みんなの研究倫理入門 の商品レビュー
研究調査を行う際に必要となる「研究倫理審査」。研究者それぞれに倫理的な対応が求められることは理解できていても、そのことと、これらの審査に求められる細かな書類上の項目やルールがどのように関連しているのか、については、ほとんど明らかでないことが多い。 本書では、現在多くの研究機関で採...
研究調査を行う際に必要となる「研究倫理審査」。研究者それぞれに倫理的な対応が求められることは理解できていても、そのことと、これらの審査に求められる細かな書類上の項目やルールがどのように関連しているのか、については、ほとんど明らかでないことが多い。 本書では、現在多くの研究機関で採用されている「研究倫理審査」の手続きのもとになっているであろう、医療分野の研究倫理の考え方について、「そもそもどこからが研究で、どこからが診療(実践)なのか?」「研究協力者に報酬を支払うのってあり?なし?(どこまで、あり?)」など、研究調査を行ってきた身として直面せざるを得なかったような疑問から出発しつつ、いつの間にかそれが、研究倫理の基本的な問いとして考えられるような仕組みになっているのも、よい。感覚的に「このくらいでは、ありでは?」などと考えていた部分もあったので、どのように整理して考えていけばよいのか、どこからは、関わっている人たちと対話しながらケース・バイ・ケースで考えていくべきことなのか、がクリアになった気がする。 医療分野の研究倫理についての入門書ではあるが、①現在、大学等の研究機関の多くで実施されている研究倫理審査体制が、医療分野における研究倫理体制をモデルにしている場合が多く、②研究倫理に関して行われてきた議論のベースが整理されているので、これをもとに他の分野において独自に議論すべき点を読者が考えていけるようになっていることから、あらゆる分野の研究者(実践をベースに研究を行うものも含む)が一読すべき本だと思った。
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いただきもの。対話型でわかりやすく書かれた研究倫理入門書。研究と診療の区別、インフォームドコンセント、リスクベネフィット、研究対象者の公正な選択(弱者の問題など)が扱われている。これらの問題を掘り下げて考えるのに有用だろう。勉強します。
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