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笠松紫浪 全木版画集 の商品レビュー

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2件のお客様レビュー

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2021/08/28

鏑木清方の下で日本画を学んだ笠松紫浪は、大正期より、渡邊版画店から伊東深水、川瀬巴水らとともに数々の木版画作品を発表し「新版画」運動の旗手となった。 本作の掲載作品は、その渡邉版の他、戦後に芸艸堂から出された作品、自摺品、小作品と広範囲にわたる。 巴水の作品は、版元が変わっても巴...

鏑木清方の下で日本画を学んだ笠松紫浪は、大正期より、渡邊版画店から伊東深水、川瀬巴水らとともに数々の木版画作品を発表し「新版画」運動の旗手となった。 本作の掲載作品は、その渡邉版の他、戦後に芸艸堂から出された作品、自摺品、小作品と広範囲にわたる。 巴水の作品は、版元が変わっても巴水の作品と分かるが、笠松紫浪の作品はこの本を眺めると、版元によってガラリと雰囲気が変わるのが面白い。 渡邉版は、巴水の風景画や、深水の美人画を思わせる作品が多い。と言うよりかなり似ている。繊細な描線、鮮やかなるも柔らかく懐かしさを感じさせる色合いがあり、自分好み。 芸艸堂になると、やや線が太く、クッキリとした仕上がり。 自刻・自摺の作品はというと、構図こそ笠松紫浪を思わせるが、仕上がりが全く違う。 平成まで生涯を木版画に捧げた笠松紫浪の画業を知るには最適な一冊。

Posted byブクログ

2021/04/25

大正から昭和にかけて活躍した新版画運動の版画家。川瀬巴水や伊藤深水の少し後の世代だ。江戸の趣を残す東京や各地の名所や何気ない風景を描いている。必ず人物は描かれている。湿潤な日本の風土を表すかのように抑えた淡い色合いで、ある程度単純化された素朴な味わいの線描である。美人画や動物、仏...

大正から昭和にかけて活躍した新版画運動の版画家。川瀬巴水や伊藤深水の少し後の世代だ。江戸の趣を残す東京や各地の名所や何気ない風景を描いている。必ず人物は描かれている。湿潤な日本の風土を表すかのように抑えた淡い色合いで、ある程度単純化された素朴な味わいの線描である。美人画や動物、仏像の版画もある。まさしくよき日本を表現した版画だ。東京タワーなどの近代的なものも題材にはしている。

Posted byブクログ