原野から見た山 の商品レビュー
坂本直行さんの本を読んでいたが、これと『山 原野 牧場』は久しく絶版になっており、利用していた図書館でも禁帯出であったため、なかなかじっくりと読むことが叶わなかった。まずは出版してくれた山と渓谷社に感謝したい。 日高の山を愛し、広尾の原野に入植した直行さんの文章は豪快、かつ繊細...
坂本直行さんの本を読んでいたが、これと『山 原野 牧場』は久しく絶版になっており、利用していた図書館でも禁帯出であったため、なかなかじっくりと読むことが叶わなかった。まずは出版してくれた山と渓谷社に感謝したい。 日高の山を愛し、広尾の原野に入植した直行さんの文章は豪快、かつ繊細だ。北海道の開拓生活は、逞しい体と、健康と、家族の協力がなければ、とてもやってけないが、直行さんはそれを備えていた。日常の農作業や、困難な労働をこなしつつも、美しい日高山脈に目を向ければ疲れも飛んだ。多忙な日々を縫って、または農閑期になれば山へ入り、山そのものを味わい尽くした。素朴だが山や自然に対する鋭い観察力と、出会う人へのユーモアあふれる記述が直行さんならでは。 当時の人々の生活は困難を極めた。幼くして死ぬ子供もいた。作物の収穫がない年もあった。開拓の明るい面ばかりでなく、暗く困難な面も窺い知ることができる。それでも直行さんの、希望と明るさを失わない文章に、読むものは救われる。今の時代ではとても・・・と思える場面もあるが、これも時代の記録。
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十勝に暮らし農業を営む筆者。独学の写生と北海道の山の画文集。 何とも味のある絵が想像力をかきたてる。北海道の山に行く時には是非お供に。 こういった絶版本を復刊してくれるヤマケイ文庫は本当にありがたい。
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十勝 広尾から見た日高山脈に感銘を受けた坂本直行氏の生涯での登山記が中心の内容です。道内の自然の雄大さ・様々な山の違いが文章から感じられ、どんどん引き込まれていく作品でした。 一時期、十勝に住んでいた私としても馴染みのある景色の挿絵が時折含まれており、それもまた良かった。
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