世界は善に満ちている の商品レビュー
対話形式は、嫌われる勇気シリーズに触れてから割と否定的だったがこの本はかなり良い形になっていた。 善の射程を伸ばしつつ、愛の形式を輪郭立てながら具体例を交え説得力を持たせる構成はすごく読みやすい。 自己拡張性の考え方は、自身の置かれているライフステージによってはブッ刺さる内容で、...
対話形式は、嫌われる勇気シリーズに触れてから割と否定的だったがこの本はかなり良い形になっていた。 善の射程を伸ばしつつ、愛の形式を輪郭立てながら具体例を交え説得力を持たせる構成はすごく読みやすい。 自己拡張性の考え方は、自身の置かれているライフステージによってはブッ刺さる内容で、自己肯定を自分自身の枠組でしか捉えられない勿体無さに気づくことができて良かった。
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論理的に感情を説明した本。 なるほどな、と思いました。 なかなか難しい内容で何度もページを戻って確認しつつ読み終わりました。 学生と教授の対話形式なのも、難しい話に入りやすく、よかったです。
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最初から明らかになるけど「善」と言うものが私がイメージしていた定義よりだいぶ広かったのでタイトルから想像していた内容とは少し違った。 あと頭に入ってくるものと入ってこないものがあり集中力がだいぶ必要で序盤で心が折れた。最後まで読んだけど全体的に難しく再読や必要があると思った。 ...
最初から明らかになるけど「善」と言うものが私がイメージしていた定義よりだいぶ広かったのでタイトルから想像していた内容とは少し違った。 あと頭に入ってくるものと入ってこないものがあり集中力がだいぶ必要で序盤で心が折れた。最後まで読んだけど全体的に難しく再読や必要があると思った。 cotenの深井さんおすすめの本だったので読んでみたけど私には難しすぎたよ…死ぬまでの間にまた読んでその時に理解できるようになってるといいなぁ。
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授業で指定されて読んだ本。トマス・アクィナスの感情論が分かりやすく、かつ明確に示されていた。愛があらゆる感情の根源であり、欲望されうるものの心における刻印こそが愛。欲望されうるもの=善が自分の周囲に転がっている可能性に気づくことで自分から見える世界はより豊かなものになりうる。
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善(よいもの)に導かれた愛(好きという気持ち)がすべての感情のもとになる、というトマスの感情論をひも解いていくことで現代の私たちの生活をも照らそうとする内容。キリスト教神学の視点はほとんどなくて、宗教に抵抗のある一般層向けになっている。私は自己啓発的な話ではなくて神学のほうが読み...
善(よいもの)に導かれた愛(好きという気持ち)がすべての感情のもとになる、というトマスの感情論をひも解いていくことで現代の私たちの生活をも照らそうとする内容。キリスト教神学の視点はほとんどなくて、宗教に抵抗のある一般層向けになっている。私は自己啓発的な話ではなくて神学のほうが読みたかったので肩透かし感はあったけど、トマスの雰囲気はなんとなく掴めるようになった気がする。精緻でありながら、アリストテレスらしい有機的な解釈、明るい哲学。 神学大全の文章をものすごくかみ砕いて説明してくれて非常にわかりやすかった。
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情動の根源は愛であり、愛がなければ感情が無くなり、世界に対して無関心になってしまう怖さを感じた。適切な情動は、どんなものであれ、善い感情であるという考えは勉強になった。悲しいという感情も、適切なものであれば、善いものなのである。
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トマス・アクィナスの「神学大全」という大作のうち、感情論にテーマを絞ってトマス哲学の核心的な位置づけと見なされる肯定の哲学という観点から講釈いただけております。哲学者と学生の対話形式で綴られていますので、取っつきやすくかつ日常的な例を挙げてながら進めているので、自分の経験とリンク...
