アメリカ黒人史 の商品レビュー
アメリカ黒人の歴史を解説する本。 アフリカから奴隷として連れてこられ、アメリカに定着し、南北戦争や公民権運動を経て、BLM事件発生までの流れを追う。 それは圧倒的な差別と格差の歴史だった。 戦慄した。 自分は黒人のことなど、何も知らなかったのだと痛感させられた。 この本を読め...
アメリカ黒人の歴史を解説する本。 アフリカから奴隷として連れてこられ、アメリカに定着し、南北戦争や公民権運動を経て、BLM事件発生までの流れを追う。 それは圧倒的な差別と格差の歴史だった。 戦慄した。 自分は黒人のことなど、何も知らなかったのだと痛感させられた。 この本を読めば、「いつまで差別、差別と被害者ぶっているんだ」などと、口が裂けても言えなくなるだろう。 彼らにとって差別とは、尊厳だけの問題ではない。生死に直結しているからだ。 このような人種間の軋轢から生じる問題は、日本人が感覚だけで理解するのは難しいと思う。 だからこそ、そこに歴史を学ぶ意義がある。 この本からは、現代にも通じる、本当に多くの教訓を得ることが出来た。 ・無知が差別を生むこと ・差別や支配をする側は、時にそれを正しいものだと思い込むこと ・法律が常に正しいとは限らないこと ・法律を修正したからといって、それで問題が解決するわけではないこと ・結局はそれを使う人間にかかっているということ ・被害者も、時には加害者に転じること ・よって社会には、被害者だけがどんどん増えていくということ ・一部の人が暴力的な行為に訴えるだけで、全体がそのように見られてしまうこと ・黒人にも白人にも色々な人がいること。人種をステレオタイプ化するのは、本当に無意味だということ 密度が濃く、読み下すのに苦労したが、それでも読む価値のある一冊だった。 翻って、これほどの断絶の歴史があったにも関わらず、オバマ大統領が誕生したことは、アメリカの一つの奇跡だとすら言える。 それは人類の強さだと思う。 もちろんまだまだ問題は山積みだが、それでも、少しずつでも世の中が良くなっていくことを願う。
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メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1960275105399066732?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw
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奴隷制の下でどんなことが行われていたのか、詳しく記載されていた。人種差別の問題がこんなにも根深く、現代にいたるまで続いていること、その複雑さを理解できて大変勉強になった。
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残酷かつ理不尽な形で新大陸につれてこられた人々が、人間としての権利を主張することにこれだけの困難がともなって、今なお達成されていないのだなとあらためて思い知らされた。前進があればそれに倍するほどの反動があり、特に南北戦争後、奴隷解放宣言による一瞬の希望のあと、「南部再建期」にその...
残酷かつ理不尽な形で新大陸につれてこられた人々が、人間としての権利を主張することにこれだけの困難がともなって、今なお達成されていないのだなとあらためて思い知らされた。前進があればそれに倍するほどの反動があり、特に南北戦争後、奴隷解放宣言による一瞬の希望のあと、「南部再建期」にそのほとんどが無に帰したあたりは胸がいたくなる。公民権運動と、それに対する恐ろしいまでの暴力やテロ、暗殺もまたしかり。 それでも、多くの犠牲を払いながら前進をつづけてきて、今日のブラックライブズマターまでつながっているのだということがわかる。 一度読んだくらいでは人に説明できるほど身につきはしないけど、最後のほうにジョン・ルイスも登場したので、また『MARCH』三部作を読み返そうかなと思った。 あ、ちなみに読みおわってからはじめて「あ、翻訳だったのか!」と気がついた。かっちりした硬めの文章ではあるけど、不自然なところは一切なく、学者さんが一から書き起こしたのだと思って読んでいました。
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南北戦争、公民権運動、ジムクロウ、ブラックライブズマターと黒人の差別の歴史を網羅的に解説してくれている。改めてBLM運動について考え直すきっかけになった!
