パンデミック後の世界10の教訓 の商品レビュー
まだ現在進行形のコロナについて、このスピードでポストコロナを総括できる人が世界にはいるんだと感嘆。スゴイ本です。 温暖化に少子化、希望が持てず不安ばかりが大きいけれど、知ることがまず第一歩。少しだけ客観的にポストコロナの世界を俯瞰できるようになったかも。 未来への道標となってくれ...
まだ現在進行形のコロナについて、このスピードでポストコロナを総括できる人が世界にはいるんだと感嘆。スゴイ本です。 温暖化に少子化、希望が持てず不安ばかりが大きいけれど、知ることがまず第一歩。少しだけ客観的にポストコロナの世界を俯瞰できるようになったかも。 未来への道標となってくれる本の中の一冊となったかもしれません。
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新型コロナウイルスの感染爆発がもたらすものとは? かねてより感染症対策の重要性を訴えてきたワシントン・ポスト紙のコラムニストが、“パンデミック後の世界”を見通す書籍。 今日、世界の国々は相互依存を強めている。そして情報革命により、財やサービス、文化など、あらゆることが高速で移動...
新型コロナウイルスの感染爆発がもたらすものとは? かねてより感染症対策の重要性を訴えてきたワシントン・ポスト紙のコラムニストが、“パンデミック後の世界”を見通す書籍。 今日、世界の国々は相互依存を強めている。そして情報革命により、財やサービス、文化など、あらゆることが高速で移動する。世界は開かれていて、急速に動いているため、必然的に不安定である。私たちは、そのリスクを意識し、危機に備え、社会にしなやかな回復力を持たせていく必要がある。 今回の危機にうまく対処した国には、台湾や韓国など小さな政府の国もあれば、ドイツやデンマークなど大きな政府の国もある。政府の大きさは重要ではなく、共通点は「有能で、しっかりと機能する、信頼を得た統治がなされている」こと。つまり、政府の「質」の良さだ。 市場には絶大なパワーがある。だが、市場原理だけではやっていけない。私たちは、世界的な競争と技術革新の波に立ち向かわねばならない。その際、スキルを身につけるための職業訓練プログラム、国民皆保険などのセーフティネットが社会にあれば、人々は才能を開花させることができる。 1918年のスペイン風邪の収束後、人々の働き方や社交の仕方はそれ以前と変わらなかった。働くためには職場にいなければならず、他に選択肢はなかったからだ。 だが、今はデジタル経済が普及し、用事の大半は通勤せずに済ませられる。よって、パンデミック前の生活に完全に戻るとは考えられない。 新型コロナウイルスにより、これまで縮まり続けていたグローバルな不平等、、富裕国と貧困国の間の所得差が再び急拡大しつつある。同様に、企業においても不平等は広がる。ビッグな企業は、よりビッグになる。今日の経済では、規模が企業に競争優位を与えるからだ。
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アメリカの話が中心なんだが、インドの人がこういうのを書くところがすごくアメリカ的だなと思う。なかなかついていくのが大変だった。乖離する世界はおそらくいかんともしがたいのだろうけれど。
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新型コロナによるパンデミックが世界にもたらす影響とその意味合いを、社会的・経済的・政治的・歴史的な見地から紐解くとともに、パンデミック後を展望して世界が今後向かうべき方向性を示した一冊。 今日の世界各国はトリレンマ(どんなシステムであっても開放性・可変性・安定性のうち2つしか備...
新型コロナによるパンデミックが世界にもたらす影響とその意味合いを、社会的・経済的・政治的・歴史的な見地から紐解くとともに、パンデミック後を展望して世界が今後向かうべき方向性を示した一冊。 今日の世界各国はトリレンマ(どんなシステムであっても開放性・可変性・安定性のうち2つしか備えることができない)を抱えており、パンデミックは世界同時多発テロやリーマンショック同様、市場中心主義の限界と、それに過度に依存してきた米国の脆弱性や影響力の低下をより明白にする一方、マスク外交等で存在感を増す中国への警戒心から各国でポピュリズムや内向きの政策が優先され、近年縮小傾向にあった経済格差が再び拡大しつつある状況に著者は警鐘を鳴らしつつ、今こそ我々は歴史に学び、2度の大戦後に確立された「リベラルな国際秩序」の価値を再認識すべきであり、覇権国による一極集中集中ではなく、二極化でも多極化でもない、新たな他国間協調主義に基づくグローバルガバナンスの必要性を説く。 「人々は専門家の声を聞け、専門家は人々の声を聞け」に代表されるように、著者の視点はリベラルを基軸としつつ、ファクトに基づく冷静で客観的・中立的であろうとするものであり、世界経済のトレンドや中国の台頭に対する見解も、現在の混乱する米国においては抑制的に響く。ともすれば理想論として片付けられがちな他国間協調主義や、「大きな政府 or 小さな政府ではなく”善き政府”を」といったメッセージは、社会主義下のインドで貧しい幼少期を過ごした後に移民として米国でジャーナリストとして成功した著者だからこそ、リアリティがある。
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