活用対象として今、最も期待されている「AI」という2つの分野に焦点を当て、日本が再び科学技術立国として歩み出すための道を探る本になっています。 多くの第一線の研究者への取材や豊富な文献に裏付けられた確かな情報から、世界の覇権争いの狭間における日本の立ち位置が浮かび上がらせてる点に好感が持てました。
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理研と富士通が開発したスパコン富岳が世界一位の性能を叩き出した。数年ぶりの快挙だ。理由は独自プロセッサの開発。これまでインテル等の汎用プロセッサを数多く組み合わせて性能をあげることが主流であったが、汎用である故に性能が出しづらいという問題点があった。これをスパコンにアジャストしたプロセッサを作ることで性能改善を可能にした。また、計算性能が高い、だけでなく、産業用として利用しやすい、という目的のもと作成されている点も評価されている。インテルが使っているx86でなく、ARMと呼ばれる規格を使っている。実際にコロナウィルスのシミュレーションで活躍している。今後はゲノム解析や天文学等で活躍することが見込まれる。 ※TSMCと呼ばれる台湾の企業が、プロセッサの工場(ファウンドリ)として世界最有力らしい。
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スパコン世界一・富岳の真の実力とは? AI、量子など米中ハイテク覇権競争下で日本の次の一手は? 開発者・研究者に訊く。
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モバイル機器を中心に広く使用されているARMベースで汎用性、使いやすさ、省電力を担保した上で、ベクトル演算を復活させた構造に特色がある。これはかつての日本製スパコンのレガシーを活かす形になって興味深い。また、次世代エクサスケールのスパコンの開発が、米中対立の余波を受け遅れを生じて...
モバイル機器を中心に広く使用されているARMベースで汎用性、使いやすさ、省電力を担保した上で、ベクトル演算を復活させた構造に特色がある。これはかつての日本製スパコンのレガシーを活かす形になって興味深い。また、次世代エクサスケールのスパコンの開発が、米中対立の余波を受け遅れを生じているものと見られ、しばらく富岳がトップの座を維持しそうな見込みであるとし、凋落気味だった日本の技術力の復活に希望を持てた。
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富岳 TOP500 2期連続4冠 開発費1300億円 京のSPARCに代わりARM命令セットアーキテクチャISA採用(windows=x86) 442ペタ・フロップス(次世代はエクサへ)2位サミットの2倍以上 理化学研+富士通 日本製CPU A64FX クレイも採用 消費電力28メガW 1メガW=年間100万ドル≒1億円 (日本1W=0.027円/h ×24h ×365日 =236.52円*メガ(100万)≒2.4億円 HPC 大規模高速計算 ビッグデータとAI演算用 自然言語処理 GAFA ソフト中心からハードまでの事業へ クラウドサーバーの計算資源 AI開発で勝つためにはHPCや学習データ、ネットワーク国内共有化が必要 数年先の技術を想定してプロジェクトを開始 フィージビリティスタディ(実行可能性調査) アプリケーション性能の向上という観点から個々の技術要素へ投資 ピーク性能80%の 高い実行効率 専用CPU A64FX 大規模アプリケーション性能に影響あるメモリバンド幅を強化 90年代のベクトル演算 SIMD技術から受け継がれた SVE技術 シミュレーション自由度と処理速度向上 ソフトのことを考えたハード ファウンドリはTSMC Preferred Networks MN-Core 神戸大学と共同 ディープラーニングに必要な行列計算に特化 GPUは不要な周辺回路がある ビジネスと技術手段のミートするポイント 「できるわけないところを見つけて そこで勝っていく」 専用CPU開発 apple iPhone用 Aシリーズ、Mac用 M1 google ディープラーニング用 TPU 「クラウド・オートMLサービス」 amazon AWS 学習用 Graviton、推論用 Inferentia 「セージメーカー」 カスタムチップで利用費(≒電力)を40%削減 スピード20%アップ インテルに匹敵する技術=人材 イスラエル Annapuruna Labs買収 ARM ISA 省電力に強い ソフトバンクからGPU技術のエヌビディアへ RISC-V オープンリソース (ARMは有償) 創薬のリード探索への使用 (京都大学大学院 奥野教授) 分子立体構造をモデリングし、分子動力学計算 京では数年が富岳では数日 活性ポケットに既存の低分子薬剤がうまくはまるかの動きをスパコンで計算 富岳は米国Anton 分子動力学専用スパコンに匹敵 AIを活用し、その後の「リード最適化」と動物での「前臨床試験」を効率化 SARSを経験していない日本の研究者が富岳で一気に縮めることができた 実験する科学者に対し、シミュレーションができる科学者は1%しかいない。 コロナの薬の実験結果は科学者によってバラバラ。 シミュレーション天文学(神戸大学大学院 牧野教授) 宇宙の構造 ダークマターの計算 銀河1000億個の星のシミュレーションが富岳で可能 欧州は探査衛星ガイアで10億個の星を観測 距離と動きを測定 太陽黒点周期の観測はガリレオ以来400年 100年単位の周期のシミュレーションが可能になる 米国 エネルギー省 オーロラ開発 米国内垂直統合のインテルに発注 「エンティティ・リスト」中国スパコンメーカーと関連企業は政府許可必要 AMDとスパコンメーカー曙光との共同ベンチャーが端を発する 中国 アメリカの技術禁輸政策 スパコン用CPUは中国企業は生産ができない、ARMも使えない ASMLの製造装置も輸入できない 量子コンピューター:プログラミングや得意分野が異なる 量子ゲート方式 汎用性 Dウェイブ 量子アニーリング方式 理論:考案者 1998年 東工大 西森教授 超電導量子ビット 1999年 NEC基礎研究所 中村氏(現 東大教授)
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p66 2018 amazon 独自 AI処理に適したプロセッサ グラビトン(graviton) インファレンシア(inferentia) p69 グーグルが自主開発 TPU p76 世界の半導体産業は、ファブレス(工場をもたないメーカ)とファウンドリ(工場だけをもつメーカ...
p66 2018 amazon 独自 AI処理に適したプロセッサ グラビトン(graviton) インファレンシア(inferentia) p69 グーグルが自主開発 TPU p76 世界の半導体産業は、ファブレス(工場をもたないメーカ)とファウンドリ(工場だけをもつメーカ)と呼ばれる2業態に文化した ファブレス企業 クアルコム、エヌビデア、AMD ファウンドリ 台湾のTSMC,UMC 米国 グローバルファンドリ AMDはもともと垂直統合型メーカだったが、2008年に製造部分を分社化してファブレス企業になった 垂直統合型メーカ 米国のインテル、韓国のサムソン、日本のキオクシア p80 世界的に普及している命令セットアーキテクチャ ARM, x86, SPARC, RISC-V p84 業界関係者の間では、「ファブレス企業の中には、今後、ライセンス料を払わなければならないARMから、無料で使えるオープンソースのRISC-Vアーキテクチャに切り替えるところがでてくる」との見方も囁かれている p114 TPUはもともとグーグル検索のベースにあるページランクアルゴリズムの計算なども想定して作られた p131 京ではアントンに立ち向かえなかったが、富岳ではかなり肉薄して戦える形になってきた Anton D.E. Shaw Researchという研究所と製薬会社が資金を出し合って開発した p164 大きい会社にお金をだすのではなく、むしろ小さくても技術力や将来性がある会社に思い切って任せる。そうしたほうがスパコン開発でもコストを下げられるし、米中にも伍していける
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