ジャックポット の商品レビュー
筒井先生久方ぶりの新作短編集。太平洋戦争を題材としたパロディである「南蛮狭隘族」は面白かった。しかし、著者も年季が積み重なりすぎて言葉遊びが過剰であるなど、少々暴走気味ではある。まぁもう、著者が恐れるものなんぞ、この世に存在しなくなったであろうが。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
久々に著者の単行本を購入。 既発表作の14編が収められてる。フリーな調性なしの音符(言葉)がすごい勢いで畳み掛けられ、あっという間に振り落とされる。とは言え、無調性のなかにチラッと出てくるウィットを見逃したくないし、と言ってもたくさん見逃しているだろうが、そうかと思えばしっかりと「現実」が語られ、聴く(読む)のに大変な労力を要する。ほんと、よくこんな書けるな。 1934年(昭和9年)生まれ、著者は老獪にして、読者は…。
Posted by
襖を開けたら雪崩を起こす押し入れの如きボキャブラリー倉庫を閉店特価セールの構えでPC炎上どこ吹く風と大放出する御大得意の言語スラプスティック。あわあわと巻き込まれ滑落に身を任せながら戯れに周囲の言葉たちを手にとれば韜晦の一皮裏に忍ばせきれぬ悲哀憤り諦観郷愁何やかんやでべっかんこ。
Posted by
ひさびさの筒井康隆 (えっ 何??? わからん)あふれ出る様々な事象を 韻を踏みながら 連なっていくことばたち・・・ 筒井康隆のイメージは昔読んだ「時をかける少女」のような あちこち異次元をさまよいながらもその世界に引き込まれていく感じだったのだけれど。 86歳の作家の頭の...
ひさびさの筒井康隆 (えっ 何??? わからん)あふれ出る様々な事象を 韻を踏みながら 連なっていくことばたち・・・ 筒井康隆のイメージは昔読んだ「時をかける少女」のような あちこち異次元をさまよいながらもその世界に引き込まれていく感じだったのだけれど。 86歳の作家の頭の中は こんなにも言葉があふれ、それぞれの時代にいろんな想いがあり、生と死に向き合っているのだとわかる。 まだまだ 私の人生修行が足りなくて、理解する以前にこの文章の上を滑ってコケてしまった。 最後にある 51歳で亡くなったご子息の話「川のほとり」だけは つらく優しく 淡々と迫ってきた。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
最後の章、「川のほとり」がせつなく哀しい。 51歳で一人息子(画家の筒井伸輔氏)を食道がんで亡くした心情を夢に出てきて川のほとりに立つ息子と会話する康隆氏。
Posted by
なんといっても51歳になる一人息子の死と再開を描いた「川のほとり」がしみじみとして良い。86歳の筒井康隆の一人息子で画家として筒井作品の装丁などでも知られる筒井伸輔の死。86歳という年齢にして子供を喪うということがどういうことなのか、想像するのは非常に難しい。しかし、本書を読んで...
なんといっても51歳になる一人息子の死と再開を描いた「川のほとり」がしみじみとして良い。86歳の筒井康隆の一人息子で画家として筒井作品の装丁などでも知られる筒井伸輔の死。86歳という年齢にして子供を喪うということがどういうことなのか、想像するのは非常に難しい。しかし、本書を読んで感じたのは、自身の年齢が幾つであろうとも、子供を喪うということの悲しみは変わらないという普遍的な感覚であった。 掌編「川のほとり」は良いとして、一方で他の短編作品に関しては、作品としてのクオリティの部分では不満が残る。ひたすら言葉遊びが続き、内容としては小説の丁をなしておらず、筒井康隆によるこれは日本語ラップである、とでも解釈すれば多少は面白いくらいか。
Posted by
- 1
- 2