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源氏将軍断絶 の商品レビュー

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9件のお客様レビュー

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2022/10/26

実朝と後鳥羽のビジョンおよび実績が示されている。 別史料に照らし合わせて吾妻鏡を裏読みしていくプロセスも面白い

Posted byブクログ

2022/08/10

鎌倉幕府において、創設者で初代将軍の頼朝の血統は、 三代で断絶した。その三代の将軍についてと、権力闘争、 その後の将軍継承をも含め、史料を基に詳細に解き明かす。 はじめに・・・「吾妻鏡」の意図とその他の史料について。 第一章 源氏将軍の誕生 第二章 源氏将軍の継承 第三章 源氏将...

鎌倉幕府において、創設者で初代将軍の頼朝の血統は、 三代で断絶した。その三代の将軍についてと、権力闘争、 その後の将軍継承をも含め、史料を基に詳細に解き明かす。 はじめに・・・「吾妻鏡」の意図とその他の史料について。 第一章 源氏将軍の誕生 第二章 源氏将軍の継承 第三章 源氏将軍の確立 第四章 源氏将軍の試練と成長 第五章 源氏将軍断絶 終章 源氏将軍のその後 関係略年表、主要参考文献有り。 鎌倉幕府の初代将軍の頼朝から実朝までと、その後の将軍継承。 それぞれの政治と権力闘争の流れを史料を基に解明していく。 根本史料である「吾妻鏡」から潤色・曲筆をそぎ落とし、 「愚管抄」や「明月記」、様々な日記や書簡、発給文書等の 著作物や史料を調べて当時の状況を考察し、 他の研究者の説をも検証する様子が分かり易く、 まるで推理小説や戦記を読むような感じで楽しめました。 頼朝の、奥州合戦の状況や戦時から平時への体制の変化、 朝廷との関係、網の目の如くの婚姻関係。 頼家の、治世と宿老たちとの関係。 実朝の、「善政」と幕府首脳部との協調で安定した幕政運営。 親王将軍推戴への、実朝、後鳥羽、北条氏のヴィジョン。 だが、頼朝の急死や頼家の急病、実朝の暗殺の、想定外の 出来事が、政権に混乱や対立を招いた。 特に、対立による乱の有り様は凄まじい。 比企の乱、謀叛の疑いで滅亡した畠山氏、和田合戦の凄惨なこと。 また、実朝暗殺当日の状況を「吾妻鏡」と「愚管抄」で比較し、 事件や黒幕を検証し、考察していくのも、ドキュメンタリーの 如くの分かり易さで、興味深く読めました。

Posted byブクログ

2022/07/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

鎌倉幕府が続いていたのは知っているけれど、実朝が倒れた後の将軍が誰なのかは正直よく知らなった。 ならば何故源氏将軍は三代で断絶してしまったのか。 吾妻鏡をベースに愚管抄やその他の資料から読み解く源氏三代の歴史。頼家と実朝の治世も改めて振り返る。 20歳前後で後継を決める時代、後鳥羽上皇の従妹である御台所との間に子供が恵まれず、幕府は後鳥羽の息子を将軍として迎える打診をする。 実朝と後鳥羽の信頼関係。北条との格の違い。 親王将軍候補はどちらも20歳前後。 至高の血統となれば源氏に戻すことなどありえず、事実上の源氏将軍断絶。それは実朝も承知のことだった、というのが驚きだった。 もし親王を迎えた後に御台所との間に子供を授かったらどうするつもりだったのだろう。 後世の人間が知っている歴史も、当事者たちには未知の未来なのである。

Posted byブクログ

2022/07/19

ドラマ鑑賞の参考に読む。この時代を舞台に書かれたものを読んだのは太宰の『右大臣実朝』だけ。 背景に馴染みがなく、読み続けるのに苦労した。とりあえず実朝のイメージが真逆に提示しているのだけはわかった。実朝は公暁に暗殺されて死ぬことになるのだが、このご時世であの場面をドラマ化できるの...

ドラマ鑑賞の参考に読む。この時代を舞台に書かれたものを読んだのは太宰の『右大臣実朝』だけ。 背景に馴染みがなく、読み続けるのに苦労した。とりあえず実朝のイメージが真逆に提示しているのだけはわかった。実朝は公暁に暗殺されて死ぬことになるのだが、このご時世であの場面をドラマ化できるのか。別の方に興味が湧いてきた。

Posted byブクログ

2022/02/06

この時代の歴史研究は、やはりというべきか残存史料が後世に比べて少ないので、その解釈のやり方、あるいは新史料の有無とその扱い方で、どう描かれるかだいぶ違ってくるのだな…と感じた一冊。坂井先生は割と大胆な方という印象。

Posted byブクログ

2022/01/29

三代に終わった鎌倉幕府の源氏将軍について、頼朝による将軍家の成立とその指向性、頼家による継承と実朝による源氏将軍の確立とその消滅にいたる流れを紐解く内容。吾妻鏡の曲筆の検証を通じて行われる頼家・実朝の再評価が興味深い。

Posted byブクログ

2021/07/10

#英語 だと Extinction of Genji Shogun でしょうか? 著者は #鎌倉殿の13人 時代考証者 「新解釈」でドラマ化されるのでしょうか?とても楽しみにしています!

Posted byブクログ

2021/04/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最初は低調だけれど、実朝くらいから面白くなる。リーダーシップのある実朝像と北条氏世の連携による「チーム鎌倉」と実朝生前から親王将軍構想があったとの指摘は新鮮。

Posted byブクログ

2021/02/10

もし、実朝が暗殺されずに生きていたら、おそらく室町幕府の足利義満のような絶対的権力者になっていたかもしれない。ただ、承久の乱も起きず、朝廷と武家との関係は、だいぶ違ったものになっていただろう。日本史上、その後の歴史に最も影響を与えた暗殺の一つだろう。

Posted byブクログ