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残酷な遊戯・花妖 の商品レビュー

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2022/04/27

そして、妻は死んだといふ言葉となり、一つの概念となることによって彼を悲しますかも知れない。 やがて、彼女は死んだといふ言葉となり、一片の言葉となることによつて現実のなかへ彼女は寧ろ蘇生する。 安吾先生にしかこんなの書けない

Posted byブクログ

2021/04/13

新しく発見された未完の未発表原稿(原稿にタイトルがついていなかったので、この本では便宜上「残酷な遊戯」としています)と、この未発表原稿と構想アイディアが似ている新聞連載の長編「花妖」(1947年2月~5月・未完)を纏めて収録することで、この2作を比較して楽しむことができる一冊。 ...

新しく発見された未完の未発表原稿(原稿にタイトルがついていなかったので、この本では便宜上「残酷な遊戯」としています)と、この未発表原稿と構想アイディアが似ている新聞連載の長編「花妖」(1947年2月~5月・未完)を纏めて収録することで、この2作を比較して楽しむことができる一冊。 その他、登場人物の名前の共通点など、創作の系譜が読み取れる「小さな部屋」「山麓」「麓」「麓(戯曲)」も併せて収録。 巻末に収録作についての解説対談。 読んだ印象としては、「花妖」が「戦争と一人の女」から「不連続殺人事件」の間に位置する作品で、作風もちょうどこれらの過渡期(橋渡し)のような読後感。この戦後の作品である「花妖」の草稿的な内容である「残酷な~(仮)」が戦前に書かれていたと思われるのが巻末解説で述べられてますが興味深いですね。 しかし、この本の収録作がどれも未完の作品ばかりで、この後どう話が展開するのかは想像するしかないってところがなんとも惜しまれる…。

Posted byブクログ