それでもペンは止まらない(2) の商品レビュー
1巻から二年越しに読んだ2巻。 連載を追っかけて満足していたので、積読タワーの完全なる基礎部分になっていました。 〈第6話・7話「輝子の恋」〉は10年を経て人柄が悪い方へ変わってしまった元彼・蒼井との悲恋はもとより、女性として(というか人として)の楽しさ・幸せと、漫画家としての...
1巻から二年越しに読んだ2巻。 連載を追っかけて満足していたので、積読タワーの完全なる基礎部分になっていました。 〈第6話・7話「輝子の恋」〉は10年を経て人柄が悪い方へ変わってしまった元彼・蒼井との悲恋はもとより、女性として(というか人として)の楽しさ・幸せと、漫画家としての成功・仕事の質との両立のせめぎ合いを描いたエピソード。 確かに輝子は「一つの事に入れ込み過ぎる」(p30)とマツからも忠告された通りに’どっちも上手くやる’ことが出来ない性分により悩む訳だが、編集の新村は原稿のアラを指摘するのは良いとして、突然「漫画へのモチベーション下がっていませんか?」(p39)と言い放つのはなんか違うと思うし、そもそも身近で働いているアシスタント達がフォローをしてくれないし、輝子が一人で責めと罰を背負い込んだ形の終わり方になんかモヤモヤ。 そしてあまりに脈絡の無い展開でギョッとしたのが〈第10話「輝子の里帰り」〉。売れない漫画家がいかに親兄弟に心配をかけているか、というテーマはまあわかる。わかるのだけど、一層心配を掛けていた祖母の死、という重たい展開の割には救いも感動もなく、「私 必ず売れますから!」(p158)という表明で終わる…って、単行本編へのブリッジに使うにしては暗過ぎる話。 もっと前もって祖母の存在を話の端々に出しておくとか、せめて前後編にするとか、祖母への感情移入をさせてくれる準備が欲しかったところ。 第9話のタケちゃんの話とか良い部分はあるんだけど、それ以上に悲壮さと暗さが目についてしまった印象。 もうちょっと肩の力が抜けた、1巻のようなコメディが読みたい。 1刷 2022.12.11
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