はたらかないで、たらふく食べたい 増補版 の商品レビュー
うーん、好きじゃなかった。 主張は好きなんだけど、エッセイ内のエピソード、行動面白いかな?思ってしまう。 いまいち帯にあるような痛快さ感じなかった。 強い言葉を使っているけど、行動にそれが結びついていない気がする。 完全に働かなかったり、消費しないのは無理だろうと思う。ある程度...
うーん、好きじゃなかった。 主張は好きなんだけど、エッセイ内のエピソード、行動面白いかな?思ってしまう。 いまいち帯にあるような痛快さ感じなかった。 強い言葉を使っているけど、行動にそれが結びついていない気がする。 完全に働かなかったり、消費しないのは無理だろうと思う。ある程度消費したいし。 ただバランスが大事で今は働きすぎ。もっと休みがあっていいし、各種休暇ももっと長くていいし、緩やかな社会主義になっていくのがいいんじゃないかと思う。もちろん政府に依存しない体制で。
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変わった人だなと思いながら、文章が簡潔なのでスイスイと読めました。 収入がなさすぎると私は嫌ですが、クスッと笑えて面白かったです。
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アナキズムについてもっと知りたくて読みました。荘子、ソロー、伊藤野枝、などなど先人たちの思想に、著者の私生活についての思考が挿入されつつ、少し毒どくしいとも言える文体が読みにくいのか読みやすいのか、どちらとも言い難いですが、「自由に書きたいように書きたい」というのが、著者の主張で...
アナキズムについてもっと知りたくて読みました。荘子、ソロー、伊藤野枝、などなど先人たちの思想に、著者の私生活についての思考が挿入されつつ、少し毒どくしいとも言える文体が読みにくいのか読みやすいのか、どちらとも言い難いですが、「自由に書きたいように書きたい」というのが、著者の主張であり、根はとても真面目な考えなのだと感じました。 稼いでいなければ、消費してそれにより「自己実現」し、個性を表現しなければ、人でなしのように扱われるこの資本主義社会の中で、生きているだけで負い目を背負わされ、正しさ地獄の中でがんじからめになり、いつしかその基準を自己の精神の中に内面化し、自由のカケラさえうしなってしまう苦しさ。(後書きより) 労働と消費の社会学についてもっと学び、精神を自由にしたいと思いました。フェミニズムについても。 人間、本来の面目はもっと自由であるはず。
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「自由に生きる」の私なりの解釈が言語化されているようで、読んでいて気持ちよかった。 特に文庫版あとがきの最後のページ(266ページ)。これに尽きる。 文体も自由さが見てとれた。
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ニートのアナキストがいかに労働が悪かをあの手この手で示そうとするお話。 やや説得力に欠ける部分もあるが、これまでにあまり触れた事のない視点で、考えさせられる部分は多かった。資本主義貨幣経済の中で生きているうちに、いつしか都合の良い道徳観にまみれて、人ととしての豊かさとはなんたるか...
ニートのアナキストがいかに労働が悪かをあの手この手で示そうとするお話。 やや説得力に欠ける部分もあるが、これまでにあまり触れた事のない視点で、考えさせられる部分は多かった。資本主義貨幣経済の中で生きているうちに、いつしか都合の良い道徳観にまみれて、人ととしての豊かさとはなんたるかを忘れてしまっていたのかもしれない。 無償の施し、固定観念をぶっ壊して考える力の尊さを学んだ。
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アナキズムはよく理解できていないけど、著者の語りは尖っているのかいないのか、とにかく緩くて面白い。 また、先人の思想や生き方の紹介が、とても分かりやすく思わず、表記してある文献を紐解きたくなる。 はたらかないで、たらふくたべたい はい!同感
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はたらかないで、たらふく食べたいという気持ちには共感するけれども、皆がそうしたら社会は成り立たない。それこそ著者の好きなタバコもビールものめなくなっちゃう。 しかし、別にこういう人がいたっていいのである。働きたくないけど、主義は曲げず楽しく生きたいというのは明治なら「高等遊民」と...
