半グレ の商品レビュー
暴力団は法律で厳しく取り締まることができる。その影響もあり、暴力団が弱体化した。そこで出現しはじめたたのが、“半グレ”集団だった。 関東で有名な半グレ集団、『怒羅権』の創設メンバーは「犯罪は居心地がいい。金は苦労せずに入るし、何かあっても全て暴力で跳ね返せる。昔はああやってない...
暴力団は法律で厳しく取り締まることができる。その影響もあり、暴力団が弱体化した。そこで出現しはじめたたのが、“半グレ”集団だった。 関東で有名な半グレ集団、『怒羅権』の創設メンバーは「犯罪は居心地がいい。金は苦労せずに入るし、何かあっても全て暴力で跳ね返せる。昔はああやってないと生きられなかったし、あの頃を否定する気もない。でも、今はカネがなくても、生活の居心地はいいですよ。充実感がある。たぶん、結婚して、失いたくないものができたからかな」(p83) いかにも今まで犯してきた犯罪を正当化するような発言には驚いた。 ただ、本書に詳しく書かれているが、『怒羅権』が結成された過程には、日本人の在日外国人に対する偏見などによる日本社会への対抗心が要因になったことは間違いがなく、これからそういった偏見は無くしていくことが必要であると感じた。 “半グレ”に対して、かつて大阪で警察署長を務めていた人の指摘で「需要があるところに供給がある。違法な風俗のサービスを求めたり、トラブルの解決に半グレの暴力を頼ったりする人がいなくならない限り、半グレもまたなくならない」(p131) その違法なサービスを提供しているのを取り締まるのが警察の役割でしょ と思ってしまった。 あとがきにあるように、“半グレ”集団に属していた人のインタビューの発言を読む限りでは、「捕まらなければ何やってもいい」「詐欺をすることは、タンス預金の再分配しているだけだから、社会貢献だ」のように、自己保身の正当化の文句を並べているようであった。 今後、半グレ集団が生まれないような刑事政策が必要であると感じた。
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NHKスペシャル「半グレ 反社会勢力の実像」(2019年放送)を見ていたこともあり読んでみた。 放送できなかった部分も含めその後なども本書には描かれていてとても興味深かった。 私が興味を持ったきっかけは… 京都の大学生がナンパした女子大生を風俗に堕とすシステムを確立して大金を...
NHKスペシャル「半グレ 反社会勢力の実像」(2019年放送)を見ていたこともあり読んでみた。 放送できなかった部分も含めその後なども本書には描かれていてとても興味深かった。 私が興味を持ったきっかけは… 京都の大学生がナンパした女子大生を風俗に堕とすシステムを確立して大金を得ていたというニュースから。 マニュアル本通りにすればほぼほぼ女子大生は堕ちるという。ターゲットは「恋をしたことのないような田舎から出てきたばかりの女の子」だそう。 自分たちの経営するバーでの口説き文句&洗脳は「俺を支えて欲しい」「俺の夢を応援して欲しい」みたいなことを言うらしいけど…それって「俺の夢なんか知らんがな!自分の夢ぐらい自分でなんとかしろ!」と言いたい。 (いや~でも、大学生の時の私ならイチコロでひっかかってかもしれん…。) 番組を見ていた時からムカムカしていたのだけど この本を読んでさらにムカムカが止まらん。 というのも、この大学生たちに全く罪悪感がなく、「いや~いいお金の勉強を先にできてよかった」「大した罪じゃないよね~」(職業安定法でしか裁けなかった)みたいなことを言ってるのよね。 いやいや…君たち… その女の子の身体から搾取したお金だよ&その子の人生をめちゃくちゃにしておいてその言葉はないでしょ~よ。自分の娘がそんな感じに騙されたらどう思うのよ? でもって、この事件に関わった男子大学生たちは有名企業に就職してるんだよね。 もうね、ホントにね、この事件に関わった男子大学生は絶対にいい人生を送れないでくれ~と思う。 あとはミナミのカリスマ的人気の半グレTとKの話や 中国人チームの「怒羅権」、歌舞伎役者との乱闘で有名になった「関東連合」の話、犯罪に手を染める沖縄の若者の話、さらに半グレがいかに誕生して、一大勢力になってきたかの話など… 今の時代だからこそ生まれてきたという「半グレ」。 恐ろしいのは、誰でも足を踏み入れやすいという境界線のないあいまいさ。 いやはや… NHKさんの取材力のすごさをあらためて感じた一冊。 他の局ではできなかっただろうな…。
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フセイン政権打倒後のISの台頭のような。 番組を観ていたらまた違ったんだろうな。 今一歩踏み込めない現場の緊張感も感じつつ、ルポとしての中途半端な印象も持ちつつ。 半グレというネーミングセンスの圧倒的なダサさは、半グレを看板にしにくくしていて、それがいいのか悪いのかまだわかりま...
フセイン政権打倒後のISの台頭のような。 番組を観ていたらまた違ったんだろうな。 今一歩踏み込めない現場の緊張感も感じつつ、ルポとしての中途半端な印象も持ちつつ。 半グレというネーミングセンスの圧倒的なダサさは、半グレを看板にしにくくしていて、それがいいのか悪いのかまだわかりません。
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NHKスペシャル取材班の本はどれも面白く読んでいる。この本は表だったものを少し書いてある印象。組織の起こりだったり、「枝」がどう言うものなのかもう少し知りたかったかな。そ
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半グレというと、まさにこの本でも触れられている「六本木クラブ襲撃事件」や「市川海老蔵暴行事件」のような暴力的な面の印象が強かったが、ヤクザと同様インテリ化が進んでいるのが興味深い。 優秀なリーダーによる配下の人たちを洗脳する手法は、一時期問題になったブラック企業とも非常に似ており...
半グレというと、まさにこの本でも触れられている「六本木クラブ襲撃事件」や「市川海老蔵暴行事件」のような暴力的な面の印象が強かったが、ヤクザと同様インテリ化が進んでいるのが興味深い。 優秀なリーダーによる配下の人たちを洗脳する手法は、一時期問題になったブラック企業とも非常に似ており、稼げさえすれば良い、騙される方も悪いという反社会性パーソナリティ障害の人たちがのし上がる構図が見て取れる。 また、ちょっとしたバイト感覚で他人を転落させながら逃げ切った配下の彼らも、優秀な営業マンになっていくんだろう。
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