騙る の商品レビュー
古美術品を巡る詐欺師たちのお話。 今回はマル暴もヤクザも暴力も無し・・・、それならどうなる?・・・と、期待して読み進める。 ・・・結論、オモシロかった~ 現実的というか、非現実的というか、背筋が寒くなる気持ち悪さが、バツグン!さすが黒川さん。
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6話からなる。 詐欺師の話を書かせたら、この著者、黒川博行氏が、抜群であろう。 先日から、大物有名画家の版画の贋物が、出回り、やっと詐欺師が、逮捕された事件をおもいだしながら、読み出した。 彫刻の縮小模型の事を「マケット」というのも、この本で、知り得た。 騙し騙され、三方一両得...
6話からなる。 詐欺師の話を書かせたら、この著者、黒川博行氏が、抜群であろう。 先日から、大物有名画家の版画の贋物が、出回り、やっと詐欺師が、逮捕された事件をおもいだしながら、読み出した。 彫刻の縮小模型の事を「マケット」というのも、この本で、知り得た。 騙し騙され、三方一両得になっても、誰が損をするのだろうか? 「上代裂」 佐保の姪の玲美は、悪いホストに引っ掛かり、キャバクラへ売られると、・・・ そこで、佐保は、古めかしい時代の掛かった布裂で、仕掛けをする。 正倉院御物にも同様な様式の物があるという・・・上代裂。 玲美と富裕層のような友人と一緒に、ホストに会って、餌をちらつかせる。 ツケもチャラにして、何故か、スッキリ・・・・ 悪どい者が、懲らしめられるのは、良い! 「乾隆御墨」(けんりゅうぎょぼく) 読み方もわからず、読み出した。 業者のオークションの手数料も高いが、サザビーズのオークションの手数料は、25%というのもの凄い! 墨1つで、290万もポンと購入する皆木。 贋物と分かり、佐保は、「書」が、欲しいと、言わせる。 そして、最後に、気が変わった!書は、要らんと、・・・ 騙した相手を騙すのは、良いが、騙された金額が、大きすぎる。 その上で、仲介者に礼金を渡すのだから・・・金持ちは違う思想の持主である。 「栖芳写し」 北川栖芳とは、狩野派の絵師であり、狩野永徳の弟子で、30歳台で、早逝。 ある蔵から出された屏風、その栖芳の弟子の狩野治信が、栖芳の屏風を写し屏風仕立てにした物だった。 それを安く手に入れようと・・・もくろむのだが、・・・結局は、持ち主は、屏風を売る気にならなくなる。 話かた一つで、猜疑心も生まれる。 「鶯文六花形盒子」(うぐいすもんろつかがたごうす) これも、読み方が、難しい。 青銅器である。 ある美術館が、財政難で、手放したのだが、それも極秘で、・・・ 富本銭の話も、初めて知る事柄。 佐保の、美術館の理事についての電話で、偽者だと、・・・ そして、地面師だと。 そう言えば、世田谷だったか、大きな土地の詐欺師が、数人逮捕される事件があったのを思い出した。 今は、3Dコピーという便利な物が、あるけど、こんな風に使用されて欲しくないなぁ~と、思いながら、性悪な詐欺師が、逮捕されて、ホッとした。 作者は、芸術大を卒業されているが、造詣が、深い。 読んでいて、初めて知る事が、沢山あり、そして、一般の庶民が、騙される事が、多い中、痛快な感じで、書かれているのに、感心する。 私は、関西人なので、土地カンが、よくわかり、読むたびに、どこら辺なのかと、思いながら、楽しませてもらっている。 そして、素敵な表紙の 妖艶で美的な芸妓さんは、黒川氏の奥様の絵に、いつもうっとりしてしまう。
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111テンポのいい連作でした。昔も贋作ものを書いてはったけど造形が深いように見える笑。こういうのもたまにはいいね。ほんまはずっと続いてる続編が読みたいけど。
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美術界の闇を描く短編作。 ・マケット ・上代裂 ・ヒタチヤ ロイヤル ・乾隆御墨 ・栖芳写し ・鶯文六花形盒子 美術年報社の菊地と佐保を中心に、古美術、書、ビンテージとありとあらゆる物の取引で、利ザヤを稼ごうとする。 しかし相手も海千山千のタヌキばかりで、攻防が面白い。 ...
