スティーヴ・ハケット自伝 ジェネシス・イン・マイ・ベッド の商品レビュー
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大好きなジェネシスに関する本があまりない中で特に好きな第2期~第3期のリードギタリストだったハケットの発言は貴重。 オリジナルメンバーのパブリックスクール出身者(特にマイク、トニー?)との協調と対立が脱退と再加入を阻んでいるらしいことが推察される。 脱退後旺盛だったソロ製作からスランプに陥り、精神的にも低迷したことがわかる。 そこから現在の奥さんと出会い、多様な彼の音楽的ルーツを採掘することで復活していき特にハケット在籍期の1970年代ジェネシスに回帰することで再び世界的なツアーをする現在に至るプロセスがファンとして感動的。 文章の表現は独特で彼の精神的なナイーブさが伝わる。
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著者は1950年ロンドン生まれだから、戦後間もなくのロンドンの街の重苦しい様子が活写されていて庶民の歴史としてとても興味深く読めた。肝心の音楽活動のほうだが、浮き沈みが激しく、業界を生き抜くのはとても大変そうに描かれていた。生死を分けるような大事故につながるニアミスを何度も経験しているのは意外だった。 その中にはギタリストには致命的な手のケガも含まれている。 肝心のジェネシスをやめた理由はソロアルバム制作に反対されたからとシンプルな理由が書かれていたが、それ以外にも「委員会」と名付けられたメンバー間の存在やら色々あったように推測されるけど存命のメンバーへの気遣いからか歯に衣着せている感じの物言い。 前妻キムとは仕事面でもソロアルバムのジャケットを描いてもらったりと公私を共にしたパートナーだった割には出会いから別れがかなり端折られてあっさり描かれてる。現在の妻に配慮してのことだろう。その割にはグルーピーの話が出てくるが。(笑) 音楽への飽くなき挑戦ぶりは素晴らしく頭が下がる。 ジェネシス前ギタリストのアンソニー・フィリップスと仲が良いのは意外に思った。 その人の伝記というのは関係者がほぼ亡くなるなどある程度時間が経たないと本当の真実は語れないのだということをつくづく知らされた一書。 満足度★★★+0.8 【内容情報】(「BOOK」データベースより) ブライアン・メイ、エディ・ヴァン・ヘイレンも多大なる影響を受けたと公言する孤高のギター・マエストロ、スティーヴ・ハケットが書き下ろした初の自叙伝。 【目次】(「BOOK」データベースより) 第1章 誰もが「時間」の「玩具」/第2章 ダークタウン巡りの旅へ/第3章 夢の海/第4章 宇宙へ飛び込む/第5章 移りゆくサーカスの中で/第6章 プレジャー・アイランドは超満員/第7章 うなるトンネルを抜け、機関車は唄う/第8章 潮流に翻弄され続けるガリオン船/第9章 目の前に広がる道に新たな日が昇る 【著者情報】(「BOOK」データベースより) ハケット,スティーヴ(Hackett,Steve) 1950年2月12日、イングランド・ロンドン生まれ。ギタリスト、シンガー・ソングライター。ジェネシスのリード・ギタリストで、ピーター・ガブリエル、フィル・コリンズ、トニー・バンクス、マイク・ラザフォードらクラシック・ラインナップの一員として、ジョン・レノンのお気に入りだった『月影の騎士』などの高い評価を得たアルバムを生み出した 上西園誠(カミニシゾノマコト) 長崎市生まれ。楽器メーカー、レコード会社、音楽プロダクションを経て自転車による世界旅行へ出発。帰国後、主夫&翻訳業へ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)
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