向井くんはすごい!(上) の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
わぁ、みんな違ってみんな良い(みすゞ)の世界かと思ったら結構シュールな作品だった。 犬好きがみんな良い人とは限らないのと同様、ゲイは博愛主義で聖母のような人格でなくてはならないってことは絶対ないけども。セクハラじみた発想はさすがにひきますわ。これ、結構伏線だったのかな…。 デジタル化して身の回りはシンプルでインスタントになっていっているはずなのに、ますます複雑社会にのみこまれ、今まで蓋をされてきたものの答え合わせを迫られている時代になってきた(良い意味悪い意味どちらとも)。自分だったら小さなコミュニティで同じ趣向の人たちだけで完結した世界がいい。でも差別をなくすにはアクションを起こすのも大事だ。とかこんなん読んだら色々思考巡らせてしまう…
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いろんな立場や考え方をもつ複数のゲイのクラスメートたちと、そしてゲイではない彼らの友達をまじえた群像劇。非ゲイのポジティブ少女などは、橋本治「桃尻娘」シリーズの系譜を引いているのかもしれない。複数の人物を描く、というよりも、ミドルティーンのゲイが感じる感情や体験、立ち位置などをい...
いろんな立場や考え方をもつ複数のゲイのクラスメートたちと、そしてゲイではない彼らの友達をまじえた群像劇。非ゲイのポジティブ少女などは、橋本治「桃尻娘」シリーズの系譜を引いているのかもしれない。複数の人物を描く、というよりも、ミドルティーンのゲイが感じる感情や体験、立ち位置などをいろんなキャラクターに割り振って群像劇のように仕上げているという感じがある。これは、たとえば田亀源五郎「僕らの色彩」などにもそのような印象がある。しかし本作ではキャラクターが典型に流れすぎることなく、ある空気を描くことが出来ているようにも思う。
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