並行宇宙でしか生きられないわたしたちのたのしい暮らし の商品レビュー
もう、めっちゃ分かるエピソードが多かったです。 ひとつめの『運転』のエッセイから心をガシッと掴まれました。 これは、運転が苦手な人には大概共感を得ると思います。 わたしは車の免許は持ってないのですが、原付きバイクの免許は持っていたので、よく分かります。 でも、車の免許を取らない...
もう、めっちゃ分かるエピソードが多かったです。 ひとつめの『運転』のエッセイから心をガシッと掴まれました。 これは、運転が苦手な人には大概共感を得ると思います。 わたしは車の免許は持ってないのですが、原付きバイクの免許は持っていたので、よく分かります。 でも、車の免許を取らない/取れない理由は渡辺さんがエッセイで書かれている事が頭をよぎるから。 歩行者、怖いですよ。 なんだか渡辺さんのエッセイを読んでいると、村田沙耶香さんを思い起こしちゃうんですよね。文体も文章の温度も違うのですが、ズレ方が似ているというか。 とにかく面白い人だな、と思いました。 そしておふたりとも、勝手ながらお友達になりたいタイプです。 タイトルの並行宇宙(パラレル・ユニバース)とは、いわゆるパラレル・ワールドと同じ意味の言葉。 人はそれぞれ皆自分の五感をもってしか世界を認識できないーーーそれはもう皆違う宇宙に生きているといると同じ、のだと渡辺さんは書いています。 なるほど。身近な人も、遠くの人も、宇宙ごと違う、と思えば、少々の事で腹も立たないし、違う宇宙を覗く楽しみも倍増するってもんですね。 たまに共通点を見つけて喜んだり、全然違う宇宙に驚愕したり。 かくも楽しき他者のいる世界。 そして本は、他者の並行宇宙と手軽に出会える素敵なツールのひとつ。 ちなみにタイトルを考えたのはこの本の巻末で対談もしている住野よるさん。渡辺さんを「ライバル」だと公言しているそうで、自作の裏話まで披露しています。 『であすす』でおなじみ内山ユニコさんの美麗イラストがたっぷり挿入されているのも嬉しい。
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独自の感性で書かれたエッセイ。 個性的な着眼点とテンション低めな文体がよかった。 ワッフルの話が特に好き。作者の食べ物系エッセイをもっと読んでみたい。
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もし、著者が自分の家族だったら、すごく心配だったりお小言を言ってみたりするんでしょうね。 友達だったら、面白くて長ーく付き合えそうだと思う。 全体的に、淡々と面白い事を言ってる女の子って感じ。
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仲がいい友達のおもしろい話をずっと聞いてるみたいで、たのしい。我慢しても終始フススッて笑っちゃう。イラストも最高にかわいい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
このエッセイを読んで思ったのは「あ、私は私でいいのか」でした。そして、作者である渡辺先生が面白いのです。自分では普通と思っていた事、不安や苦手なものが他の人からすれば「分からない」ものだったりして、そんな事柄を「私はこうだ。どうですか!」といい放つ。苦手なものに怖いけど突っ込んでいく姿は清々しくて一気に読んでしまいました。左右が咄嗟にわからなかったり、飛びたい一心で大学生の頃浮遊する練習をしていたり、人には分からない自分の中の宇宙。
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