サイエンス5000年史 の商品レビュー
とっても面白かった。現代社会を支えるサイエンス分野が、どんな問いを出発点にして発展したのか、人間の知的好奇心・探究心や、『当たり前』を疑うことがどれだけ大事なのかを考え直す一冊だった。なによりも絵や図説がたくさんで、言葉も優しいので読みやすく、著者に語りかけられてるような一冊だっ...
とっても面白かった。現代社会を支えるサイエンス分野が、どんな問いを出発点にして発展したのか、人間の知的好奇心・探究心や、『当たり前』を疑うことがどれだけ大事なのかを考え直す一冊だった。なによりも絵や図説がたくさんで、言葉も優しいので読みやすく、著者に語りかけられてるような一冊だった。 古代、中世の科学が、非科学的な宗教や社会通念によって千年以上停滞することなんてザラで、科学の発展にはたんなる『研究』だけでなく社会と向き合って常識を変える活動も時には必要になる。ここに紹介されてる(全体からするとごくごく一部の)科学者たちの功績の素晴らしさはそこにあると思った。 私としては、『哲学』がサイエンスの分野として扱われてたことに最初混乱してしまった。が、読み進めていって、とても納得。問いを投げかけて、物事を論理的に考えることの筋道を作ったのが哲学なのだなと。「考え方を知る」ことが科学に貢献したとは知らず、いちばんの学びだった。 いろいろ食い入るように読んだけど、「天文学」「コンピュータ科学」の章が楽しかった。あらゆる科学の叡智の結晶を土台にあらたな学問が生まれるのを、残り50-60年ほどの寿命の中でどれだけみられるだろう?この本を読んだ今日ほど、「寿命が惜しい」と思ったことはない。
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