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福島第一原発事故の「真実」 の商品レビュー

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10件のお客様レビュー

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2024/03/08

単なる偶然の積み重ねで、チェルノブイ化から免れただけなのか、改めて愕然とさせられる。 原発を本当に自然災害の多発する日本で、安全に運用し続けることが出来るのか、今一度真剣に検討する必要がある。経済性だけで考えてはならない。

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2024/02/17

the days を観て読まなければと思った本。 10年以上経った今でも問題は山積みで、どうしてあの暴走していた原発が静かになったのかもまだまだわからないことだらけ。 でもそんな死と隣り合わせだった現場の人達や吉田さんが何よりも懸命に自分の身体を苦しめ痛みつけてまで国民のために逃...

the days を観て読まなければと思った本。 10年以上経った今でも問題は山積みで、どうしてあの暴走していた原発が静かになったのかもまだまだわからないことだらけ。 でもそんな死と隣り合わせだった現場の人達や吉田さんが何よりも懸命に自分の身体を苦しめ痛みつけてまで国民のために逃げ出さずに頑張ってくれていた事実がそこにはある、あった。

Posted byブクログ

2023/12/02

734ページの大部である. 現時点で「福島第一で何が起こったのか」についてわかっていることをまとめた労作である. たまたま本書を読んでいるときに,『世界の原発容量「2050年までに3倍」宣言 米仏など、日本も賛同』というニュースが飛び込んできたのだけど(2023年12月2日),「...

734ページの大部である. 現時点で「福島第一で何が起こったのか」についてわかっていることをまとめた労作である. たまたま本書を読んでいるときに,『世界の原発容量「2050年までに3倍」宣言 米仏など、日本も賛同』というニュースが飛び込んできたのだけど(2023年12月2日),「いやいや,使いこなせてないじゃん!!」というのが感想である. 一般に,新たな装置というものは,最初は思わぬ欠陥のために失敗するものである(コメットとか,アポロとか).数をこなすことによって,そういった欠陥を克服して,安定的に使えるようになるはずだが,いかんせん,事故が起これば放射能を撒き散らす原発は危険すぎる.トライ&エラーが通用しない. 本書によれば,1号機〜3号機(に加えて停止中だった4号機〜6号機も)の事故は,想定外の不幸と僥倖の積層構造である.50年経ってもまだこんなにも使いこなせていない装置を使い続ける,作り続けるのは,狂気の沙汰である.

Posted byブクログ

2023/05/08

700ページ以上の大著ですが、思った以上に短時間で読了できました。特に前半部分の、ドキュメンタリータッチで震災以後の福島第一原発の状況を描いた箇所はあっと言う間に読めました。第2部は、なぜあれだけの大事故になったのか、何が間違っていたのか、東京電力社員の対応は本当に原子力を制御し...

700ページ以上の大著ですが、思った以上に短時間で読了できました。特に前半部分の、ドキュメンタリータッチで震災以後の福島第一原発の状況を描いた箇所はあっと言う間に読めました。第2部は、なぜあれだけの大事故になったのか、何が間違っていたのか、東京電力社員の対応は本当に原子力を制御していたのか、といった視点から分析されています。本書を読んで最も強く感じたのは、「(今の時点では)人間は原子力を制御できていない」ということです。また原子力発電という複雑な仕組みのメカニズムについても完全に全体像を把握している人はいない、ということも強く感じました。核燃料デブリの回収にはあと何年かかるかまったくわからないとのこと。おそらく放射能がかなり弱まらない限り、解決は難しいのではないでしょうか。「人間は原子力を制御できていない」を象徴する福島第一原発、これが日本だけでなく世界に対して極めて重要な記憶遺産として存在感を出し続けるのだと思います。また本書を執筆したNHKの取材班の努力には本当に脱帽しました。本書は色々な言語に翻訳され世界中で読まれるべきと感じます。

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2022/06/19

734頁と分厚いが、読み応えあり。 NHK取材班による福島原発事故検証。 第1部の事故当時の現場の格闘の再現は読ませる(見せる?)が、本当に読ませるのは第2部の検証部分。 最も事故が進み、周辺住民に避難を強いたと思われた2号機が、注水に失敗したため、水ージルコニウム反応が起きず...

