君と、君がいる彼方 の商品レビュー
序盤は、旦那が浮気をし、妻はそれを知りながらモヤモヤしつつスポーツジムで知り合った男にときめいている。 娘は、突然周りからいじめを受け暗い毎日を送っている。 そして突然の息子の事故。 このまま家庭は、崩壊していくのだろうか… 展開が気になり、ここからは一気読み。 中盤は、認知...
序盤は、旦那が浮気をし、妻はそれを知りながらモヤモヤしつつスポーツジムで知り合った男にときめいている。 娘は、突然周りからいじめを受け暗い毎日を送っている。 そして突然の息子の事故。 このまま家庭は、崩壊していくのだろうか… 展開が気になり、ここからは一気読み。 中盤は、認知症の老人が家の前に何度も現れて まさか夫の父親なのか… 似てはいるが…と探り合い… 老人とふれあううちに料理の腕が一流であり、割烹料理中心のレシピが目白押し。 妻と娘だけがわかる気づき。 そのうち夫も。 そして確信する。 終盤になると何度も涙する。 不思議な世界観なのだが、こういう展開だったとは… 新たな感動を覚えた小説だった。
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孝之は一級建築士としてオフィスを構え、妻と中学1年生の娘、 小学2年生の息子と暮らす。 ある時、息子が事故に遭い意識不明の重体に。 バラバラになりかけた家族と息子のその後は? 認知症の老人が現れ物語は意外な展開に。 (そうきたか!)という思いで読了。
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「勝手な男だなぁ!」って、 父親である孝之に少しイラッとしながらも、 読み進める内に、先が気になり、 だんだん夢中になっていった。 最後は少し涙が出ました。 ***ネタばれ*** おじいちゃんは、結局のところ、 孝之の蒸発した父とは無関係だったんだろか? 個人的には、バラバラに...
「勝手な男だなぁ!」って、 父親である孝之に少しイラッとしながらも、 読み進める内に、先が気になり、 だんだん夢中になっていった。 最後は少し涙が出ました。 ***ネタばれ*** おじいちゃんは、結局のところ、 孝之の蒸発した父とは無関係だったんだろか? 個人的には、バラバラになりそうな家族を、 生死をさ迷っている康文が、 孝之の父の肉体をかりてやってきて、 蒸発したままの祖父ごと家族を取り戻そうと したのかな?と、勝手に思いました。 家族の再生の人間ドラマの中に、 ちょっとSFが合わさった、 いい感じの小説だった。
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不倫、いじめ、交通事故――崩壊寸前の家族に訪れた奇跡の13日間。その認知症の老人は一体誰? 乱歩賞作家が贈る感動の物語。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
主人公・相原孝之は、四人家族で、表面的にはいつもの日常を過ごしていた。 裏では、孝之は大学院生と不倫、妻も浮気をしていた。娘はいじめに遭っていた。その原因は、孝之の父親はかつて別の女と駆け落ちしたため、後ろ指を刺されたことがある。その影響で、その事実を知っている近所から、駆け落ちの孫として虐められるようになった。そんな時、息子が交通事故に遭い、意識不明に。 平常ではいられない状況に妻は取り乱したり、孝之に今までの鬱憤をはらしたりと、家族は崩壊する一方である。 そんな時、認知症の老人が何度も家の前に現れる。果たして誰なのか?息子は意識を取り戻すのか? 表紙を見る限り、シリアスなヒューマンドラマかなと思いましたが、途中からSF?的な展開もあったり、ほっこりする場面があったりと最後は暖かい気持ちになりました。 この作品で一番印象的だったのは、料理でした。認知症の老人が、うんともすんとも言わないのにプロ並み級の料理を披露します。 料理を食べるシーンは、人を幸せにさせるかのように心を温かくさせてくれます。それまでは心が乱れていて、崩壊寸前になるのでは?と心配していましたが、改めて料理の素晴らしさを感じました。 家族の他に謎の老人が現れ、初めの段階では、もしかして孝之の父?と匂わせるような描写でしたが、途中からSF的見解に変化します。最初はちょっと興醒めしてしまいましたが、段々とその展開が感動を誘ってくれるので、最終的には丸く収まって良かったなと感じました。 崩壊へと進む家族が、息子の交通事故によって、絆が深まることはなんとも複雑ではありましたが、迷いを断ち切り、一つの方角へと進む家族の姿が、力強くもあり、微笑ましくもありました。 料理は人を笑顔にしてくれます。哀しい時があっても、そこに料理があることで、心を和ませてくれるなと思いました。 最後は、老人の正体がはっきり提示しないまま終わりましたが、ぼやかすことで良い印象を与えてくれたので、読了後はほっこりとした気持ちになれました。
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