北条政子 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
頼朝の妻として、大姫、頼家らの母として そして女としての政子。悪女との誉れ高き政子の生涯を永井路子先生の本で読んでみて益々2022年の大河ドラマが楽しみになった。 時代は平安末期の伊豆、あの政子にも女の子らしい悩みもときめきもあった。そして妻になり嫉妬に燃え、母としての様々な怒濤のような悩み、出来事。歴史上の女性であったとしても間違いなくひとりの人間、ひとりの女で、辛さも悩みも涙も私たちと何ら変わらない。辛い生涯を描くこの小説のそのまた後にも尼となり生き抜く逞しい女性に『悪女』というレッテルはまさしく似合ってしまうのか…。 永井路子先生の小説で私は日本史が好きになりました。
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日本3代悪女と言われた北条政子だが、本当は自分に素直で情が深い人だったんだと思いました。その情から生涯悲劇を招いたようですね。ふと思ったのが、夫の源頼朝が長生きしたら悲劇が繰り返され無かったのかも。また、頼朝の浮気癖がかわいい。
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学生の頃から存在は知っていたんですが、「女性が書く戦国物(鎌倉ですが)は女性寄りの恋愛絡みのものになるから読みたくない」という偏見のもと、読まないままでした。炎環を先に読んでたら、絶対に読んでた、とは思う。 とはいえ、偏見はそんなに外れてなかったかな、と。 今、自分が歳をとったか...
学生の頃から存在は知っていたんですが、「女性が書く戦国物(鎌倉ですが)は女性寄りの恋愛絡みのものになるから読みたくない」という偏見のもと、読まないままでした。炎環を先に読んでたら、絶対に読んでた、とは思う。 とはいえ、偏見はそんなに外れてなかったかな、と。 今、自分が歳をとったから、夫との関係、子供との関係も共感しながら読めるけど、学生の時に読んでたら、理解出来なかったと思う。 女の立場から見た、家族の安全のみのことしか考えてない主婦的なものではなく、自身をとりまく政治関係までちゃんと理解した御台様としての視点も描かれていたの良かった。 「女性的な見方」というのは、今までの社会の「妻はこうあるべき」という偏見から生まれたものであって、悪女というのもその視点から生まれた物なんだろうな、と反省もしました。政治に口を出して社会を惑わす悪女、というのは男の世界に口を出すな、の現れだけど、それが社会を維持するための口出しなら、それは男も女も関係ない。ただ、男がプライドのために「口出しするな」と言っているに過ぎない。 政子が深層の姫君ではなく、黎明期から共にしたからこそ、家々の立場を理解して立ち回ってるの、凄いと思う。女性であることも捨てず、社会の役割を果たす。戦後書かれた小説なのに、今の女性進出の世相をよく現しているように思う。 そしてどこの鎌倉を読んでも、「三郎兄さん…好き…♡」てなるので、ほんとに良い人は早く死んでしまうのね…とつくづく思う。 来年の大河、楽しみです!
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歴史上に名を残した女性の中でも特に有名であろう、尼将軍、北条政子。 将来の見えない流人の頼朝と恋に落ち、結婚したところから彼女の運命は大きな歴史の流れに飲み込まれていく。 感情のままに行動してしまう自分を持て余しながらも、夫や子ども、孫を愛し支えようともがく。子どもたちへ愛情が伝...
歴史上に名を残した女性の中でも特に有名であろう、尼将軍、北条政子。 将来の見えない流人の頼朝と恋に落ち、結婚したところから彼女の運命は大きな歴史の流れに飲み込まれていく。 感情のままに行動してしまう自分を持て余しながらも、夫や子ども、孫を愛し支えようともがく。子どもたちへ愛情が伝わらないもどかしさや信頼関係が築けないことへの絶望感、孫からの裏切り‥。 のちに御家人たちを力強く鼓舞した政子とはかけ離れた、生身の女性の悲哀が印象的。
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【2022大河ドラマで話題の北条一族の中心にいた政子の生涯 】伊豆の豪族北条時政の娘は流人源頼朝に恋をする。源平の合戦、鎌倉幕府成立、歴史の激流にもまれ乱世を生き抜く女を描いた歴史長編。
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