1,800円以上の注文で送料無料

花よりも花の如く(20) の商品レビュー

3.8

7件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    3

  3. 3つ

    2

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/12/12

能楽師お仕事コミック20巻目。 本番を前に、『安達原』の鬼女は鬼なのか人なのかで悩み始めた憲人。いろいろな人に聞いて回る。 伝説では初めは人である。田舎に娘を置き、都で高貴な姫君に仕えていた女。しかし、姫君はいつまで経っても話すことができなかった。医者は母親の腹の中にいる赤子の...

能楽師お仕事コミック20巻目。 本番を前に、『安達原』の鬼女は鬼なのか人なのかで悩み始めた憲人。いろいろな人に聞いて回る。 伝説では初めは人である。田舎に娘を置き、都で高貴な姫君に仕えていた女。しかし、姫君はいつまで経っても話すことができなかった。医者は母親の腹の中にいる赤子の肝を食べさせれば治るという。女は都を出て、生き胆を取る相手を探すことにする。宿を構えて、通りかかった旅人の中から探そうというのだ。そこへ旅の夫婦ものがやってくる。若妻は孕んでいる。これ幸いと女は若妻を殺す。ところが若妻の持つ守り袋を見れば、これは田舎に残してきた我が子だった。女は自らの娘と孫を殺してしまったのだ。知らなかったとはいえ、己の所業に苦しむあまり、女は発狂して鬼婆となる。なかなか壮絶な話である。 能の場合は元々は鬼とされている。罪を犯してきた運命を嘆きつつ糸車を回す。僧との戦いの後、最後は成仏するわけではなく、祈り伏せられて消えてしまう。 憲人は能楽師の家で育っていない。どうやら能楽師であれば、鬼女が鬼か人かで悩むことはないようで、そのことで少し、仲間たちとの間に距離を感じる。 さらにささいなことから誤解が生じ、皆との間がギクシャクしてしまう。 『安達原』本番前に大丈夫か・・・? とはいえ、鬼と人、人と鬼、それがいかほど違うものかはなかなかおもしろい命題である。 憲人は自他ともに認めるように、女性関係でそれほど器用に振る舞う方ではない。『道成寺』を演じるにあたって、女性の恋の執心が演じられるのかも少々不安である。先輩能楽師の舞台を見たりもするのだが、悩みは晴れない。 そんな中、以前写真で見た「大じいじ」と馴染みだったという芸者とよく似た芸者を道後温泉で見かける。さて、彼女は誰? なかなか進まないと思っていた憲人と葉月の間柄だが、意外とよいコンビなのかもしれないという感じがしてきたこの巻。 物語は、憲人が『道成寺』を披くところで終わるようなのだが、葉月との関係もハッピーエンドになるとよいのだが。

Posted byブクログ

2024/07/28

退屈ではないんだけど、相変わらず遅々として話は進まない感じ。 前巻から時間をおいて読んでいるせいで、関係者との関係性など忘れがち(ーー;)

Posted byブクログ

2023/01/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

話が進まないという感想をちらほら見かけるのが とても違和感がある。 憲人は役者だ。 能の舞台に立っているその時だけでなく 生きる全てが芸の糧になる人間なのだから こうした色々なプライベートやトラブル解決も 役者として大切なことだと思う。 芸事を騒音だとして自分に正義があるかのように 挿げ替えてしてくる嫌がらせ、非常に気分が悪い。 じいさまの振る舞いが相変わらず恰好良かった。 鬼婆は鬼なのか、人なのか。 鬼は人の中に棲んでいるというのはその通りだろうと思う。 古来それを鬼の形にして描写したのだろうなと。 「とくい」と言われて気になってしまう人間らしさも理解できるし とくいにはなるほどいろいろな漢字がある。 特異な憲ちゃんが自分には役者として非常に魅力的に映る。

Posted byブクログ

2021/07/31

大きな波はないけれど、いよいよ迫ってきた感がある。 道成寺、大きな大きな舞台なのだなあ。 一方、結婚を匂わせつつ、最後の振りは気になるなあ。大じいじの事とは言え、女性がらみ。

Posted byブクログ

2021/03/14

久々の新刊! みんなどんどん成長して憲人は29歳、栗ちゃんは高校生! 道成寺の披きがもうすぐ、その前に一波乱ありそうな気配です。 隆生先生が憲人と葉月さんを見守ってたり、青森のじいさまが家族のために動いていたり、相変わらず周りの人たちも良いキャラをしている。 ああ、今から続...

久々の新刊! みんなどんどん成長して憲人は29歳、栗ちゃんは高校生! 道成寺の披きがもうすぐ、その前に一波乱ありそうな気配です。 隆生先生が憲人と葉月さんを見守ってたり、青森のじいさまが家族のために動いていたり、相変わらず周りの人たちも良いキャラをしている。 ああ、今から続きが楽しみです。 早く読みたい!

Posted byブクログ

2021/03/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

202103/ついに20巻。じいさま登場も嬉しい今巻。物語的には遅々たる歩みで単行本で読んでてももどかしい気持ちはあるけど、ご近所トラブルや周囲の人の何気ない言葉とかズレとか、憲人と葉月の関係性や距離感とか、心の機微とか成田作品のこういうとこも好き。このじわじわ進む感じは「道成寺」の階段・鐘へのじわじわ感もなぞらえているのかなとも思えてみたり。完結まで楽しみに追いたい。

Posted byブクログ

2021/03/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『安達ケ原』と『道成寺』の二大タイトルですね。 悩むけんちゃんが可愛いなぁ。 能は好きなので、神保町へ行くと専門店へでかけては、『求塚』がないか探してます。(万葉集が絡んでいるのと、初めて見たお能なので) こちらの作品を読むと芸事を究めるのは本当に難しいなぁと思うんですよね。

Posted byブクログ