野の古典 の商品レビュー
『古事記』から『南総里見八犬伝』『武士道』まで、教科書に載るような古典ではない「野の古典」を紹介した本。著者は能楽師でもあり、本書のなかのいくつかの作品と「鎮魂の芸能」である能との関係を解説したり、原文に節をつけて音読することを勧めたりしているのが独特。 扱う作品は神話、物語、...
『古事記』から『南総里見八犬伝』『武士道』まで、教科書に載るような古典ではない「野の古典」を紹介した本。著者は能楽師でもあり、本書のなかのいくつかの作品と「鎮魂の芸能」である能との関係を解説したり、原文に節をつけて音読することを勧めたりしているのが独特。 扱う作品は神話、物語、随筆、歌集、伝書、思想書と多岐にわたるが、やはり『古事記』や『浦島太郎』、『好色一代男』、『東海道中膝栗毛』のエログロに対する大胆さが印象にのこる。
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日本の古典 古事記、万葉集、御伽草子、風土記、論語、中庸、伊勢物語、源氏物語、古今和歌集、新古今和歌集、平家物語、風姿花伝、北条記、徒然草、好色一代男、奥の細道、東海道中膝栗毛、南総里見八犬伝、武士道、 の面白さを紹介している。 能楽師の著者のおすすめは声に出して身体的に読むこと...
日本の古典 古事記、万葉集、御伽草子、風土記、論語、中庸、伊勢物語、源氏物語、古今和歌集、新古今和歌集、平家物語、風姿花伝、北条記、徒然草、好色一代男、奥の細道、東海道中膝栗毛、南総里見八犬伝、武士道、 の面白さを紹介している。 能楽師の著者のおすすめは声に出して身体的に読むことだという。 古典は堅苦しく難しいイメージとは違った視点で、学校ではさわりしか学んでないことや、思っていた内容とは違ったりして、深く読んでみたくなった。 そういう人のためにおすすめの本も各古典ごとに数冊紹介されており、筆者の読書量の多さを示している。
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著者は能楽師であり、古典の普及にも力を 入れているそうです。 自国の古典を、訳文はもちろんのこと、原 文さえもこれだけ多くの作品に触れること ができる日本は、世界でも非常に稀有な存 在と言えます。 ヨーロッパに国でも、なかなかここまでは ないそうです。 そして古典には、今の...
著者は能楽師であり、古典の普及にも力を 入れているそうです。 自国の古典を、訳文はもちろんのこと、原 文さえもこれだけ多くの作品に触れること ができる日本は、世界でも非常に稀有な存 在と言えます。 ヨーロッパに国でも、なかなかここまでは ないそうです。 そして古典には、今の日本人が前を向いて 生きるヒントがたくさん隠されています。 「学校で習ったけれど、全く分からなかっ た」という人は多いはずです。それもその はず、多くの作品には男女の機微などが赤 裸々に表現されています。 思春期の高校生などにとっては授業に身が 入らなくなるような内容なのです。そのた め、退屈な場面しか教科書に載せられてい ないそうなのです。 大人になりある程度の人生経験も積み、そ れでも日々の悩みが尽きない人こそ、古典 を読むべきです。そんな一冊です。
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古典って身近なものだと改めて思わせてくれる内容だった もっと味わいたいなあと改めて思った 能楽師である作者の幅広い知識と愛が詰まっている ただ途中で眠くなってしまった 何度も 「能」を見た時も寝てしまったしね 眠りの要素が入っているとか まっ、いっか ≪ 連綿と 祈りと鎮魂 能に込め ≫
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宗教や文化の源泉に触れたくて読了。古事記、日本書紀、和歌、能や狂言、俳諧、江戸時代の戯作まで、幅広く取り扱って安田さんらしい軽妙な切り口で解説してくれる。流石に何百年と読み継がれているからには、人間の本質みたいなものが含まれていて、特に困難な時、不安定な時の指針みたいなものを指し...