トマス・アクィナスの「神学大全」という大作のうち、感情論にテーマを絞ってトマス哲学の核心的な位置づけと見なされる肯定の哲学という観点から講釈いただけております。哲学者と学生の対話形式で綴られていますので、取っつきやすくかつ日常的な例を挙げてながら進めているので、自分の経験とリンクさせて理解が深まる。 喜びや希望といった正の感情、絶望や恐れ・忌避などの負の感情含めすべての根源的な感情として「愛」があるのだ。絶望・恐れ不安に襲われている際にも、そこには対象「欲求されうるもの」への愛所以という論理を心に留めておくことで、直面している悲惨な現状に対して少しでも拠り所として機能するのではにないか。 また、愛するということは一見能動的な動作や感情に思えるが、そこにまず「欲求されうるもの」からの働きかけがあり、その働きかけに呼応することで深まっていくもの、つまり発端はどちらかというと受動的なものとなる。これは、愛、言い換えると「善なるもの」は独断的で独りよがりなものではなく、その対象との相互的な関係性によって成り立っているのだという考え。また、「欲求されうるもの」はこの世の中に沢山散りばめられており、その出会いと深化が人生を豊かにするのだとい楽観主義的な思想が、悲観に満ちかけた時などの気持ちの支えになってくれそうとか思いますの。 以下、付箋個所をトレースしてみます。 P140 「憎しみ」の根底には「愛」があるという気づき。憎しみという負の感情に飲み込まれないための、心の錨として落としておきたい考えです。 P165 「発展的スコラ哲学」トマスが古代ギリシア哲学とキリスト教の神学を統合して洞察を深めていったように、トマスの哲学と現代の知的発展を統合してさらに発展的な知的探求を行おうという試み。トマス的な取り組みを現代でも継承していこうというこの意気込みは、「神学大全」をただのキリスト教の教義だと決めつけていては到達できない観点ですね。 P187 不倫や賄賂などのいわゆる悪に属する行いも、「性的快楽」や「拝金主義」といったある場面においては追求されることもある善を歪んだ形で発揮してしまっている所以であり、「悪」を愛しているわけではない。このように陥ることを防ぐため、「徳」が必要なのである。 P200 善に対する「実在的な一致」と「心における一致」では後者がより重要性を増している。心に喜びを伴わない場合では、実際に喜びを与えてくれる対象を手に入れていても真に愛することはできない。深いお言葉。 P220 「もう一人の自己」「相互内在」 人間が有する特徴である。自分ではない他者に対して、自分の喜ばしいことのように感じ入れる。これは、神の似姿としての人間のみに与えられた善の分与・共有の精神に近しいのではないでしょうか。 P289 神学的な観点から考察する感情論との親和性 「傷つきやすさ」をもつ不完全な人間だからこそ、受動的に善に出会うことができ、相互に感じ入れることができる。愛すべき、ビバ人間。 人テーマに絞り込み、あまり神学との絡みをあえて省いた本質的な論を展開してくれているので、自分の人生の糧となるでしょう。良本でございます。しぇいしぇい。
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トマス・アクィナス「神学大全」について哲学者と学生の対話で読み解くもの。 行動の源である愛が根底にあり、その上に喜びや希望、絶望、恐れ、悲しみなどがある。さらに善と悪。 難解なものをわかりやすく解説しているようだが、正直なところ最後まで読み切っても理解度は半分くらいかも。愛、善、...
トマス・アクィナス「神学大全」について哲学者と学生の対話で読み解くもの。 行動の源である愛が根底にあり、その上に喜びや希望、絶望、恐れ、悲しみなどがある。さらに善と悪。 難解なものをわかりやすく解説しているようだが、正直なところ最後まで読み切っても理解度は半分くらいかも。愛、善、喜び、徳が頻繁に出てきて若干混乱気味。。 いつか、ほんの少しの変化に繋がるのだろうか。 240冊目読了。
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この本を読み終えると、ホントに「世界は善に満ちている」と思える。 最初はなんか偽善的?なタイトルだなぁと思った。それに「トマス・アクィナス哲学講義」というサブタイトルが付いている。ものすごく難しそうで到底読みきれないと不安に思いながら手に取る。 ページを開くと対話形式になっている...