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アメリカにおける、400年間の黒人の歴史。 〇教科書における一語一文の後ろにたたみ込まれている歴史の重みや人々の思いや命を広げて読んだ気がした。 〇「レイシズムという言葉に中立性はない。「レイシスト」の反対語は「非レイシスト」ではない。その反対語は「反レイシスト」であり、それは、権力や政策や個々人の態度の中に問題の根幹を見出し、解体しようと行動する者のことである。「反レイシズム」は異なる「人種」の人びとを理解しようとする絶え間ない試みであり、レイシズムに向き合わない、ただの「人種に対する受動的な態度」である「カラー・ブラインド」になることではない。だれかが他者を、生物的に、あるいは民族性によって、身体の特徴によって、文化的背景、ふるまい。階級、もしくは肌の色によってじゃっじする- ポジティブなものもそうでないもなやでも-- そのとき「レイシズム」があらわれる。「レイシズム」は一人のか人間をステレオタイプなに押し込め、その個人を、対等に権利と機会を与えられた、対等な存在として認めない」P 292 →魂に刻み込んでおきたい。いま、見失っている人のところにも届きますように。 〇アメリカ大統領の権限の強さを良くも悪くも感じた。 〇黒人が銃を持ちはじめた理由。銃社会についても、考えさせられた。 〇往年の文学を読み返したい。また、公民権運動に関する本をいくつか読んでみたい。 ①アフリカの自由民からアメリカの奴隷へ ・ヨーロッパ人とアフリカ人 ・アフリカの中の奴隷制度 ・三角貿易 ・奴隷船 ②奴隷としての生活 ・奴隷の始まり ・コットンプランテーション ・民話に隠されたメッセージ ・キリスト教 ・逃亡と抵抗 ・アンクル・トムの小屋 ・肌の色 ③南北戦争と再建 ・南北戦争での黒人の役割 ・「四十エーカーとラバ一頭」 ・スピリチュアルの誕生 ・KKK ④「ジム・クロウ」とその時代 ・ジム・クロウの法的影響 ・「科学的」人種論 ・リンチ ・新奴隷制度 ・プレッシー対ファーガソン訴訟 ・ブッカー・T・ワシントン ・W・E・B・デュボイス ・「大移動」 ・ ハーレムルネッサンス ⑤第二の「大移動」から公民権運動まで ・第二の「大移動」 ・第二次世界大戦での兵役 ・公民権運動に火をつけた2つの事件 ・公民権運動とブラックパワー運動 ・座り込み運動、フリーダム・ライダーズ、ワシントン大行進 ・KKK 再び ・マルコムX ・都心暴動 ・キング牧師暗殺 ⑥公民権運動からオバマ政権まで ・「でかい声でしたいってみろ。おれは黒人で誇らしい」 ・カーター大統領、レーガン大統領 ・アファーマティブ・アクションへの反発 ・ロサンゼルス暴動 ・オバマ大統領 ⑦アメリカ黒人の現在と未来 ・ジョージ・フロイド事件とBLM 運動 ・シャーロッツビルの悲劇 ・アスリートたちによる抗議行動 ・白人優勢の陰り ・いま、アメリカで黒人として生きること ・選挙における差別 ・教育における差別 ・住居をめぐる差別 ・「世代的な富」の欠如 ・レイシズムとは何か ・人種的アイデンティティ ・「ブラック・ライブズ・マター」の意味
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奴隷制が始まって以来、黒人は白人による差別や迫害に常に遭ってきた。奴隷船やプランテーションでの非人間的な扱いを生き延び、解放され自由民になっても、「約束の地」である北部に逃れても、彼らが人種差別から解放されることはなかった。四〇〇年にわたり黒人の生活と命を脅かしつづけてきた差別と...
奴隷制が始まって以来、黒人は白人による差別や迫害に常に遭ってきた。奴隷船やプランテーションでの非人間的な扱いを生き延び、解放され自由民になっても、「約束の地」である北部に逃れても、彼らが人種差別から解放されることはなかった。四〇〇年にわたり黒人の生活と命を脅かしつづけてきた差別と、地下鉄道、公民権運動、そしてブラック・ライブズ・マター(BLM)に至る「たたかい」の歴史を、アメリカ南部出身の著者が解説する。 この本の目次 第1章 アフリカの自由民からアメリカの奴隷へ 第2章 奴隷としての生活 第3章 南北戦争と再建―一八六一〜一八七七 第4章 「ジム・クロウ」とその時代―一八七七〜一九四〇 第5章 第二の「大移動」から公民権運動まで―一九四〇〜一九六八 第6章 公民権運動後からオバマ政権まで―一九六八〜二〇一七 第7章 アメリカ黒人の現在と未来
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アメリカ黒人の通史が良くまとまっています。現代に近づくにつれやや情緒的になることはやむを得ないでしょうか。
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「ブラック・ライブズ・マター」、その歴史を学ぼうと手に取った。 1863年のリンカーン大統領による奴隷解放宣言から1世紀が経過し、1964年の公民権法、1965年の投票権法、メディケアという高齢者医療制度など、徐々にではあるが制度が整備されている。しかし、一方で黒人をはじめとする非白人が持つ根深い構造格差(教育、就職、所得、資産管理等)や白人からの偏見が重くのしかかっている。 黒人初のオバマ大統領の誕生は米国の懐の広さを感じたものだが、そのオバマ氏もねじれ上・下院や人々の偏見で思ったような政策を進めることができなかった。白人至上主義者や白人の生活力が低い人々からの強い抵抗もあったことだろう。 2000年代のはじめには黒人の若年層の12%が刑務所に入っているという驚きのデータもあるという。四世紀にもおよぶ人種差別の根深さを感じる。今後、非白人の人口が白人に迫ってきたとき、この国に何が起きるのだろう。
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