アニメと鉄道ビジネス の商品レビュー
アニメと鉄道の関係を時系列を追うように追いかけた一冊。 ただ、なんでもかんでもを通史的に追うというよりかは、象徴的な事象をピックアップし、その背景や相関関係をやんわり描く形でアニメと鉄道の相関関係を描いている一冊。 アニメに鉄道が出てくること自体はかなり昔からで。それが「アニメ...
アニメと鉄道の関係を時系列を追うように追いかけた一冊。 ただ、なんでもかんでもを通史的に追うというよりかは、象徴的な事象をピックアップし、その背景や相関関係をやんわり描く形でアニメと鉄道の相関関係を描いている一冊。 アニメに鉄道が出てくること自体はかなり昔からで。それが「アニメにリアリティを出したいから」という側面があったことは興味深く。そこに(メカ好きとしての)鉄道好きアニメーターが深みを出していた。 21世紀以降は、そこにアニメ側の「リアリティを出すための地方アニメブーム」と、鉄道会社側の「地域とともに歩もうとする方針」が重なり。 そこにアニメに親しんだ鉄道会社社員の理解もあって鉄道会社とアニメ(やキャラクタービジネス)のコラボレーションが、失敗がありつつも積み重ねられていった、そんな歴史が、文庫本一冊にきれいにまとめられている。 広告規制で易々とはキャラを電車に張り付けられない、などいろんな監督省庁とかかわりのある鉄道ならではの問題もふれつつ、海千山千でいろんな業種と関わってきた鉄道・アニメ会社のノウハウも垣間見られ。興味深い視点を提供してくれる一冊だった。 オタク業界内では、割と離れているジャンルとされてきたアニメオタクと鉄道オタクが、「地域やビジネス」というこれまたオタクとは一線を画す印象のあるものでつながっていくことは興味深く。 じり貧の印象が強い日本のビジネス業界で新しいなにかを生み出す方法の1つが「今まで見落としていた境界領域」なんだ、と感じられた一冊だった。 なお写真は多くないので…視覚情報を重視するタイプのアニメオタクにはあまり楽しめない一冊かもしれない。 逆に文字しかない時刻表とかから、載っていない(もしかしたら乗っていもいない)昔の列車を思い浮かべる、妄想たくましいタイプの鉄道ファンには一読をお勧めしたい一冊。
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JR西日本の「500 TYPE EVA」はそのデザインの秀逸さにもあり今でも大好きな列車ですが、その制作話に当時の記憶が鮮やかに蘇りました。また観光との高い親和性はとても勉強になりました。
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