美術界の闇を描く短編作。 ・マケット ・上代裂 ・ヒタチヤ ロイヤル ・乾隆御墨 ・栖芳写し ・鶯文六花形盒子 美術年報社の菊地と佐保を中心に、古美術、書、ビンテージとありとあらゆる物の取引で、利ザヤを稼ごうとする。 しかし相手も海千山千のタヌキばかりで、攻防が面白い。 文福茶釜や折れ離紙と舞台は同じ。 黒川節炸裂。
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久しぶりに著者の美術業界関連のミステリを読む。さすが得意分野とあって、美術業界の描写がリアル。結構美術品を見るのが好きなんだけど、こういう業界裏を読むたびにあまり深入りしたくないなぁと思ってしまう(苦笑) 今作は短編集。主人公は毎回違っているが、その中でも中心人物となるのは美術...
久しぶりに著者の美術業界関連のミステリを読む。さすが得意分野とあって、美術業界の描写がリアル。結構美術品を見るのが好きなんだけど、こういう業界裏を読むたびにあまり深入りしたくないなぁと思ってしまう(苦笑) 今作は短編集。主人公は毎回違っているが、その中でも中心人物となるのは美術雑誌の編集者の佐保さんかな。佐保さんがコンゲームの仕掛け人となる話は安心して楽しく読めるけど、逆のパターンもあるので、なかなか気が抜けない感じ。騙すほうも騙されるほうも欲深さは大して変わらないので、どちらかに感情移入することにはならない分、ドップリとはのめりにくいかも。
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絵や骨董品での詐欺の話。 偽物を作ったり、騙す方も努力してんなーと思った。 騙されないようにするのは、難しい。 専門用語が多いが、読みやすく、おもしろかった。、
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美術商の騙し騙されは難しい。アロハは日本からハワイに移住した人たちが着古した着物をほどいてシャツに縫い直したのだと。
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連作短編集6編 古美術商の世界の胡散臭さ満載。ほとんど詐欺、ぼったくりの世界。佐保もかなりのもんだが、彼以上の犯罪まがいのものには正義の味方になってみたり、裏美術の仕組みがわかって面白かった。
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一気読み! 痛快! 悪い輩、セコい考えの輩が痛い目見るからスッキリする〜! 美術品の専門用語が多数出てきて、初めは怯んだけど、ストーリー展開が気持ち良くて読み進む進む。 某バラエティ番組よりも痛快なので、ぜひ読んでスカッとしてほしい。
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美術商を題材にした騙し合いバトル。 美術品にはほとんどなじみがないけど、こんなふうにニセモノが出回ってて、こんなふうに金儲けを企む人がいるのかなーと思った。 短編のオムニバス。それぞれつながりや物語の発展性がなく、ぶつ切りに並べられた印象。 半分ほど読んで断念。面白いとは思ったけ...
美術商を題材にした騙し合いバトル。 美術品にはほとんどなじみがないけど、こんなふうにニセモノが出回ってて、こんなふうに金儲けを企む人がいるのかなーと思った。 短編のオムニバス。それぞれつながりや物語の発展性がなく、ぶつ切りに並べられた印象。 半分ほど読んで断念。面白いとは思ったけれど、騙すか騙されるかの展開が分かりきっていて、最後まで読み切るほどはのめり込めなかった。 関西弁の文体も、美術商の胡散臭さを効果的に演出していたけれど好きになれず。ゴメンナサイ。 なんで表紙は芸妓さんの絵だったんだろう…
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