北条五代、奇跡の100年 の商品レビュー

松沢成文(著者)

北条家が正当な評価を受けられますように。

[Golden Pearl]

最近見た歴史番組で、三代目の氏康が健在であったならば、豊臣秀吉の小田原遠征以前に外交でもって最悪の事態を防げたのではないか、という解説がありました。しかし秀吉の真意が、この作品の著者のいうように『北条氏討伐、徳川氏転封というトータルなシナリオ』であったからには、氏康であっても秀吉には、というより世の流れには敵わなかったように思えます。
北条家の最大の不運は５代目氏直の早世にありました。もし父祖ほどの長命を保っていれば、家康の婿として関ケ原後には西国の大大名になっていたでしょう。もともと早雲は備中の伊勢家出身でしたから、関東の覇者から故郷への帰還という劇的な復活を見ることが出来たでしょうに。
秀吉と家康という天下人への忖度を無くし、後世における正当な評価が受けられるようになってほしいです。

2024/09/24

徳川時代も長かったけれど、戦国時代の荒れた時代に五代続けてきた北条の生き方は見直されてもいいのでは？"禄寿応穏"　大事なことです。

2024/02/25

後北条氏の5代100年について、元神奈川県知事の松沢成文が書いた一冊。

プロの歴史家から見たら瑕瑾はあるのかもしれないが、小説家並みに丹念に調べているだけあって、勉強になった。

2021/05/22

早雲から氏直までの5代の当主で100年続いた北条家。
歴史は一日にして成らずといいますが、100年の歴史にはそれぞれに重圧もあっただろうなと思います。
三公七民で民に寄り添ったとありますが、家の存続こそが勝者の秘訣と考えれば、安定が一番かもしれません。と考えると不思議なことはないのかなと思います。
氏綱のリーダーとしての覚書の「五箇条の御書置」は、後世に受け継ぎ、今でも通用する考え方ですね。

歴史シュミレーションゲームでも、早雲は登場しないので、その歴史を知ることができて良かったです。
「勝って兜の緒を締めよ」は2代目の氏綱の言葉たったのですね。

2021/02/17

小田原北条氏の入門書としては最適。
最新の情報も入れつつも伊勢宗瑞(早雲)を享年６４としつつも、北条早雲と表記しているのが気になる。
元知事として治世面から分析している点は素晴らしい。