734頁と分厚いが、読み応えあり。 NHK取材班による福島原発事故検証。 第1部の事故当時の現場の格闘の再現は読ませる(見せる?)が、本当に読ませるのは第2部の検証部分。 最も事故が進み、周辺住民に避難を強いたと思われた2号機が、注水に失敗したため、水ージルコニウム反応が起きず、格納容器破壊までは至らなかったとか、1号機の海水注入はほとんど役に立たず、12日間空だきだったとか、改めて知ることが多い。 本当は何が起きていたのか、検証はまだまだ続きそう。

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2021/08/09

電子書籍で。あの震災被害から10年。たまたまFUKSHIMA50をビデオで見たため、興味が湧きネットで見かけたため購入。前半はドキュメンタリーというか、時系列で1Fのトラブルとそれに関わり死力を尽くした現場の方々の戦いを描き、後半で事故後の調査こら見えた、起きていたことの真実をエ...

電子書籍で。あの震災被害から10年。たまたまFUKSHIMA50をビデオで見たため、興味が湧きネットで見かけたため購入。前半はドキュメンタリーというか、時系列で1Fのトラブルとそれに関わり死力を尽くした現場の方々の戦いを描き、後半で事故後の調査こら見えた、起きていたことの真実をエビデンスを交えながら書かれています。想像を超える真実が解き明かされる…といえばフィクションのように聞こえてしまいますが、これが現実なのでしょう。決して、当時の現場の方々の奮闘、判断が間違えていたというわけでは無いと思います。ただ、今後人類が原子力発電とどう向き合うべきか?脱CO2を世界的に掲げている中で、日本は本当にまだ原子力に依存するのか?その時にこの事故の教訓をどういかすのか?など本当に考えさせられました。時間をおいて再度読みたいと思います。

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2021/07/20

図書館で予約して借りたのだが、どうして自動貸し出し機ではないのだろうと思いつつ、受付で出された時、「え?無理!」と思った。分厚すぎる! しかし、読み始めると、取材力と文章の力なのか、グイグイ読み進めることができた。とはいうものの、読んでも読んでも…という感じではあったが。 NH...

図書館で予約して借りたのだが、どうして自動貸し出し機ではないのだろうと思いつつ、受付で出された時、「え?無理!」と思った。分厚すぎる! しかし、読み始めると、取材力と文章の力なのか、グイグイ読み進めることができた。とはいうものの、読んでも読んでも…という感じではあったが。 NHKという組織に対して、なんだかいろいろ思うところがあるのだが、この取材力を知ると、やっぱり存在していてくれなくてはと思う。テレビをほとんど見ないのだが、こういう番組を見ないのは怠慢な気もする。NHKには受信料も払っているのだから、一番こういう取材にお金も時間もかけてもらいたいのは当然なのだが、取材する人の実力も重要だと思うので、優秀な人たちが集まってくれる組織でないと困ると思った。 福島の発電所の中での事故当時の出来事をここまでしっかり見たり聞いたりしたことはなかったので、大変勉強になった。原子力発電所の内部の仕組みなど、私のようなものにはなかなかわかりにくいのだが、文章、豊富な図、写真で、拒否反応なく理解しようとする気持ちを起こさせてくれた。同じ図も何度も再掲してくれて、いちいちページを戻ることなく読めたので、そういう配慮もありがたかった。 あまりにも長く、内容が豊富すぎて、短く感想を言うのは難しい。 まだ解明されていないことが多く、今の「真実」が、次「真実でなくなること」も多い、ということは理解できた。本当の「真実」というものがあるとして、それは私の生きている間では解明できないであろうこともわかった。でも、それには段階が必要でこれからも廃炉、検証は続けられ、取材も続けられる。そのことに、せめて希望を持ちたい。 「人間は核を制御できるのか」。この問いの答えは保留にされているが、この本を読んでいる限り「全く制御できない」の答えしかない。無理だと思う。誰が読んでもそう思うと思う。それでもまだ原子力発電に頼ろうとするのは意味がわからない。

Posted byブクログ

2021/07/14

NHKスペシャルでは福島第一原発事故に関して「メルトダウン」シリーズであの時に何が起こっていたのか、様々な角度から検証してきました。本書はその番組制作にあたり取材を重ねて判明した事実をまとめた1冊です。 単行本ハードカバーで700ページ超、本の厚みは6㎝ぐらいあるでしょうか。ほと...

