針葉樹林 の商品レビュー

石松佳(著者)

2022/05/18

そこにある水面が、
すべてをうつして透明に透き通り、
砕けた光が集まって、
すべてを光とする。

まるでそこにないように透け、
心が編む水紋に揺れてそれはそこにあり、
音もなく響きわたる。

針の隙間を縫うように通った風が、
ふたたび集まり頬を撫でる。

心地の良い、眩しさ。

2021/11/21

静かで涼しい、青い夏から透明感のある冬へと、イメージが移っていく、それぞれの詩がキーワードやイメージによって繋がり、タイトルを読了感が回収してくれたような気持ち

2020/12/31

交わることなく結ばれた静謐な言語の並びが美しい。
「ーーその人の瞳には何か遠くの譜面を読むようなところがあり、小さな死など気にしない清々しさを感じたために無数にある窓から差し込む陽光が昏睡を誘ったけど、それはわたしの燃え尽きそうな小説だった。」記述した詩にはないが、水に纏わる言葉が多く散見されたように思う。