はたらかないで、たらふく食べたいという気持ちには共感するけれども、皆がそうしたら社会は成り立たない。それこそ著者の好きなタバコもビールものめなくなっちゃう。 しかし、別にこういう人がいたっていいのである。働きたくないけど、主義は曲げず楽しく生きたいというのは明治なら「高等遊民」と言われたのに今はニートだヒモだと言われて気の毒である。 妻になる人に扶養される気満々だが、「専業主夫」ができるほど家事ができるわけでもない。いざというときの役にも立たなそう。でも、彼女がいつもいるってことは、稼ぎがなくても、なんというか、可愛げがあるんじゃないか。そういう男を養ってあげたいという女性もいるだろうし、二人が納得していれば良い。しかし、この本で一番面白いのは結婚しようと思っていた女性にフラれる部分である。 アナーキスト、政治学者として口を糊しているわけだけど、文章は独特で面白いし、ダメ男の哀れな滑稽味もよく出ているから、私小説家としてもいけるんじゃないかな。 TA(ティーチングアシスタント)をしていたとき、サボりまくって金だけもらい、「いまさらながらわるいことをしたとおもっている。すぎたことだ。」(p113)なんて太宰治みたいじゃん。お前が言うな、っていう。 この本を書き始めたときは年収10万だったのが、書き終わる頃には200万と20倍に爆上がりしたそうなので、もしかすると今はもっと爆上がりして、妻や親に扶養してもらわずに生きていらっしゃるのかもしれないが、是非このダメ男感は失くさずに書き続けてほしいものです。
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とんでもねえな、と思いながら読み進めるうちに、 黙って搾取されたくはないという、共感を強くした。 本当に一握りの、勝手なトップによって決められた枠組に、なぜ何もかも従わなくてはならないのか、と。 酒をかっくらい、噛みつくようにブルーハーツを歌っていた頃を思い出して、いつの間に...
とんでもねえな、と思いながら読み進めるうちに、 黙って搾取されたくはないという、共感を強くした。 本当に一握りの、勝手なトップによって決められた枠組に、なぜ何もかも従わなくてはならないのか、と。 酒をかっくらい、噛みつくようにブルーハーツを歌っていた頃を思い出して、いつの間に忘れていたのかと思った。 面白かった。
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栗原康のことはまったく知らず、本屋で表紙を見てなんとなしに買ってみたのだが、これがびっくりするくらいおもしろかった。 アナキズム研究が専門で大学の非常勤講師をやっているとのことだが、文体はまるで町田康のような、ふざけているのか真面目なのかわからない、いや絶対にふざけているのだけ...
栗原康のことはまったく知らず、本屋で表紙を見てなんとなしに買ってみたのだが、これがびっくりするくらいおもしろかった。 アナキズム研究が専門で大学の非常勤講師をやっているとのことだが、文体はまるで町田康のような、ふざけているのか真面目なのかわからない、いや絶対にふざけているのだけど、ちょうどいい塩梅のふざけっぷりで、良い。文体だけでなく、自らの情けなさと滑稽さを魅力的に書けるあたりも似ている。 文体や語り口もいいのだが、そもそも主張がわたしの好きなものだったので、おもしろく読めたのだと思う。ちょっと過激な主張ではあるけど、賛同する人はけっこういるんじゃないだろうか。 主張と文体が、合ってる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
植本さんとポッドキャストでお話させていただいたときにレコメンドしてもらったので読んだ。タイトルにあるとおり、いかにはたらかないか、そもそもお前ら資本主義社会、消費社会に迎合しすぎではないか?繰り返し説かれることで自分の当たり前が音をたてて崩れていくような感覚で新鮮な読書体験だった。 冒頭のアリとキリギリスの反転させた話が本著を象徴していて、(キリギリスがアリを食べてしまう…!)「働かざる者食うべからず」という価値観をぐらぐら揺さぶってくる。グローバリズムの浸透で自己責任論がますます幅を聞かせる世の中で「自分の生を負債化」させて好きでもない労働に従事する人生に意味があるのか?と聞かれると確かに…と思うことがいくらかあった。著者自身は実家暮らしで非常勤講師、親の年金で暮らしていることを宣言していて「結局親にパラサイトしてるだけ」というクソリプが飛んでくることなんてつゆ知らず、ひたすら働かないで生きていくための思考を展開していくのがオモシロかった。以下興味深かったところの引用。 "犠牲と交換のロジックがうまれたからこそ、自分の行為に見返りをもとめることが一般化してしまったのである。" "人間は物ごとを区別して。そこに善悪優劣の価値判断をはさみこんでいる。そうやって、不変の秩序をつくりだし、ほんらい渾沌とした世界を、有限で管理可能なものにしたてあげているのである。" 一番驚いたのは歴史の紹介。自分の主張とからめながら過去の偉人たちについて比較的ファニーに紹介してくれるのだけど、めちゃくちゃ分かりやすかった。こんなに徳川家の話がすっと頭に入ってきたのは初めてかもしれない。(自分が歳をとって歴史に対して関心が増しているのも影響しているかもしれない)引用もオモシロいのだけど、ひらがなの多用と詩のようなラインが織り交ぜられた独特のグルーヴを持つ文体も読んでいて楽しかった。本著でも引用されていた伊藤野枝の自伝がかなりオモシロそうなので次はそれを読みたい。
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