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データプライバシーの国際政治 の商品レビュー

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2021/08/16

 デジタルデータについては、経済的、社会的、公共的利益が得られることから、その自由な流通が求められる一方、データプライバシーの観点から一定の規制が必要とされる。  ところで、今日、現実の規制は国家単位で行われるため、2以上の国家間で規制のレベルが異なる場合、パーソナルデータの国を...

 デジタルデータについては、経済的、社会的、公共的利益が得られることから、その自由な流通が求められる一方、データプライバシーの観点から一定の規制が必要とされる。  ところで、今日、現実の規制は国家単位で行われるため、2以上の国家間で規制のレベルが異なる場合、パーソナルデータの国を越えた移転を巡って争いが生じる場合がある。特に、規制のスーパーパワーであるEUと米国の間では、データプライバシーに関する哲学が異なることもあり、いずれかに収斂することは難しい。  本書では、EUと米国との間で繰り広げられた、商用データの移転問題、9.11以後に公共の安全の観点から米国が求めた航空旅客データ(PNR)、金融取引データ(SWIFT)の問題を題材にして、政府間交渉、両者のせめぎ合いを分析したものである。また、日本とEUとの間で交渉のあったGDPRの十分性認定の問題も取り上げられている。  現時点でグローバルにルールが決まったものではないので、今後を考える上でも、参考になると思われる。

Posted byブクログ