教会をつくる の商品レビュー

古屋治雄(編者)

2021/03/22

・肉体にも飢え渇きが生じるのと同じように、信仰にも飢え渇きが生じます。人生は荒れ野です。地上を旅する者にとって、私たちを神から遠ざけようとする誘惑はたえず起こり、試みは何度も私たちを襲います。その上私たちは、何と恵みを忘れやすい者たちでしょう。せっかくエジプトの国、神を恐れない現代社会という「奴隷の家」から導き出された者たちだというのに、救われた恵みを忘れ、試練に遭うとすぐ弱音を吐き、エジプトの肉鍋を恋しがる始末です。

・イザベラ・バードが「真の改宗者はそのひとりひとりが伝道師」と１４０年前に書いたように、洗礼を受けたら皆が伝道者となって、伝道への情熱と意欲を持ち、総力で伝道を担うという戦略があらためて立てられないでしょうか。もちろん、それは信徒が牧師の代わりになるということではありません。信徒には信徒らしい伝道があります。それは生き方においてキリストの香りを放つという伝道です。

・日本では、野球のリトルリーグや男性のハンドベル・クワイヤを持っている教会があると、聞いたことはありません。それでも、わたしたちはさまざまな「娯楽」を用意しながら、教会に人を招こうとしています。しかし、教会を訪ねる人たちは、きっとわたしたちと仲良くなることに最大の関心はないはずです。新来会者たちが探しているのは、神です。神によって、人生を変えられたことを示す痕跡を持つ人々がいる場所です。天の国の香りがし、天をのぞき見ることのできるコロニーです。