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龍宮 文庫新装版 の商品レビュー

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2021/04/20

遅ればせながら読了した。東日本大震災で被災した著者ならではの、慟哭と鎮魂の句集である。魂をえぐられるような句の数々は、被災しなかった人にも、その場に居合わせたようなリアルな衝撃を感じさせる。そして、生と死について、あらためて思いをめぐらせるだろう。「黒々と津波は翼広げけり」「泥の...

遅ればせながら読了した。東日本大震災で被災した著者ならではの、慟哭と鎮魂の句集である。魂をえぐられるような句の数々は、被災しなかった人にも、その場に居合わせたようなリアルな衝撃を感じさせる。そして、生と死について、あらためて思いをめぐらせるだろう。「黒々と津波は翼広げけり」「泥の底繭のごとくに嬰と母」「双子なら同じ死顔桃の花」「御くるみのレースを剝げば泥の花」「在るはずの町眼裏に雪が降る」「朧夜の泥の封ぜし黒ピアノ」「一列に五体投地の土葬かな」「三・一一神はゐないかとても小さい」「唇を噛み切りて咲く椿かな」「ひとりまたひとり加わる卒業歌」「いま母は龍宮城の白芙蓉」「撫子のしら骨となり帰りけり」

Posted byブクログ