168時間の奇跡 の商品レビュー

新堂冬樹(著者)

2023/08/12

ペット業界の光と影。
私はチワワを大手ペットショップで家族として迎え入れましたが、その後保護団体があることを知りました。

主人公沢口涼也は元々ヤミ金の取立て屋だったが、ある取立てをきっかけに保護施設を立ち上げる。

様々な人間の理由により不幸に陥った、またはそうなりそうな犬を少しでも助けようと同じ志を持った仲間と奮闘する物語ではあるが、一筋縄ではいかない世界であることに出くわすたびに自身の志に問いかける場面が印象的である。

華やかな世界の裏には多くの犠牲や苦しみがあることは頭では理解できても、その被害者をどうやって減らそうかに真摯に向き合う姿勢は、私自身の日頃の仕事観にも通ずるものがあった。

ペットショップで売られていた我が家の愛犬の家族を受け入れるのは保護施設からにしようと決めています。

2021/09/06

ペットブームにより犬を飼う人が増え、家族同様に可愛がられる犬が普通であると見る一方、捨てられたりいろんな理由から動物愛護センターに引き取られ、傷ついている犬がたくさんいる現実、さらに子犬を売買するブリーダーとペットショップの表に出ていない現実もつきつけられた一冊でした。と同時に、涼也や華、スタッフ達の犬を思う気持ち、1頭でも多くの犬を救うおうとする懸命な姿に、癒されほっこりする作品でもありました。
初めての著者さんで、プロフィールを拝見し写真もみてから読みましたが、そのギャップにちょっとびっくりし、少し、私の好きな馳星周さんとかぶりました(笑)。

2021/06/09

なんだろう今ひとつ。
テーマは大切なことだけど、上っ面をなぞっているような感じ。
逆にそこまで、このことにのめり込める人が羨ましい。

2021/05/13

虐待、飼育放棄、殺処分、保護犬ボランティア、里親希望者。犬と人間の共生が抱える闇と希望を描く、心温まる長編小説

2021/04/21

虐待や飼育放棄などで飼い主を失った犬の保護施設「ワンコの園」をボランティアで運営する沢口涼也。犬を愛する余りに里親の条件を厳しくする。動物愛護相談センターに勤める恋人の華は里親の条件に柔軟性を求められる。そんな折り、売れ残った犬を処分しているペットショップや虐待してある繁殖業者の通報がなされる。飼い主の手に渡り愛情を受け大切に育てられ犬生を全うする犬、殺処分される犬。涼也たちは殺処分ゼロを目指す。ペットブームと言われる現在の陽と陰。悲しい現実に目を瞑りたくなる。繁殖業者は節度ある繁殖販売をと思う。