写真集 ブタとともに の商品レビュー
良し悪しは語らず、ただ淡々と養豚場のお父さんと豚の様子を書いている。表紙の写真が素敵すぎてずっと気になっていた。 本文の、 「ブタは人に食べられるために生まれてきよる。 やからこそ、絶対に粗末に扱ったらいかん」 という言葉には様々な感情が含まれている気がする、重みのあるものだ。...
良し悪しは語らず、ただ淡々と養豚場のお父さんと豚の様子を書いている。表紙の写真が素敵すぎてずっと気になっていた。 本文の、 「ブタは人に食べられるために生まれてきよる。 やからこそ、絶対に粗末に扱ったらいかん」 という言葉には様々な感情が含まれている気がする、重みのあるものだ。 娘さんによるあとがきも素晴らしかった。 涙を禁じ得ない。 養豚場をしていた「お父さん」は、上村宏さんで写真の人物。 この写真を撮ったのは、お父さんが当初養豚場を始めた香川県丸亀市の職員、山地としてるさん。お父さんは宅地開発が進んだ丸亀市から豚の苦情を受けて養豚場を引っ越すことになるのだが、そのことを気にかけて市役所を退職後、養豚場に足を運んでいた。 「仕事に、ええ仕事も悪い仕事もない。人が生活していくのにどの仕事も必要で、父ちゃんは養豚場をすると決めたんや」
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※このレビューにはネタバレを含みます
表紙を見たときは、豚たちがどんなにひどい環境で育てられ、 無残に殺されているか、という内容かと思いましたが、 違いました。 人間が、神のように生態系のトップに君臨しているわけではない。 他の動物たちとともに生きていることを、 写真と短文で描いている作品です。 写真からのメッセージ性が高い作品です。 素敵な本です。
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