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東国武将たちの戦国史 の商品レビュー

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2022/06/29

現代版の軍記物。現場感覚とそれなりに理屈が通っていて、とても面白い。 かなり強引な論法もあるが、全体としては納得できるレベル。 特に河越城夜戦と武田勝頼の最期の崩壊はこれまでの疑問が溶けて、スッキリした。 著者の作品の中でも一番だと思う。

Posted byブクログ

2021/02/12

 応仁・文明の乱に先駆けて、東国では享徳の乱から内乱の時代に突入したということは、一般にも知られてきたが、爾来、合従連衡や一族の間での内訌が次々に起こるので、登場人物や合戦の名前も覚えられず、なかなか全体的なイメージが掴めなかった。  本書は、文明8年の長尾景春の乱から、天正1...

 応仁・文明の乱に先駆けて、東国では享徳の乱から内乱の時代に突入したということは、一般にも知られてきたが、爾来、合従連衡や一族の間での内訌が次々に起こるので、登場人物や合戦の名前も覚えられず、なかなか全体的なイメージが掴めなかった。  本書は、文明8年の長尾景春の乱から、天正18年の秀吉による小田原征伐までの東国戦国史を、合戦を中心に、10章に分けて紹介したものである。  信玄、謙信、氏康の時代になると、戦国時代そのものということで、ある程度の知識もあるが、戦国大名として自立していく前の段階の武将たちの動向を紹介する、早すぎた戦術家、長尾晴景と太田道灌(第一章)、伊勢宗瑞(北条早雲)・北条氏綱父子の領国確保(第二章)、信玄の父、武田信虎の甲斐統一(第三章)、謙信の父、長尾為景の下剋上(第四章)の章は、戦国時代前史として知らないことが多く、大変興味深かった。  また、1540年代頃まで、古河公方、山内上杉、扇谷上杉が様々な場面に絡んでくることも良く分かった。というか、東国の支配体制の主役であった彼らを打破して登場してきたのが、世に知られた戦国大名の訳である。  資料上の制約もあり、また事後的に誇張されることもあるため、合戦の実相は不明なことも多いが、資料の解釈と、推測ならば推測として説明がされるので、読者としては安心して読むことができる。  どうしてこういうことになったのか、どうしてそのような選択をしたのか、ということについて、著書はきちんと叙述をしてくれるので、この複雑な時代の大筋が頭に入りやすいし、挿入される勢力図や戦闘の進展を示す図によって、具体的なイメージが浮かんでくる。  概説書では捉えきれない具体像を理解するのに大変適しているので、戦国武将好きには是非お勧めしたい。  

Posted byブクログ