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ラジオの技術・産業の百年史 の商品レビュー

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2021/03/21

書名の「百年史」が読め、と訴えかけてきた本でした。しかも、「ラジオ」。今、うちにラジオってあったかな?スマホでradikoで好きなパーソナリティの番組をタイムシフトで聞いたことはあったけど…そんなラジオは2020年がアメリカで世界最初のラジオ放送が始まって100年になり、2025...

書名の「百年史」が読め、と訴えかけてきた本でした。しかも、「ラジオ」。今、うちにラジオってあったかな?スマホでradikoで好きなパーソナリティの番組をタイムシフトで聞いたことはあったけど…そんなラジオは2020年がアメリカで世界最初のラジオ放送が始まって100年になり、2025年に日本での放送が100周年という20世紀を作ってきたメディアであり、技術であり、製品であり、産業であることを早送りで回顧するディープな記録です。いま、国会では総務省と放送業者の関係が取り上げられていますが、そもそも日本放送協会と逓信省の微妙な関係は100年前から続いていることに感慨を覚えます。ネット博物館「日本ラジオ博物館」の主催者の本だけに、技術と製品中心で写真も多数掲載されているマニアックが炸裂しています(巻末資料の型式証明一覧、旧規格及び新規格放送協会認定受信機一覧、通信省型式試験合格受信機一覧、1953年の日本製ラジオ一覧…)が、モノの流れの向こうに見えてくる時代の流れ、社会の流れが興味深いです。ラジオという特定領域にテーマを絞ったことで逆に大きな物語を感じました。いまや枯れた産業のように見えていますが、放送ということではテレビの先駆けであり、電子技術ということではコンピュータの先駆けであり、メディアということではインターネットの先駆けであり、今の世界にとって、始めにラジオありき、ということがよくわかりました。いい本でした。

Posted byブクログ