ウサギ の商品レビュー
イグアナぽい原住民がいる大陸をウサギたち(明らかに西洋人を表しているよなあ)がじわじわと侵略していって、戦争もし自然を破壊していく。ショーン・タンの絵がシュール。なんだろうね、この迫力は?!人間のえげつなさがぐいぐい迫ってくる。絵の力だよなあ。
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ジワジワと文明の「力」をもった「ウサギ」がやってきて山を砂漠を川を変え、やがて大地を覆い尽くす。もはや長い足の鳥たちが群れ遊ぶ湖はない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
友好的な始まりから侵略へ進む過程がシンプルに、明確に描かれている。原住民族が追いやられていく描写が息苦しい。侵略する側になったとしても、それを決定する立場にいない者は、不本意ながら巻き込まれ、片棒を担がざるを得なくなる。そうならないようにするには、どうすればいいのだろう。 決定する立場の者よりも従わされる者のほうが多いのだから、従わない決断をする者が増えれば… というのは甘い考えだが、それでも、その決断をするために広まってほしい作品。
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『ロスト•シング』でその圧倒的な画力に魅かれてショーン•タンの絵本を探した。何冊か読んだが気に入ったのはこれ。文はジョン・マーズデン作で、ヨーロッパ人のオーストラリア移入を彷彿とさせる。作品的には『ロスト•シング』より前。考えさせられる問題を内包しているが、注目点はやはりショーン...
『ロスト•シング』でその圧倒的な画力に魅かれてショーン•タンの絵本を探した。何冊か読んだが気に入ったのはこれ。文はジョン・マーズデン作で、ヨーロッパ人のオーストラリア移入を彷彿とさせる。作品的には『ロスト•シング』より前。考えさせられる問題を内包しているが、注目点はやはりショーン•タンの描く絵が全てを語っている事だろう。侵略者として海の彼方からやって来る"ウサギ"達は、その建物も機械類も極度にデフォルメされている。"恐怖"と"美"が同居する荘厳な叙事詩だ。
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ショーン・タンの描くウサギ星人?があまりにも可愛くなくてびっくりする… いや、異国民っていうか、外来種族?設定?だからからなんだろうけども しかし、他人事ではない絵本だったなあ… 我々こそが、他者にとってのウサギになってしまっているかもしれない…
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自然とともに生きている土地に見知らぬ人々がやってきて、自然を破壊し、先住民の命を奪う。 ジョン・マーズデンもショーン・タンもオーストラリアの人だから、直接的にはオーストラリアの歴史を先住民(フクロアリクイ)の立場から見た物語と言える。 また、ヨーロッパ人がアジア、アフリカ、アメリ...
自然とともに生きている土地に見知らぬ人々がやってきて、自然を破壊し、先住民の命を奪う。 ジョン・マーズデンもショーン・タンもオーストラリアの人だから、直接的にはオーストラリアの歴史を先住民(フクロアリクイ)の立場から見た物語と言える。 また、ヨーロッパ人がアジア、アフリカ、アメリカ、世界各地で行った植民地支配を描いたとも言える。 白いウサギの姿をした白人たちが圧倒的な武力で自然や先住民を蹂躙していく様子は戦慄もので、絵本とはいえ大人向きであると思う。 しかし作者のマーズデンが書いているように、これは人種や政治や環境破壊の問題だけを描いているのではなく「人間らしい心の危機」や「コミュニケーションの欠如がもたらす悲劇」について描いているのだ。 ウサギがフクロアリクイときちんと対話し、お互いの文化を認め合えていたら? 圧倒的な武力、資金力、科学力があれば、他の生き物の(人間に限らず)住む土地を恣にしていいのか? これは戦争の本でもあるな、と思った。
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原文の方をよんだ 気づきを挙げればキリがない 争いは憎しみと悲しみ以外何も生まず残されるのは絶望なのだと思った
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白いウサギと黒いウサギ。 白いウサギが悪者なのかと言えばそれも違う気がします。 年寄りたちが言ったように、彼らは自分の国のことしか知らないのでしょう。 自分の国の歴史において、それが正義だったのでしょう。 そうしないと自分たちを守れない。 だからと言って、彼らが正しいものかと言え...
白いウサギと黒いウサギ。 白いウサギが悪者なのかと言えばそれも違う気がします。 年寄りたちが言ったように、彼らは自分の国のことしか知らないのでしょう。 自分の国の歴史において、それが正義だったのでしょう。 そうしないと自分たちを守れない。 だからと言って、彼らが正しいものかと言えば違うことはこの本を読めば明らかで。 彼らの論理では、そのうち虎やライオンが来てしまえば絶望しかない。 未来はどこにあるのでしょうね。
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祖父の、祖父の、そのまた祖父の時代にウサギたちはやってきた。 ・・ かれらは海からやってきた ・・ ウサギたちは、わたしたちのように森には住まなかった。 かれらは見たことのない食べ物をもちこみ、よその動物をもちこんだ ウサギは国じゅうに広がっていった ・・ さらにたくさんのウサギ...
祖父の、祖父の、そのまた祖父の時代にウサギたちはやってきた。 ・・ かれらは海からやってきた ・・ ウサギたちは、わたしたちのように森には住まなかった。 かれらは見たことのない食べ物をもちこみ、よその動物をもちこんだ ウサギは国じゅうに広がっていった ・・ さらにたくさんのウサギがやってきた。 ときには、かれらとのあいだで戦いが起こった。 だがウサギはあまりに数が多かった。 わたしたちは戦いにやぶれた。 かれらはわたしたちの草を食いつくした ・・・ そしてわたしたちの子どもをさらった。 ・・ あの黒々とした豊かな土地はどこへいった? ・・ だれが、わたしたちをウサギから救ってくれるのだろうか? ジョン・マーズデン 文 1950メルボルン生 ショーン・タン 絵 1974西オーストラリア・フリーマントル生 オーストラリアにやってきたイギリス人をウサギにたとえ、先住民の追いやられた歴史を表した。こんな短い文で表されていることに感嘆する。とがったウサギと茶色の景色がざらざらして、アボリジニのくやしさと重い怒りを現わしていると感じた。 21.1.30初版 図書館
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