この本を読み終えると、ホントに「世界は善に満ちている」と思える。 最初はなんか偽善的?なタイトルだなぁと思った。それに「トマス・アクィナス哲学講義」というサブタイトルが付いている。ものすごく難しそうで到底読みきれないと不安に思いながら手に取る。 ページを開くと対話形式になっている。学生と哲学者。少し読むと、とても読みやすいことに気づく。時々引用されている原典の文は、全く歯が立たない、チンプンカンプンなのだが、本書にも書かれている通り、対話になった部分を読んでいくと、なんと、最初全く意味が取れなかったものが、あーそういうことか、と一応わかるようになるのがすごい。 内容は、今の私のために書かれているのではないかというくらいビジビシ納得し慰められ、もうメモをとりまくった。長すぎてアップできない。 今の私とは、全く「世界は善に満ちている」と思えず、「世界は善に満ちていない」、なんなら「世界は悪に満ちている」と思っている状況。 そういう人たちのための薬になる本だと思う。 世界は善に満ちている!
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中世ヨーロッパの哲学者トマス・アクィナスが記した『神学大全』のうち「感情論」にフォーカスして、教授と生徒の対話形式で人間の感情に関する洞察をなぞる本。 つい先日、自分も「感性」について考察したいたこともあり、それはもうノリノリで読めた。 トマスの感情論は感覚的な説得に依らず、論...
中世ヨーロッパの哲学者トマス・アクィナスが記した『神学大全』のうち「感情論」にフォーカスして、教授と生徒の対話形式で人間の感情に関する洞察をなぞる本。 つい先日、自分も「感性」について考察したいたこともあり、それはもうノリノリで読めた。 トマスの感情論は感覚的な説得に依らず、論理的に心の動きを分析することに特徴を持つ。 導入で「希望」という感情の要件を ①善であること ②未来を対象とすること ③獲得困難なものであること ④獲得可能なものであること とし、もし④が不可能であるならばそれは「絶望」の要件となると示す。「希望」と「絶望」、対極に位置する感情が紙一重の要件境界をまたぐことによって鮮やかに塗り変わることを示され、ここでいきなりトマスの思想にぐっと引き込まれてしまう。 まずトマスはあらゆる感情のベースには「愛」が存在するとし、愛の定義と愛によって躍動する心について説いていく。 「愛」はなにものかの存在により心に働きかけを受け、励起させられることにより生じる受動的な感情であるとし、そのものを手に入れようと「欲望」が生まれ、それを手にした時に「喜びが」生じると考える。 このような手法で、負の感情である「憎しみ」「忌避」「悲しみ」などについても整理していく。 うおぉ…と思わされたのは、「憎しみ」は単体で生じることなく自身が「愛」を持った存在を害された時に生じる感情であり、「憎しみ」の根底には必ず「愛」が在るという話。 確かに例外は全く思いつかず、今後自分が「憎しみ」を覚えた際に自分は何に「愛」を持っているのかを問うことが出来るだろう。 あらゆる存在は人を欲求させ得る可能性を有し、人はそれらの内で「気に入ったもの」を浴びて生きている。この視点は自分が「感性」や「素直さ」を重要視している感覚と一致する。、つまらない世界だと感じても、世界はそのような「善」を持つもので満ちているという感覚は豊かに生きる上で重要だろう。 このような感情論に対しキリスト教からの視点を混じえた解説も面白かった。 感情は受動的活動であるが、神は完全な存在であるため影響を受け変化することは無い、故に神は感情を持たないと考える。など、宗教に関しても一貫した説明を与えることに成功し、その強固なロジックに対して感銘を受けた。 自分の思想と突き合わせながら読み、本を閉じた時には「自分、トマス・アクィナスと会話できてるな…」と思え、それがとてもよかった。 対話形式で具体例を用いて解説が進むので、前提知識がない人でも哲学の面白さを十二分に浴びれる本なんじゃないか。オススメすぎる本、是非読んでみてください。
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