バクちゃん(2.) の商品レビュー
一年ぶりにバクちゃんを読んで、また泣いてしまった。 ここに出てくるみんなは優しすぎる。 地球(日本)って住みにくいのかなぁと思う。 その後、みんながどうしているのか知りたいけど、怖くもある。 どうか幸せに生きていてほしい。バクちゃん。
Posted by
やさしい絵柄で、あたたかいタッチで描かれる、ままならないことたち。 地球にやってきたバクちゃんとその周りの人たちのお話。 本当に買ってよかった、読んでよかった、ひとりでも多くの人が読んでくれればと心から思っています。 バクちゃんは人や生き物のの夢を食べることができます。 同じ...
やさしい絵柄で、あたたかいタッチで描かれる、ままならないことたち。 地球にやってきたバクちゃんとその周りの人たちのお話。 本当に買ってよかった、読んでよかった、ひとりでも多くの人が読んでくれればと心から思っています。 バクちゃんは人や生き物のの夢を食べることができます。 同じく地球にやってきた移民の仕事(庭の剪定)を手伝う際に、草の夢を吸うことで草を枯らすことに成功します。でも、故郷で夢はとても大切なもの。自分が地球で役に立つためにできることが、草から夢を奪い枯らせることなのかと涙を流します。 それを見ていた庭の持ち主は迷惑そうに「訳がわからないわ、外国人って」「働かずにすぐに泣いたりして」それを聞いた仕事のオーナーがこう言います。 「私が埋め合わせしますのでご批判は無用 それに 誰かが泣くのは外国人だからじゃない 人間だから泣くんだ」 小さな場面を丁寧に取り上げて、同じ人間だと叫んでいる。 私が日頃見て見ぬ振りをしている場面がそこここにある。 私が気付けもしないような現実が日常が溢れている。 ままならない。 それでも、この漫画が、バクちゃんが、トニーが、ダイフクが、ホルヘがくれたものを心において、この国で生きていく。すぐに全ての問題が解決するなんて簡単なことではもちろんない、それでも知ることがその第一歩だから。 もっともっと増村先生の目で見る世界を読んでいたかったな。
Posted by
p.200〜で涙腺決壊。 こんな感想じゃ生温い、っていうくらいの現実があるのは十分わかっているけれど。 私の知人の姿にあまりにも重なるので、読んでいて本当に胸が痛い。 日本はまだ「移民」を認めていない。「外国人労働者」「技能実習生」という特殊枠に括っている。彼らの人権が蔑ろにさ...
p.200〜で涙腺決壊。 こんな感想じゃ生温い、っていうくらいの現実があるのは十分わかっているけれど。 私の知人の姿にあまりにも重なるので、読んでいて本当に胸が痛い。 日本はまだ「移民」を認めていない。「外国人労働者」「技能実習生」という特殊枠に括っている。彼らの人権が蔑ろにされていることに対する、目眩しとして。既にそれが国際社会からの批判の的になっているけれど、「日本に移民はいない」という詭弁でその批判をのらりくらりとかわし続けている。 ポピュリストは、移民を「自分たちの権利を奪う泥棒」と名指しして、「既得権」の危機だという庶民の意識を煽るけれど、本当の意味で庶民の生存権や普通の暮らしを奪っているのは、当のポピュリストだということは決して明かさないような詐術を使っている。 考えることをやめてはいけない、と心から思う。 でも、いきなり氷水に浸かることは難しいから、こういうソフトな入り口からたくさんの人が関心を持ち始めてくれれば、と願わずにはいられない。
Posted by
東京での移民の生活を戯画的に描いていて、普段なかなか深く関わる機会のない世界について想像するきっかけになる。
Posted by
気になったのは東京にたくさんいるはずの(地球人の)外国人がほぼ出てこないこと。彼らこそ異星人の移民増加によりさらにマイノリティになって不利益を被る可能性があり、またそれを回避するため地球人というマジョリティとして異星人に対し抑圧的になる可能性も高い人たちである。 わざわざ異星人を...
気になったのは東京にたくさんいるはずの(地球人の)外国人がほぼ出てこないこと。彼らこそ異星人の移民増加によりさらにマイノリティになって不利益を被る可能性があり、またそれを回避するため地球人というマジョリティとして異星人に対し抑圧的になる可能性も高い人たちである。 わざわざ異星人を持ち出して移民問題をテーマに描こうというのにこれを描かずして何を描こうというのだろうか。異星人や外国人の移民を抑圧する側の者とは描きたくないので無いことにしているとしか思えない。それともイデオロギー眼鏡をかけるとほんとうに見えなくなってしまうのだろうか。 傑作になる可能性を孕んだ設定でありながら結果的にはポリコレ人情噺になってしまった(それすら成功しているとは言い難いが…)駄作。
Posted by
移民を宇宙人まで拡大解釈した「すこし不思議、すこしリアル」なお話。2巻で終わりなのは残念。 都市雄のエピソードにはアリス的な演出が。たぶん都市雄は一般的な都市生活者が写し取られていて、街にいる外国人を認識はしているものの、彼ら自身の背景などにはほとんどの人が興味を持っていない、と...
移民を宇宙人まで拡大解釈した「すこし不思議、すこしリアル」なお話。2巻で終わりなのは残念。 都市雄のエピソードにはアリス的な演出が。たぶん都市雄は一般的な都市生活者が写し取られていて、街にいる外国人を認識はしているものの、彼ら自身の背景などにはほとんどの人が興味を持っていない、ということを都市雄を通して感じた。 ホルヘのエピソード、シロサイ夫婦のエピソードは無念さでちょっと泣いてしまった。外国人の就労契約、言葉がわからないことによるハンデや疎外感(あれはそもそも連絡の不備?)について想いを廻らした。 ダオさんもジャスミン先生のお母さんなど、他のエピソードも好き。
Posted by
えー。 嘘ついちゃだめだよー。完璧じゃないよー。 えー。これこの後どうなるの??ばれるよー。 と、ドキドキしてたけど、その後は書かれず…打ち切りだからか。うわーん。
Posted by
初出:月刊コミックビーム 2020年4月〜2021年1月 バク星からおじさんをたよって単身東京に舞い降りたバクちゃんの1年間の体験、2巻で完結。「泣ける」なんて感想でおすすめするのは本意じゃないけれど、可能の「泣ける」じゃなくて自発の「泣ける」で、ホルヘやリノのエピソード、そうい...
初出:月刊コミックビーム 2020年4月〜2021年1月 バク星からおじさんをたよって単身東京に舞い降りたバクちゃんの1年間の体験、2巻で完結。「泣ける」なんて感想でおすすめするのは本意じゃないけれど、可能の「泣ける」じゃなくて自発の「泣ける」で、ホルヘやリノのエピソード、そういうのを目の当たりにした多感なバクちゃんをみているだけでせつなくなる。1年経ってもなにも解決しない、バクちゃんはもとより周りの日本人・移民たちみんなのこの先もよくわからないけれど、自分はここにいていいんだ、とみんなが安心して暮らせて、自分の幸せをみつけられるような世の中がきますように。 多文化共生の問題についてよくまとまっているなと感心しながら奥付を見たら、参考文献として望月優大『ふたつの日本』や温又柔『「国語」から旅立って』、webサイト「ニッポン複雑紀行」などの名が上がっていて、こんなに情報量の多い(芋づるがあちこちにつながっている)濃い作品が月刊コミック誌に連載されていたんだなぁ、という感慨は大きい。すぐそばにいるのに声も姿もみえにくい外国人たちの存在に思いを寄せられる人が、この作品をきっかけにして増えていくといいなと心から願う。
Posted by
- 1