宗教や文化の源泉に触れたくて読了。古事記、日本書紀、和歌、能や狂言、俳諧、江戸時代の戯作まで、幅広く取り扱って安田さんらしい軽妙な切り口で解説してくれる。流石に何百年と読み継がれているからには、人間の本質みたいなものが含まれていて、特に困難な時、不安定な時の指針みたいなものを指し示してくれるんだろうと思う。古典のエッセンスである「鎮魂と慰霊」「温故と知新」などの意味がわかるし、様々な「語源」も知ることができ、ますます古典に興味を持つようになった。
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古文・漢文の授業は嫌いではなかった。文法は面白くはなかったが、1000年、2000年も前の人の気持ちや考えが分かるのが、普通にエキサイティングだった。しかし安田先生は、いやいや学校の授業だけで満足したらもったいないとおっしゃる。古典にはさらにその先があるのだと。あの安田先生が言う...
古文・漢文の授業は嫌いではなかった。文法は面白くはなかったが、1000年、2000年も前の人の気持ちや考えが分かるのが、普通にエキサイティングだった。しかし安田先生は、いやいや学校の授業だけで満足したらもったいないとおっしゃる。古典にはさらにその先があるのだと。あの安田先生が言うのだから間違いはない。 ただ、あの安田先生だからこそ、通りいっぺんの解説に終わるわけがなく、帯で俵万智さんが言うように、本書はたっぷりとユーモアとエロスのダシが効いている。古事記、浦島太郎、好色一代男、東海道中膝栗毛……分かる人なら分かりますわな。このラインナップ。 もちろんがっつり本格的な解説もあり、参考書まで挙げられて、要所はきちんと押さえられている。これはまたぱらぱらと読み返したくなりそうだ。ゆるーい一風変わった古典案内。就寝前のお供に最適でした。
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連載中に何編か読んで、その時には古典苦手な私には結構難しいと思ったのだが、今回本になったのを読めば、「あれ?スラスラ読めて面白くてやめられない」という感じだった。 声に出して読むのが良かった。出来るだけ1人になって読んだ。声に出すと、黙読するより意味も取りやすくなり、古典得意にな...
連載中に何編か読んで、その時には古典苦手な私には結構難しいと思ったのだが、今回本になったのを読めば、「あれ?スラスラ読めて面白くてやめられない」という感じだった。 声に出して読むのが良かった。出来るだけ1人になって読んだ。声に出すと、黙読するより意味も取りやすくなり、古典得意になったかと錯覚した。 読書案内も親切で、すぐにでも買って次々原典を読みたくなる。全部読まなくてもページを開いたところから読めば良いというアドバイスも私にはありがたかったし、敷居も下がる。 コロナ禍のお篭りも老後も安泰だ。
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書かれている方が能楽師なので、能に触れる箇所がいくつかあって、全く能の知識がないと共感するのは難しいところがあった。 それでも、古典と言われる書物への見方(学校で学んできたもの)を大きく変えるには、充分魅力的な本。
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<目次> 第1講 神話の大便、扇と夏の恋 第2講 お正月と罪と生贄 第3講 歌の世界へ 第4講 アダルト小説的 第5講 『論語』はすごい 第6講 誠を極める 第7講 ゲス不倫どころではない 第8講 源氏物語ごっこ 第9講 魂を鎮める 第10講 祝詞としての和歌 第11講 音の文学 第12講 闇の文学 第13講 眠りの芸術 第14講 初心忘るべからず 第15講 随筆なう 第16講 優雅な貧乏生活 第17講 カネとオンナ 第18講 野の賢者 第19講 ゆっくり歩く 第20講 きわどいベストセラー 第21講 怪談、怨霊、鎮魂 第22講 漢文と日本人 第23講 声に出して読みたくなる 第24講 私たちは何者か <内容> 能役者の安田さんの本。元高校教師だし、能役者も2世とかではないし、その経歴からも分かる通り、なかなか斬新な日本古典(一部中国古典も)の紹介本。視点もちょっと違うし、国文学の人の書いたものとは味わいが違って面白い。各講の最後にブックガイドが載っているのもgood。それにしても角川ソフィア文庫は充実しているなあ…。
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古典と言われる数々の物語を楽しく紹介された本。取り上げられている本を今度は読んでみたい。巻末の主要参考文献を見ながら「医心方」「古事記」「平家物語」などを読んでみたい。
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