ヒップホップ・モンゴリア の商品レビュー
この本を通してモンゴルを見たし出会えた人がいた この本があったから 周縁とされる国をこの視点で見て、英語、米国帝国主義に気付けた。
Posted by
文化人類学者によるモンゴルのヒップホップ史。以前、山川出版社の「中央ユーラシア史」を読み、モンゴルが社会主義国化していく様を知っていたが、現代史については全く知らなかった。 鉱山資源の開発、ウランバートルの近代化と貧富の格差(ヒップホップにおいてもゲル地区派と都会派が対立)、環境...
文化人類学者によるモンゴルのヒップホップ史。以前、山川出版社の「中央ユーラシア史」を読み、モンゴルが社会主義国化していく様を知っていたが、現代史については全く知らなかった。 鉱山資源の開発、ウランバートルの近代化と貧富の格差(ヒップホップにおいてもゲル地区派と都会派が対立)、環境汚染、腐敗した政治、外国資本・海外で働くモンゴル人・中国や韓国への差別感情、モンゴル人の誇りとナショナリズム、女性が多く活躍する社会であるがDVなど家庭問題も多い、シャーマニズム、分断されたモンゴル(内モンゴル自治区やブリヤート共和国)と消えゆくかもしれない書き言葉。 彼らは色々な想いを抱え、ヒップホップで表現する。 私は海外の音楽が好きでヒップホップも少々聴くが、ライム理論や韻(頭韻と脚韻)についての知識はほとんどなく、モンゴル語の母音や子音にも着目した「第三章 伝統」「第四章 憑依」は勉強になった。 YouTubeやApple Musicであれやこれや検索し、モンゴルヒップホップを聴きながら、読み進めるのが楽しくて仕方がない。 特に、先駆者Dain ba Enkh,坂本龍一のあの曲をサンプリングした都会派TATAR, ゲル地区派の大物BIG Gee, モンゴルのギャングスタDesant, 理系女子NMN(民族楽器を取り入れた曲が素晴らしい)が心に残った。それにしても、第一世代を育てた黒人のジェイソン・ガリバーって何者なんだろう?(ちなみに、モンゴルのラッパーはエミネムさんなど白人のラッパーには興味を示さない)
Posted by
ヒップホップ好きな学者が書いた文化人類学の本、いやいや、文化人類学者が書いたモンゴルのヒップホップの本。どちらの視点から読んでも満足のいく本です。むしろ、ヒップホップ側からの読者にこそ読んでほしいと感じました。社会背景、言語学的な視点、シャマーニズム、その全てが織りなし紡ぎ出され...
ヒップホップ好きな学者が書いた文化人類学の本、いやいや、文化人類学者が書いたモンゴルのヒップホップの本。どちらの視点から読んでも満足のいく本です。むしろ、ヒップホップ側からの読者にこそ読んでほしいと感じました。社会背景、言語学的な視点、シャマーニズム、その全てが織りなし紡ぎ出されるライム。モンゴルがヒップホップ発祥の地だと言い放つモンゴル人を僕らはもう笑えない。USがなんちゃら、トラックがうんちゃら、バトルがビーフで、ジブさんがなんちゃらで、トラップに、インダフッドだか一二三屋にだるまだか鎖だかでKタウンに集まれ、、、正直リアルなフェイクに疲れたらこの本を読んでニヤニヤしよう。なんだ、自分が自分であることをただ誇る事こそリアルなんだ。そういうビーボーイイズムに気がついたら叫ぼう今こそ「DA・YO・NE!」モンゴルのヒップホップを学ぶことで、自分達のフッドが見えてくる。そして著者のバイブスが伝わるこれは名著です。みんな読め!そんで騒げ!
Posted by
モンゴル国、ブリヤード共和国、内モンゴル自治区の相互のヒップホップに関する人類学である。最初の部分はヒップホップではなくモンゴル国の歴史政治社会体制の説明であった。 変わっているのは、著者がほとんどのヒップホップにyoutubeのアドレスを書いたことである。これをもとにモンゴル...
モンゴル国、ブリヤード共和国、内モンゴル自治区の相互のヒップホップに関する人類学である。最初の部分はヒップホップではなくモンゴル国の歴史政治社会体制の説明であった。 変わっているのは、著者がほとんどのヒップホップにyoutubeのアドレスを書いたことである。これをもとにモンゴルのヒップホップを聴くことができる。 人類学の領域としてのフィールドワークではあるが、モンゴルのヒップホップという分野をあたらしくよく分析したと思われる。 メディアリテラシーとしても、新しい分野にどんどん挑戦して論文を書くことができるであろう。
Posted by
- 1