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中東を動かす帰属意識 の商品レビュー

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2021/05/14

【国家や宗教が帰属先となる現代社会では、血縁を基盤とする部族の結束力が弱まることが必然の成り行きだが、中東、特にアラビア半島では、部族の帰属意識は依然として根強く残っている】(文中より引用) 大学でアラビア語を学び、商社マンとして湾岸諸国に根を張った人物が、現場レベルの眼差しで...

【国家や宗教が帰属先となる現代社会では、血縁を基盤とする部族の結束力が弱まることが必然の成り行きだが、中東、特にアラビア半島では、部族の帰属意識は依然として根強く残っている】(文中より引用) 大学でアラビア語を学び、商社マンとして湾岸諸国に根を張った人物が、現場レベルの眼差しで綴る中東論。中東における部族の重要性など、日本語メディアではなかなか入り込めないレベルまで言及がなされています。著者は、日本オマーン協会理事も務めた林幹雄。 ビジネスで関わったイエメンやオマーンに関する詳述や、中東におけるマイノリティの実像など、中東についての知識をもう一歩深めたいと思う人にオススメの一冊。現地の生活に入り込んでいったからこそ書ける記録の連続に、知的好奇心が駆られっぱなしの読書体験でした。 今年1月に急逝されてしまったそうですが、もっと著者の中東論を聞きたかったなと思います☆5つ

Posted byブクログ