応家の人々 の商品レビュー
解説の松浦さんの言に従えばどうやらこの小説に「選ばれ」たようです。 過去は幻のように消えてしまうものなのですね。
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昭和十四年、日本統治下の台湾、名家の美女の周辺で不審死が相次ぐ。内地の中尉が台南の町々をめぐり事件の謎を追う妖しい長篇ミステリ。〈解説〉松浦寿輝
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正体不明の秘密結社やらが湧いて出る、事件の推移は混乱気味で、取って付けたような謎解きはなされるものの、どことなく腑に落ちない。もとから明快な結末を付ける気は作者にはなく、純粋にミステリとして評価するといい点は付けられない。まだ戦争が始まったばかりで、弛緩した空気の漂う、戦前の台湾の風俗を愉しめるかどうかで、評価は決まる感じ。迂生は楽しんだけどね。ただ結末は、うまいオチを思いつかなかっただけにも思える。
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