天体観測に魅せられた人たち の商品レビュー
MITは、変人大会。でも、エネルギッシュで、遊びも半端無い。頭脳を搾り出して、真剣に楽しむ。なんて素敵な環境!天文台への道。凄まじいらしい。行ってみたい。
Posted by
天体観測がもっとアナログで、寒さの中で苦労していたり、タランチュラと一緒になったりしていた話。天文学者はそんなふうにサンドイッチ片手に頑張るんだな。
Posted by
著者は女性天文学者。 自身の経験から天文学者の日常、天体観測にまつわるエピソードまで様々な話題を取り上げる。自分のような天文の素人にとって、天文の話題はニュースで取り上げられたものを知る程度だが、その裏では多くの天文学者たちが実際に観測したもの、宇宙望遠鏡から送られたデータを使っ...
著者は女性天文学者。 自身の経験から天文学者の日常、天体観測にまつわるエピソードまで様々な話題を取り上げる。自分のような天文の素人にとって、天文の話題はニュースで取り上げられたものを知る程度だが、その裏では多くの天文学者たちが実際に観測したもの、宇宙望遠鏡から送られたデータを使って仮説を立て、検証し、発表後の合意があって初めてニュースになる。一般人は結果を受け取るだけだが、研究者は必ずそのプロセスを経なければならない。 彼らの日常活動の様子がよくわかって、大変面白いエッセイだった。 天文台を設置するのも、環境や社会的な制約があり、一筋縄ではいかない。 運用始めても日頃のメンテナンスの問題、ジェンダーの差別、動物や虫などの侵入者などなど多くの問題があったりする。 また現代の天文学者は直接肉眼で星を見る機会がなく、自分の専門以外の領域(星座の話など)を聞かれても分からないことがあるそうだ。 パソコンを使ってリモートで望遠鏡を使い、送られたデータを解析するのが現代の天文学者らしい。 ちなみに、自分も子供の頃、木星の衛星を発見したガリレオや天王星を発見したハーシェルに憧れて、天文学者になりたいと思った事があった。しかしこの本を読むと、天文学者のイメージは大きく違っている。 夢やロマンを求める仕事ではなく、自分の理論を証明することが使命とされているようだ。 星を見るのは、昔と同様依然としてアマチュアの世界であり、この領域には、プロの天文学者があまり関与していないことになんだかホッとした。 もちろんブロには莫大な数の発見はあるのだが。 星の世界には、まだまだアマチュアが活躍できる場がありそうだ。 この本では図版や写真が1枚もない。エッセイを読んでいて、文章だけではイメージしにくい部分も多かった。 エッセイでももう少し図表を活用する等の工夫があっても良かったかなと思う。
Posted by
天文学にはどこかロマンチックなイメージがある。 しかし、天文台は人里離れたところにあり、命がけだったり、天候によりキャリアを棒に振ったりすることもある、大変な学問である。
Posted by
天文学者による天体観測あるあるを、天文学者の著者がまとめている。天体観測というと、なんだか天体望遠鏡担いでって感じだけど、ここで言う天体観測は、あの、ドーム型だったり、パラボナアンテナ型の、山の上や砂漠みたいなところにある可愛げのないガチなやつのこと。そんな異世界で起こるエピソー...
天文学者による天体観測あるあるを、天文学者の著者がまとめている。天体観測というと、なんだか天体望遠鏡担いでって感じだけど、ここで言う天体観測は、あの、ドーム型だったり、パラボナアンテナ型の、山の上や砂漠みたいなところにある可愛げのないガチなやつのこと。そんな異世界で起こるエピソードはやはり突拍子もなかったりするが、とても人間臭くてくすりとさせられる。また、ほどよく天体の知識や世界的発見の裏にあるエピソードが散りばめられているのもお得なかんじでよい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ガジェット的な話で引っ張りながら今の天文学にまでいく。 どんどんデータ化していくのはどこもおなし。最初に魅せられるところが感覚的なものなのも。これからのサイエンスは入り口から最前線までが長いから大変だ。
Posted by
2020年の TED トークで話題をまいた新進気鋭の天文学者 Emily Levesque による天文学者生態学入門。写真乾板の時代から、CCD素子の時代、空飛ぶ望遠鏡、そして観測からデータ処理までが自動化されたロボット天文台まで観測技術は大きく進化したが、宇宙に魅せられて星に人...
2020年の TED トークで話題をまいた新進気鋭の天文学者 Emily Levesque による天文学者生態学入門。写真乾板の時代から、CCD素子の時代、空飛ぶ望遠鏡、そして観測からデータ処理までが自動化されたロボット天文台まで観測技術は大きく進化したが、宇宙に魅せられて星に人生を捧げる人達の志に大きく変わるところはない。 ブラックホールや重力波の観測、カイパーベルトと冥王星の格下げ、そして著者自身の仕事であるソーン・ジトコフ天体の観測まで最新の天文学事情を織り込みつつ、おもしろおかしい天文学者のエピソードを紹介しているが、単なるネタ談義に留まらず、天体望遠鏡建設に伴う様々な社会的問題、研究者コミュニティにおけるジェンダーの問題、そして何より科学研究予算の問題にも踏み込んで考察されていて秀逸。
Posted by
現在の主に光学系観測天文学の置かれた状況について書かれた本。アメリカではこういう一般向け科学の本がよく書かれるようだ。難しい研究内容についてはそれほど深入りせず、かといってくだけすぎることもなく、時にユーモアも交えながら適度にわかりやすくちゃんと現状を伝える。日本ではなかなかこう...
現在の主に光学系観測天文学の置かれた状況について書かれた本。アメリカではこういう一般向け科学の本がよく書かれるようだ。難しい研究内容についてはそれほど深入りせず、かといってくだけすぎることもなく、時にユーモアも交えながら適度にわかりやすくちゃんと現状を伝える。日本ではなかなかこういう本は現れない。国民性の違いなのだろうか? 電波観測についてもそれなりに触れられており、現代観測天文学のおかれた各種の問題点も広く提示される。こういう本が現役バリバリの天文学者によって書かれるということは、一般の人も含めてみんなで考えていこうという姿勢を示すのに大変有効だと思う。日本の天文学者、そこまでの余裕が持てない状況なのだろうか? なお、原題の”THA LAST STARGAZERS”(直訳すれば「最後の、星を眺める人たち」)については最後の2章で最新及びこれからの観測方法について書かれている部分でなるほどと思わせる。このテクニックと題名の付け方もうまい。これに比べると邦題はイマイチ説明的(しかもぼやけた)でありインパクトにも欠ける。「天文学者のリアル」とでもした方がよかったのではないか。ただ、「リアル」もあちこちで使われすぎて手あかがつきすぎの感もあるが。 とにかく天文ファン(できればそれ以外の人も)必読書であり、みんなでこれを読んで天文を含めた科学の在り方について考えるためにも重要な本である。 なお、スターリンク衛星とか現在の新型コロナ禍についてはさすがにまだ触れられていない。まだまだ観測天文学など科学研究には問題点が山積ということになろう。
Posted by
- 1