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ヤーガの走る家 の商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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2024/04/09

ロシア民話「バーバ・ヤーガ」をモチーフにしたファンタジー。 いっしょに暮らすバーバは死人を門から星へ還す『ヤーガ』という門の番人をしている。マリンカも将来番人になることを運命づけられている。 意思を持っていて走って移動する家というのがまず面白い。 自分の定められた運命に抗う強い...

ロシア民話「バーバ・ヤーガ」をモチーフにしたファンタジー。 いっしょに暮らすバーバは死人を門から星へ還す『ヤーガ』という門の番人をしている。マリンカも将来番人になることを運命づけられている。 意思を持っていて走って移動する家というのがまず面白い。 自分の定められた運命に抗う強い意志を持つマリンカは自分勝手に思えて最初は好きになれなかった。 マリンカが周りの人々や家との関係性で後悔と気付きながら成長していく姿を見て、最後には可能性は自分次第で広がると教えてもらえるこの物語の力強さを感じた。 イラストやカバーを外したデザインが可愛い凝った作りの本。

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2022/06/29

ロシア民話をベースに、将来をヤーガとして生きることを運命付けられた少女の成長物語。 マリンカを通じて、自分が今ここにいる意味を考えさせられました。

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2022/05/18

ロシア民話をモチーフにした物語。死者を導くヤーガの家に住む少女マリンカはヤーガになりたくなかった。 これは家に縛られた女性の葛藤の話かも。決められた運命に抗うことはワガママなのか。自分の未来を自分で決めた先にある希望。

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2021/12/08

バーバ・ヤーガのホラー映画を最近観て、良いヤーガの物語を読んでみたくなり選んだ。 死者をもてなして星に帰してあげる役割を持つヤーガとして生きる運命にありながら、生きている友達を作ったり好きなことをしたいと願うマリンカ。 支えて見守ってくれているバーバや家のことが見えていない自己...

バーバ・ヤーガのホラー映画を最近観て、良いヤーガの物語を読んでみたくなり選んだ。 死者をもてなして星に帰してあげる役割を持つヤーガとして生きる運命にありながら、生きている友達を作ったり好きなことをしたいと願うマリンカ。 支えて見守ってくれているバーバや家のことが見えていない自己中心的なふるまいに見えるけど、なんたって12歳なんだよな… 12歳で、できないことだらけの運命を受け入れろというのはあまりにも残酷だ。 喪失や、憧れていたものの本質を見てしまうことなどを通して、マリンカは正直に自分の気持ちに向き合うこと、それを周りの大切な人と共有することを学ぶ。 挿絵もかわいいし、ロシアだけでなく様々な国をモチーフにした料理や文化が出てくるので楽しい。

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2021/10/13

途中までは、まわりのあらゆるものに不満をぶつけ、送られている愛に気づかず、自分勝手にふるまう主人公のマリンカにだいぶイライラしながら読み進めていたのだけど、まあ、そうは言っても12歳だしなあ……自分の運命が決められていて、家からも出られないとなったらそりゃあ憤りも憤懣もたまるか、...

途中までは、まわりのあらゆるものに不満をぶつけ、送られている愛に気づかず、自分勝手にふるまう主人公のマリンカにだいぶイライラしながら読み進めていたのだけど、まあ、そうは言っても12歳だしなあ……自分の運命が決められていて、家からも出られないとなったらそりゃあ憤りも憤懣もたまるか、とも思い。 生と死のあわいにいるヤーガと、走る家の設定がユニーク。 境目が溶けていくことで、読者も、死に対しては心のなぐさめを感じ、生に対してはきらきらした喜びを感じとることができる。 そんなことがはっきりと言葉で(お説教っぽく)描かれているわけではなく、自然と伝わってくるのがすばらしいなと。 家もかわいいし、カラスのジャックやヒツジのベンジ、友だちのベンジャミンなど、周囲をとりまく人や動物たちもよかった。

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2021/06/26

ロシア民話バーバヤーガのお話をベースにしている。主人公は12歳の女の子マリンカでお婆ちゃんのバーバと暮らしている。バーバの仕事は死んだ人をあの夜に導くことで、住んでいる家も変わっていて、足が生えていて動けるし、意志があってマリンカと遊んでくれたりする。 マリンカは生きている人と交...

ロシア民話バーバヤーガのお話をベースにしている。主人公は12歳の女の子マリンカでお婆ちゃんのバーバと暮らしている。バーバの仕事は死んだ人をあの夜に導くことで、住んでいる家も変わっていて、足が生えていて動けるし、意志があってマリンカと遊んでくれたりする。 マリンカは生きている人と交流できない今の状況に不満があるが、外に行けない。中盤過ぎまでマリンカがずっと後ろ向きなので、そこは少し読みにくい(あとがきにも同じような記述あり)。しかし、死者を迎える話や、人を寄せ付けないための骨の柵など、子どもが惹かれるネタが随所にあり、中学年くらいから読める本ではしっかりできていると思った。

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2021/04/23

訳者はあとがきで自己中心的な言動をする主人公に共感できないかも知れません、と述べているけれど、そんなことなかった。 外の広い世界への漠然とした憧れ。保護者への反発、苛立ち、甘え。友人への期待、失望。 自分も覚えのある思春期の感情。とても共感しながら読んだ。訳の力かな。 2回目読む...

訳者はあとがきで自己中心的な言動をする主人公に共感できないかも知れません、と述べているけれど、そんなことなかった。 外の広い世界への漠然とした憧れ。保護者への反発、苛立ち、甘え。友人への期待、失望。 自分も覚えのある思春期の感情。とても共感しながら読んだ。訳の力かな。 2回目読む時は、家に共感するような気がする。 『飛ぶ』家の話はあるけど、『走る』家という設定はユニーク。泳いだり木に登ったりもするよ!

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2021/02/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

鳥の足が生えた家に住む少女、マリンカの成長物語。 マリンカと祖母のバーバは、この家で「死者を見送る」ことを生業としている。あの世とこの世の境目で、その門の番人として生きる少女の、葛藤と決意が描かれる。 運命に逆らいたい、自分のことは自分で決めたい、 という普通の少女の思いが苦しくて、感情移入すると苦しくなる。それを見守るバーバの気持ちも、「家」の気持ちも、考えるほど苦しい。 そう、この話では家が感情を持っているんです。 感情豊かなおうちがとても可愛かった。 家も傷つき、ケンカをする。 登場人物も家もみんな、マリンカが好きで、マリンカのことを愛おしく思ってくれているところがよかった。 みんな、愛情を受けて育っていくんだよね。 バーバとの別れだけが悲しくて、救いがほしかったな。 ロシア民話のバーバ・ヤーガを読みたくなりました。 ロシア民話集探してみよう。

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