ダリウスは今日も生きづらい の商品レビュー
鬱を抱えて生きる少年、父親も鬱を患っている。 母親の古里イランへ、脳腫瘍の祖父を見舞い、友人ができて、少し微妙に変化していく。 でも、スタートレックとか、若者文化に少し 触れていないと、難解に感じる。
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父を愛しているからこその、小さな悲しみがあちこちに イランの人自ら指導者のターバンで揶揄したりするんだ!の驚き 少数派の宗派 高校生の、年齢相当の語り口調がとてもリアルでグッと引き込まれました。
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2021.3.6市立図書館 イラン出身の母と白人の父をもつ、ペルシア系アメリカ人のダリウス。家でも学校でも疎外感を覚える彼は、母の故郷ヤスドでソフラーブという少年に出会い…(カバー袖より) 趣味はお茶、『スター・トレック』『指輪物語』、ペルシア語はできない。そんな少年が、アメリカ...
2021.3.6市立図書館 イラン出身の母と白人の父をもつ、ペルシア系アメリカ人のダリウス。家でも学校でも疎外感を覚える彼は、母の故郷ヤスドでソフラーブという少年に出会い…(カバー袖より) 趣味はお茶、『スター・トレック』『指輪物語』、ペルシア語はできない。そんな少年が、アメリカの高校でも、家庭でも、母の故郷に(生まれてはじめて)里帰りしても、いつもなにかしら少数派で居心地の悪さや孤立を感じてしまう16歳の気持ちが痛いぐらいつたわってくる。言葉が通じなかったり、言葉は通じていても考え方がすれ違っていたり、このひとは自分をわかってくれるのだろうか、自分をさらけだしても受けいれてもらえるのだろうか、と距離感をはかりかねてもやもやする気持ちは、たとえダリウスのように何重ものコンプレックスや負い目や鬱をもたなくても、多かれ少なかれ普遍的に体験するものだと思う。行きて帰りし主人公が、ちょっとヴァージョンアップしてちょっぴり前向きになってる結びに希望を感じた。 わたしからすると、まずお茶にハマっているあたりに親近感を覚えるし、イランの言葉や文化って意外と日本とにているところもあるのだな、と興味深かったけれど、そんな自分もダリウスと同じ環境に身をおいたらいろいろなギャップの間で苦しむことになりそう…と、日本の中高生が読んでもいろいろ想像する縁になりそうな物語。続編もあるようなので、いつか読めるといいなぁ。 国や言語・文化の間でゆれて悩むという意味で、先月読んだ温又柔『魯肉飯のさえずり』の別バージョンだともいえる。
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筋書きとしてはよくある話かなと思うけれど、ダリウスの語り口(スタートレック、一歩手前とか)が人間らしくて愉快。
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米国人の父とイラン人の母を持つ、米国の高校生ダリウス。生まれも育ちもポートランドでイランに行ったことはないのに、学校ではイランの出自をからかわれ、「自分の国」のことを知った方がいい等々言われる。かといってペルシャ語も出来ず、イランの祖父母とスカイプで話すのはなんだか気まずい。父親...
米国人の父とイラン人の母を持つ、米国の高校生ダリウス。生まれも育ちもポートランドでイランに行ったことはないのに、学校ではイランの出自をからかわれ、「自分の国」のことを知った方がいい等々言われる。かといってペルシャ語も出来ず、イランの祖父母とスカイプで話すのはなんだか気まずい。父親には全てに失望されているように感じ、鬱の症状は薬でコントロールしている… 文体は軽い感じで、そこまで深刻には感じられないのだが、ちょっとした一言に傷つき、過去の「ちょっとした掛け違い」の集積に段々押し潰されそうになっているダリウスの気持ちが痛いほど伝わってきて、鬱とはこんなに苦しいものなのかと感じる。幼い妹を愛し、祖父母のこともよく知りたいと思う心優しいダリウスは、父にもいじめっ子にも激しく言い返すわけでもなく、かろうじて「ええっと」と言った後黙ってしまう。 そんなダリウスが初めて訪れたイランで親友と出会い、実物の祖父母や沢山の親戚に囲まれて過ごすことで、父親とのわだかまりをとき,自分という存在との折り合いを見つけていく。「今まで空っぽだったダーリーウーシュの場所が埋まった」という親友ソフラーブの優しい言葉に癒される。 スタートレックや指輪物語からの引用(と、それに関する小文字の註釈)が少し読みにくく、さらにペルシャ語が大量に出ているので物語に入りにくいと感じたのは最初の数分のみ。途中からはイランの家族や親友ソフラーブの温かさ、実物はよくわからないけど美味しそうなペルシャ料理の数々に魅了され、一つ一つの会話に涙無くして読み進められない。 ところで筆者のコメントに「鬱が人生に与える影響を伝えたかった」とある。全体的に、薬でコントロールされた状態のダリウスの視点で語られるので、そこまで激しい落ち込みはないのだが、病気を知らない人から「なぜ落ち込むの?」と聞かれるたびに答えられない辛さ、同じ鬱病を持つ父親なりの、息子に遺伝させてしまった後悔や自傷行為を恐れる気持ちが伝わってきて、本当に簡単に一言で片付けられないものなんだなあと理解。イランと鬱とアメリカ高校生活と。色々新しい出会いのある素敵な小説だった!
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愛を表現するって、照れくさいけど大事なことだと思った。イランのおいしそうな料理、美しい建築はペルシア語をググって、実際の写真を見ながら読んだ。ペルシア語は今まで1単語も知らなかったけど、この物語のおかげでイランの歴史と文化に興味が湧いた。家族のとらえ方も、日本とはずいぶん違うんだ...
愛を表現するって、照れくさいけど大事なことだと思った。イランのおいしそうな料理、美しい建築はペルシア語をググって、実際の写真を見ながら読んだ。ペルシア語は今まで1単語も知らなかったけど、この物語のおかげでイランの歴史と文化に興味が湧いた。家族のとらえ方も、日本とはずいぶん違うんだな。ダリウスの家族は、一族としての結びつきが強い。
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