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祇園ろおじ 香り茶寮の推理帖 の商品レビュー

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2024/04/09

引かれそうになった女子高生は 無言で自分の鞄を持っていく少年についていく。 主人公がなかなかにまごまごしています。 頑張り屋さんのようで、友人になった少年と その兄に見守られつつ、バイトしつつ成長中?w 周囲の人達もほんわかしていて、場所が場所なのに お約束な展開は出てきません...

引かれそうになった女子高生は 無言で自分の鞄を持っていく少年についていく。 主人公がなかなかにまごまごしています。 頑張り屋さんのようで、友人になった少年と その兄に見守られつつ、バイトしつつ成長中?w 周囲の人達もほんわかしていて、場所が場所なのに お約束な展開は出てきませんでした(笑) 小さな謎を解きながら、見え隠れしている 少年が出ていけないのは何故なのか、という疑問。 そして最終明らかに! な感じですが、なるほど、と。 それだけ、ここがよい所だった、という証左です。

Posted byブクログ

2021/06/16

これとても好きだった!みんな優しくてあたたかい。先生のお話もおじいちゃんのお話も涙出た。椿さんの「親の思いを盾に子どもに我慢させちゃダメ」みたいな言葉、いいなぁ、心に刻んでおこう。

Posted byブクログ

2021/03/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

粗筋に惹かれて手に取ったので、作者さまが『零の記憶』シリーズの方だと後から知りびっくり。 『零の記憶』好きだったので、別レーベルでまたお会いできるとは思わず。 これは嬉しい再会! 日本茶を楽しめるカフェを舞台にした日常ミステリもので、帯には「路地から出られない探偵」とあったが、彼は絶対的な「探偵」ではないなと思った。 大体は彼が謎解きをするのだが、彼は一から十全て分かる訳でもないし、彼がまるっと全てを解決する訳でもない。 この作品、探偵役が必ず彼だとは限らない。 彼に救われた少女、萌が気付いてくれたり、彼女が推理をして見せたり。 彼の兄がお茶の力で心を癒したり、弟をアシストしたりする。 この三人が揃って初めて「探偵」として謎解きが成立する話かなと思った。 誰か一人でも欠けたら、どこかで停滞してしまう。 そんな危うい中で不器用ながら、失敗もしながら、光を掴もうともがいて、どうにか手を伸ばして引き寄せる、そんな探偵で、そんな謎解き。 特に「路地から出られない」という謎は、探偵役となっている彼自身では解決できない話。 そのことに自分自身で苦しんでいて、どうにかしたいと思っていても、どうにもならない。 探偵は自分自身を救わない。 そんな彼に光を差してくれるのが萌だ。 萌がいなければ、きっと彼はそのきっかけすら掴めずにいた。 そういう意味で、彼は絶対的な「探偵」にはなり得ない。 弱い部分も抱えた、人間臭い少年である。 彼以外にも、心に何かを抱えた人たちが多数登場するお話。 『零の記憶』の時にも思ったけれど、作者さまは心の奥のネガティブな、普通は表に出したくない部分を描くのが上手い方だと思う。 掘り下げが丁寧で、かつそこまで曝け出すかと心配になるほど。 何しろ路地を出られない彼が抱えている問題が特に重いので。 (故に、この話で完全解決にはならない。でも希望の見えるラストで、それがまた強烈に記憶に残る) だからどの話も心が震える。 特に泣けたのが、隠された暗号の話。 あれは展開もずるいし、内容もずるいしで、読みながら号泣しそうになった。 ああいう展開に自分は非常に弱い。 何度読んでも泣く気がする。 メインの三人は京都人ではないので、京都弁を喋らないが(探偵役を仰せつかっている彼は時折無意識に京都弁が出る、そこがまた可愛い)他のキャラは京都弁なので、京都の雰囲気も十分味わえる。 住民の人たちがまたいい人たちなのだ(そして、そこもまた路地から出られない彼を救うカギになる) 出てくるお茶の蘊蓄も楽しく、萌が意外に食レポ上手なので、お茶がどれも美味しそうでたまらない。 そういう意味でもポイント高いし、前述通りキャラの掘り下げも丁寧なので、より深みを増しているお話。 冒頭とラストが、ずっと見守ってきたお兄ちゃん目線なのがまたにくい演出。 一杯のお茶から味以外に伝わるものも、そして救えるものもあるのだと信じられるお話だった。

Posted byブクログ