NHKスペシャルでは福島第一原発事故に関して「メルトダウン」シリーズであの時に何が起こっていたのか、様々な角度から検証してきました。本書はその番組制作にあたり取材を重ねて判明した事実をまとめた1冊です。 単行本ハードカバーで700ページ超、本の厚みは6㎝ぐらいあるでしょうか。ほとんど辞書みたいなイメージです。1冊3500円と言う価格と、そのボリュームに「最後まで読めるかな」と購入を一瞬躊躇しました。 しかし、内容は期待を裏切りません。前半部分は地震発生から1週間ぐらいまでの事態の進展を時系列で追い、後半部分は事態が悪化するターニングポイントとなった事象について、関係者などの詳細な取材をもとに詳しく解説しています。 非常時における個々人の人間ドラマにスポットを当てるのではなく、事故の状況推移を丹念に追うという立場で執筆されているため、前半部分で登場する個人名は政権中枢の政治家、東京電力の幹部や福島第一原発の幹部など意思決定に関わった人だけに限定されており、実際に事故対応に当たった作業員の人たちの名前はほとんど出ていません。その効果もあって状況の推移が非常に客観的に描かれている印象を受けます。 おそらく一般の読者向けで福島第一原発事故を扱った書籍としては最も内容が詳しく、また原発に関する専門知識のない読者にも理解できるように執筆された非常に充実した資料とも思える内容でした。原発に関する技術的な記述が多い本なので、せっかくNHKスペシャルで作成した数多くのCGがあるのですから、本書の内容を理解するために役に立つ番組CGをHPで公開するとか、そういう紙とHPを連携した試みなどがあったら、もっと充実した資料になるのでは、と思いました。しかし、本書だけでも十分な内容であることは確かです。 自然科学系の一般向けの書籍では「難解過ぎて内容が理解できない」、「分かりやすくし過ぎて、却って事の本質がぼやける」というありがちな問題点が見事にバランスよく書かれている印象で、執筆陣であるNHKスペシャル取材班のメンバーの「伝える」技量の高さを再認識しました。

Posted byブクログ

2021/06/13

いま読んでも胃がきりきりする。事故当時に対応にあたった方々がどのような状況で、どんな判断をして、なにができたのか、あるいはできなかったのか。著者の方々の綿密で根気強い取材により、詳細に知ることができた。 想像の100倍くらい(もっとか)過酷な状況だったことがわかる。次々に降りか...

いま読んでも胃がきりきりする。事故当時に対応にあたった方々がどのような状況で、どんな判断をして、なにができたのか、あるいはできなかったのか。著者の方々の綿密で根気強い取材により、詳細に知ることができた。 想像の100倍くらい(もっとか)過酷な状況だったことがわかる。次々に降りかかる難題と、見えてきた光が一瞬にして消されてしまう絶望と。そんななか、できることをよくもあんなに柔軟に考えて即時実施し、やり切ったと思う。エンジニアとして尊敬する。 たしかに、いま考えればもっと気づけて、もっと被害は少なくできたかもしれないが、あの環境と起こりうる被害の程度の重圧を考えれば、私は責めることはできない。 純粋な「知りたい」という欲求を満たすことができた。 もう一つは、事故対応における体制・設備について多くのことを学んだ。指揮系統の整理、TV会議の功罪、収束の見通しに合わせた人的リソースの最適な配置。とくに、現場への影響を考えた発言が重要。私の仕事は人の命はかかっていないが、それでもヒリヒリするような場面は想定されるので、参考にしたい。 さらに、言葉は適切でないが(他に見つからないので)技術的な好奇心を満たす内容でもあった。 SR弁が開かなかった原因、2号機で燃料があのようになっていた(内容は読んで。)思わぬ要因。東電や調査委員会も把握していないことを、取材班は技術者から知見を引き出すことで、明らかにしつつある。専門知識もあるわけではないのによく引き出せたと思う。 構造的には、電子回路のような手で扱えないという意味でのブラックボックスではなく、それほど複雑ではないと思うが、それでも事故の状況により、想定外の動作をすることで制御できない部分はある。事故になった場合の被害は3000万人レベルと非常に大きい。 本書を読むまでは、「それでも今回の反省を反映すれば運転は問題ないだろう」と思っていたが、地震評価に対する東電経営層の無能さも含めて、そうでもないと考え始めた。 700ページ読むのは大変だったが、読んでよかったし、内容が充実しているので読めた。

Posted byブクログ

2021/03/06

1読目終了。Fukushima50が美談であるとすら感じてしまうほどの事故全体の有様。現場で対応に当たられた方々の苦労は想像を絶する。しかし、原発細部の構造や不具合を熟知するには至っていなかったと感じる。原子炉内の状況について不明な点はまだ多い。廃炉作業に伴い様々なことが判明する...

1読目終了。Fukushima50が美談であるとすら感じてしまうほどの事故全体の有様。現場で対応に当たられた方々の苦労は想像を絶する。しかし、原発細部の構造や不具合を熟知するには至っていなかったと感じる。原子炉内の状況について不明な点はまだ多い。廃炉作業に伴い様々なことが判明すると思われる。引き続き徹底的な事故原因の究明を行ってほしい。まだまだアンダーコントロールなんていうものではないと改めて実感。廃炉まで長い道程が残っている。

Posted byブクログ